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Spinnaker's Music Clip board
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CDをセットしてプレイボタンを押します。(いつもながら楽しい瞬間・・・♪)

独特の、低弦のかすかなトレモロが、静かに、穏やかに始まります。

まるで、欧州の深い森に低く垂れ込めてただよう朝霧のよう。

朝日が指し込むかのように、弦のトレモロが高揚し始め、金管がかすかに加わりはじめると、

秘剣エクスカリバーを掲げ、湖の騎士ランスロットを従えたアーサー王が、白馬に乗って森の奥から

近づいてくる・・・・ふと、そんな映像を思い浮べてしまいそうな・・・・

アントン・ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティーク」、とても印象的な導入部です。


「ロマンティーク」という言葉を、「恋とか愛とかに関係するほんのりとした心持ち」のことと捉えてしまうと

間違ってしまいます。英語本来のニュアンス、「古き良き時代を彷彿とさせる風景・情緒、又はそれらへの

あこがれ」と捉えてくださいね。すると、ブルックナーがとても身近に感じられるようになるでしょう。



針葉樹と広葉樹が入り混じり、うっそうとしたヨーロッパの森々。

雪を頂くアルプスの連なり。流れ出る清く澄んだ河、

流れ落ちる滝、水しぶき、たちのぼる霧。青く澄んだ深い湖。

吹き抜ける風、流れる雲。河岸にそびえる古城。苔むす石垣。中世の騎士たちの戦い。はためく王旗・・・


北欧のバイキングのような荒々しい生活ではなく、

一本づつ丁寧に紡いだ民族衣装を纏い、牧羊と農作業に生きる穏やかな民。チーズの薫り。

夕暮れに村々に響くチャペルの響き。  ヨーロッパの原風景が眼前に広がります。



1824年オーストリアに生まれたブルックナーが、1874年(40歳)の時、第1稿を起こし、

86年の第4稿まで、12年の間になんと4回も加筆訂正した第4番「ロマンティーク」。

普仏戦争、フランス第二帝政崩壊。パリコミューン。ドイツ帝国成立。 大英帝国インド占領。

ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国、イタリア王国、三国同盟締結。・・・・

きな臭い、騒然とした現実のなかで、旧き良きヨーロッパの自然と生活に思いを馳せた音楽です。



本日お薦めするジャケットは、同じオーストリア出身の大指揮者 カール・ベームと、彼の愛した

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるもの。 1973年の録音。

ベームは「第1稿」による第4番を1936年に世界初録音しています。ジャケットは「第4稿」によるもの。


多くの指揮者がこの第4番を録音していますが、その中でも名演奏の誉れ高いものです。

詩情豊かに、然しきちんと音を組上げ、静かな森の風景を、荒々しい冬の情景を、林を駆け抜ける

野生馬のダイナミックさを、一つ一つの音で大切に表現しています。

ウィーンフィルの弦も管も極めて美しい録音です。


アントン・ブルックナーはオーストリアに生まれ、名オルガニストでした。一生を独身で通し、

(但し、求愛は何度もしたようですが) 敬虔なカトリック信者でした。

一曲の完成まで、何回も補筆・訂正を繰り返し20年近くもかけるのは、心理学的分類では「粘着質」。

だからかもしれません。納得のいくまで同じテーマ・フレーズを繰り返します。

ですから、一曲がとっても長い! とっつきにくい理由の一つかもしれません。


ですが、こころ洗われる旋律です。未だお聴きになっておられなかったら、是非、どうぞ。

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    この曲の後に名演って言われる演奏がいっぱいありますが、やっぱりこの演奏に戻ってしまいます。また僕がベームを好きになった曲でも有ります。

    陶郷の風・・・片岡誠

    2006/2/12(日) 午後 0:29

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    私も同様です。やっぱりこの曲にはベームがぴったりです。指揮者の存在を感じさせないんです。チェリビダッケの4番も良いと思いますが、存在感たっぷりで、彼らしい(笑)。風が指揮してるような感じがこの4番には似合うと思います。7番位になると多少趣が違いますが、それは次の記事で書きたいと思います。

    スピンネーカ

    2006/2/12(日) 午後 2:41

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    こんばんは。 勝手ながら私のつまらぬ記事からトラバさせて頂きました。このCDは持っていませんが、同音源のDECCA盤を持っています。

    djh*208

    2006/2/13(月) 午後 7:24

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    DJ様、TB有難うございます。只今貴記事拝読いたしました。FMエアチェックという懐かしい言葉を思い出し嬉しく思いました。やってましたですね♪今の方は携帯で着メロが主流のようですが・・・・よろしくお願いいたします。

    スピンネーカ

    2006/2/14(火) 午前 10:06

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    スピンさん、こんばんは。ベーム/VPOの「ロマンティーク」、ちょうど僕がクラシック聴き始めの頃、新譜で出た懐かしくて涙が出そうな愛聴盤です。しかし実はもっと好きなのが同じコンビの3番「ワーグナー」なんです。今夜みたいな冬の雨降りに石油ストーブ、シューシューさせて…。あの攻撃的な曲想がたまりません。…しかし記事の通りブルックナーのコメントって見事に男性陣だけですね。

    gustav

    2006/2/15(水) 午後 10:55

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    GUSTAVさん、3番「ワーグナー」仰るとおり今の季節に似合いますね。ブルックナーは「聴く方」と「知らない方」に見事に分かれる現象が不思議です。もともとコメント少ないのですが、今回は女性ブロガーから総スカンを喰っちゃったのじゃないかとハラハラしています(汗)

    スピンネーカ

    2006/2/16(木) 午前 10:07

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    スピンさん、誰が書いても同じです。どうもブルックナーは女性には不人気のようです、ハイ。「男にしか分からない」なんていったら…マズイですね。

    gustav

    2006/2/16(木) 午後 9:10

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    スピンさん、異論反論!ここに変人もおりましたので、ご報告にまいりました。昨年10月のルツェルン祝祭管でのロマンティークは、そこで聴けたことが人生観を変えるほどでした。女性も数多くお目にかかりましたよ。

    nic*mid*lek

    2007/3/17(土) 午後 10:31

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    Kさん、お読み頂き有難うございます♪。。イエイエ、決して女性には判らんだろうなどと不遜な考えは持っておりませんですヨ、ハイ。むしろブルックナーを額にシワ寄せて聴くのが礼節と思っている諸氏に対して、音楽に身を任せるほうが良いですよ、と。こんなに雄大で詩的な曲を聴いたことがないなんて、もったいない、と申し上げたくて書きました♪

    スピンネーカ

    2007/3/18(日) 午前 1:04

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    お早うございます。相変わらず素晴らしい言葉の数々が泉の如く湧いてくるんですね。素晴らしい文才です(チョット、褒めすぎかナ)。ところで、この演奏は私にブルックナーを知らしめた一枚でもあり、ベームとウィーン・フィルの相性の良さを印付けた一枚でもあります。私にとって、この曲のこの演奏を上回るCDは今後も現れないでしょうね

    タカピー

    2007/3/21(水) 午前 8:26

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    褒め過ぎで〜す、タカピーさん。デモ、有難うございます♪。この曲を聴くと穏やかな時代のアルプスの北のふもとの景色が眼に浮かびます。 それを並べて書いただけです。この4番の後、5番以降は辛くなりますネ。ベームもこの4番で終わって、5番以降は無いような気がします。

    スピンネーカ

    2007/3/24(土) 午前 1:55

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