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「楽聖」ベートーベンは1770年にドイツにて生を受け、1821年にウィーンにて生涯を閉じました。

世紀をまたいで活躍された偉大なる芸術家でした。


世紀が切り替わるときを、キリスト教では「ミレニアム(千年紀)」と呼びます。

不思議にどのミレニアムにおいてもその前後に歴史を揺り動かす大きな流れが胎動し始めます。

ベートーベンが通過したミレニアムは、「中世から近代」への転換点でした。


この時代、世界はヨーロッパを中心に新しい時代の生みの苦しみの真っ只中にあり、暗雲が垂れ込める

波乱の時代でした。

中世の王朝支配が破綻し始め、民衆による民衆のための国家や体制を生み出だされようとしていました。

フランス革命・ナポレオン戦争・クリミア戦争と続き、アメリカ独立戦争が始まり、東洋ではアヘン戦争・

日本の幕末動乱・清朝崩壊・・・と続く大動乱期です。

「列強」という言葉が生まれ、産業革命の真っ只中で人間の生き方・働き方が大変革を遂げていく時代でした。

ベートーベンはこの時代に生きて、人類全体の安寧と幸福を願い、殺戮や圧制のない和平に満ちた世界の

到来を願っていた人であり、その思いが彼の芸術活動の源泉であるのだと思います。


人はすべからく皆、この世にて幸せを授かることを期待して、生まれ出ずるものだと思います。

自らの個人的な幸福を願い、世界に慈愛が満ち溢れることを期待します。

でも世の中、そう上手くはいきません。

特にこの時代、圧制が続き、侵略と抗争はいつ果てるともなく続きました。どうにも解決しようのない

世の中の不条理や突き崩せない障壁を前に、理想との落差を感じざるを得ない時代でした。

人の能力の小ささと自分の無力さを自嘲し、幸福を与えることのできないことに悲しみ、望みを失い、

倒れていった朋友を思い、悲嘆にくれる日々が続いたことでしょう。

しかし、嘆き悲しむことだけではなく、神に祈ることだけではなく、世界の美しさや人間の愛の力により

哀しみを回復し、力をため、民衆が力を合わせて新しい世界を作りあげようという、理想の火が

燃え始めてていた時代でもありました。


ベートーベンは、人類の上に永遠の平穏と愛が満ちることを希い、その到来を確信し、その思いを

九つの交響曲によって表現したのではないか、と思っています。

表現は適当ではないかもしれませんが、ベートーベンの九つの交響曲は、別々の理由によって書かれたもの

ではなく、一連の連続した思索と理想の結晶だと思うのです。


高らかな希望 ⇒ 挫折と悲嘆 ⇒ 愛の力への信頼と確信の回復 ⇒ 人類賛歌と祝祭
   
というキーワードが大きなスキーム(枠組み)を構成しており、九つの交響曲は全体で一セットの曲だと

考えるのです。

そして同時に、個別の交響曲の中も、同様のキーワード・フレームによって構成されていると思います。

言い換えますと、大きなリングが、4楽章x9曲=36個のリングによって組上げられている、壮大な

思索体系だと思えてなりません。


交響曲第3番「英雄」を例に取れば、ナポレオンという英雄の出現によって高められた「理想世界への期待」に

始まり、皇帝への即位という裏切りへの「怒りと深い挫折感」、それに立ち向かう「民衆の力による回復」、

来るべき素晴らしき人類愛に満ちた「理想郷への賛歌」と続く・・・・という具合です。

(続きは http://blogs.yahoo.co.jp/marty1010921/19800861.html です)

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    中学生のときベートーベン交響曲全集を繰り返し聞きいた。人生でもっともすばらしいものとの出会いだった気がする。それから何十年も経ったのに聞いて感じるもに何の変化もない。人間って変わらないものだとつくづく思う。ジョージ・セル、クリーブランド交響楽団でした。これはもらい物なので選択の余地がなかった。その後たくさん指揮者、オーケストラで聞きました。15曲の弦楽四重奏が特に好き。

    [ aoi ]

    2005/12/12(月) 午後 7:06

    返信する
  • Keiさん、ご来訪・コメント有難うございます。中学生という最も多感な頃に、全集で(全曲を)何度もお聴きになれたことを、然もセル・クリーブランドという素晴らしい組合せを授けられたということ、本当に羨ましく感じます。(私など中学の頃は何も考えた記憶がありません!) 弦楽四重奏の深い味わいに身を浸される境地に達しておられるご様子。目指してみたいと存じます。今後もご指導をお願いいたします。

    スピンネーカ

    2005/12/12(月) 午後 11:09

    返信する
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    たしかに時代のうねりのなかで試行錯誤するベートーヴェンの音楽には、その結果生み出された思考体系のような壮大なヴィジョンを感じますネ。トラバさせてください。よろしく。

    [ ひろmahler=^・^= ]

    2007/2/28(水) 午後 7:54

    返信する

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