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ミュンヘンでの二回目のオペラは「愛の妙薬」、こちらもまだ数年の新しい演出。舞台はぱっと見
ではどこかの惑星のようなただの地面のように見える。そこに降り立つドゥルカマーラが乗って
いるのは宇宙船のような乗り物。基本的に舞台に変化は起こらず面白みのない演出だった。
ネモリーノにはジョセフ・カレヤ。春にも新国立劇場で同じ役を聴いているが、どうにもこの
表面的で浅く浮ついた発声とヴィブラートは感心しない。ドゥルカマーラにはヴェテランのバリトン、
アレッサンドロ・コルベッリ。コミカルな役にはぴったりの歌手だ。流石に歌唱には年齢を感じるが
舞台上の存在感、演技が素晴らしい。
ベルコーレのニコライ・ボルチェフ、ジャンネッタのタラ・エロートの二人も好演、ジャスティン・
ブラウンの指揮も軽快で非常にバランスのいいものだった。
何よりこの上演で素晴らしかったのはアディーナを歌ったニーノ・マチャイーツェ。おととしこの
アディーナを聴く予定だったのが直前に諦めざるをえなくなったことがあり、リベンジでようやく
聴くことができた。非の打ちどころがない素晴らしい出来だった。透き通るような美しい声に見事に
コントロールされた正確な音程。美貌もさることながら演技がまた自然で大袈裟なところがない。
上演前に「風邪で不調であるが本人の意向で舞台に立たせます」というアナウンスがあったが、
そんなことは全く感じさせなかった。またいつかどこかで、ぜひ聴きたい歌手だ。 <バイエルン国立歌劇場 ドニゼッティ「愛の妙薬」>
アディーナ:ニーノ・マチャイーツェ
ネモリーノ:ジョセフ・カレヤ
ベルコーレ:ニコライ・ボルチェフ
ドゥルカマーラ:アレッサンドロ・コルベッリ
ジャンネッタ:タラ・エロート
合唱:バイエルン国立歌劇場合唱団
管弦楽:バイエルン州立管弦楽団
指揮:ジャスティン・ブラウン
演出:ダヴィット・ベッシュ
2010年12月30日 ミュンヘン州立劇場
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2011年01月18日
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