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新年1作目は、やはり大沢在昌作品から。 今回は、北海道在住の麻取(麻薬取締官)が主人公。 密告によって、地元警察と主人公ら「麻取」が張り込んでいた麻薬取引き現場で、 ロシア人の運び屋を取り逃がしてから大きな事件になっていきます。 全国で200人にも満たない麻薬取締官が、「おとり」や「内偵」などを行う捜査と、 地元警察の「人数にものを言わせる捜査方法」が、軋轢を生んで衝突するのは、 「麻薬売買をする犯罪者」を追う警察と、「麻薬中毒者」を無くすこと、 すなわち「麻薬」を押収することが目的である麻取との違いによるものでしょう。 少人数である故に、意志伝達が出来ていてしっかり統制が取れている麻取と、 逆に人数が多いために統制が取れず、中にはやくざと癒着してしまう警察官が居る? なんて描写は、いかにも現実的にありそうでリアルなシーンでした。 事件の核は麻薬ではなく、決して現実では考えられないものがメインとなっているものの、 主人公の「過去の自分自身への怒り」がラストシーンへ向けての重要なファクターとなっていたり、 興味深い内容がページ数を感じさせず、どんどん引き込まれていきます。 そして、大沢作品の読者(新宿鮫の読者!?)には馴染みのある人物が登場するなど、 ファンへのツボもしっかり押さえています。 ・・・個人的には、ラスト前の部分で「ちょっとくどいかな?」と 思わせるところがありましたが、ラストは納得できるもの。 上下巻で約700ページ。 帯に「大沢在昌、渾身の最新巨編」とあるとおり、読み応えも充分でした。
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2008年01月12日
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