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今回は歴史ある建造物の話です。
まず、「国登録有形文化財」とは何ぞや?という話から入りましょう。
この登録制度は、国土開発、都市計画の進展、
そして、目まぐるしく変わる生活様式の変化等により、
社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様な
文化財建造物を後世に幅広く継承していくために、
届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じるという制度で、
従来の指定制度(重要なものを厳選し、強い規制と手厚い保護を行うもの)
を補完する役目も持っています。
要するに、「後世まで残さねばならないのだ!!」という「国指定」と比べると、
「こういうものも残しておくべきだよねえ」といったニュアンスになるでしょうか。
実はこの建物、札幌市中心部の幹線道路沿いに建っています。
中心部に建っているということは、
当然、あの「時計台」同様、ビルに囲まれていることになります。
明治38年に建てられたという石造りの教会ですが、
窓頂部のゆるく尖ったアーチと、簡略化されたバラ窓は「ゴシック風」、
会堂は片側だけに塔を持つ「ロマネスク風」といわれる様式が用いられ、
外壁には「札幌軟石」という石が使われています。
札幌軟石というのは、支笏湖の火山の噴火による火砕流が流下してできたもので、
石材としては軽く、加工しやすいもので、更に火に強いという特徴があることから、
明治中期から大正にかけ、建築資材としてさかんに使われていたとのこと。
かつては、今の南区にある採石場から市内中心部へ多くの石が運ばれていました。
この時運んだルートを元に、今の「市電」のルートが決められたようです。
札幌や小樽には「札幌軟石」を使った建物が、まだまだ現存していて、これもその中の一つです。
軟石で造られた建物には、独特のあたたかみや趣きがあるため、
愛着する人が少なくありません。
この石の色を言葉で表現すると、「僅かに青みを帯びたグレー」。
美しい街並みを作る参考にするために、2004年に市都市計画部によってまとめられた、
札幌の景観色70色に選ばれています。
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