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東京都交響楽団が創立45周年記念公演としてスメタナの歌劇「売られた花嫁」をコンサート・
オペラ形式で上演した。都響のプログラミング、指揮者陣を考えるとなぜ創立45周年記念公演
がオペラなのか、しかもこの「売られた花嫁」なのかよく理解できないのだが、それはともかく
上演機会の極めて少ないこの作品が取り上げられたのはよいことだ。「言葉」が壁になるという
ことはよくあるが、今回はスロヴァキアの歌手を中心として慣れた歌手が出演したこともあり
この希少なオペラの上演が実現したことはとても嬉しいことだ。
上演の冒頭、まず「ナビゲーター」としてフリーアナウンサーの朝岡聡が登場、居酒屋の主人
に扮してこの物語について簡単に紹介して去り、そして指揮者の登場。一部の割愛があるにせよ
ハイライト上演でもないのにわざわざこのような役が出てくる必要は全く感じられず、はっきり
言って邪魔な存在だった。いったいなぜこのような「ナビゲーター」なるものを立てる必要が
あったのだろうか。
さて、都響は先週も聴いたばかりでその時にも感じたのだが弦のアンサンブルが非常に良く
揃っていた。序曲では特にそれが重要だったように思うが、その上に木管・金管がしっかり
と乗って、全編を通して非常に質の高い演奏を聴かせてくれたように思う。これは「この
オペラでは、オーケストラはソリストと同等のパートナーなのです」と語っている指揮者
レオシュ・スワロフスキーの功績ではないだろうか。
さてその歌手陣はマジェンカを歌ったアドリアナ・コフートコヴァーが出色の出来。村の娘
という役柄ではあるが(村の娘というとアディーナなどを想像してしまうが)ドラマティック
でしっかりとした歌唱を聴かせてくれた。この歌手はとても良い歌手だった。その恋人で
あるイェニークを歌ったのは来日も多いルドヴィト・ルドゥハ。声の質自体が締め付けられた
ような声で絞り出すような発声、伸びも声量もさして無く、がっかりだった。
むしろ「恋敵」ヴァシェクを歌ったオトカール・クラインのほうが声も出て発声もしっかり
していて聴いていられたのではないだろうか。その他、結婚仲介人ケツァル、二組の両親は
アンサンブルもよく綺麗に全体をまとめていたように思う。
会場は入りもなかなか良くそれなりに盛り上がり、オーケストラにも暖かい声援が贈られた。
<都響スペシャル コンサート・オペラ「売られた花嫁」>
ベドジフ・スメタナ:歌劇「売られた花嫁」
イェニーク:ルドヴィド・ルドゥハ
マジェンカ:アドリアナ・コフートコヴァー
ヴァシェク:オトカール・クライン
ケツァル:ヤーン・ガラ
クルシナ:セルゲイ・トルストフ
ルドミラ:エヴァ・シェニグロヴァー
ミーハ:フランティシェク・ジュリアチ
ハータ:ルツィエ・ヒルシェロヴァー
ナビゲーター:朝岡聡
ダンサー:三井聡、江田あつし、水那れお、今村たまえ
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
指揮・演出:レオシュ・スワロフスキー
2010年7月19日 サントリーホール
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