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世界の「3大バイオリン協奏曲」と云われたら誰を挙げるでしょう?

  (この記事は、下記の記事の続きです。)
  メンデルスゾーン交響曲第3番&4番:http://blogs.yahoo.co.jp/marty1010921/27833707.html

バッハ・ベートーベン・ブラームス・チャイコフスキー・・・そしてメンデルスゾーン。

(どうせなら「5大バイオリン協奏曲」といわれたほうが楽です。いずれ劣らぬ名曲揃い♪)

バッハのバイオリン協奏曲は透明で深遠、宇宙観たっぷり。ベートーベンのものは「敬虔な愛の調べ」、

ブラームスは「憧憬(あこがれ)の音楽」。それについては後で書くとして・・・



メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲について。(チャイコフスキーとのカップリングが多いですね)

私は、ナタン・ミルンシュテインが弾くものが好きなのですが、もう手に入りにくいかもしれません。

ですから変わりに、イツァーク・パールマンさんの弾くCDをご紹介します。


イツァーク・パールマンをご存じない方へのちょっとしたご紹介。

映画「シンドラーのリスト」のバイオリンはこの人が弾いています。お馴染み「セサミ・ストリート」の

出演者の一人。映画「ファンタジア2000」では「ローマの松」のホスト役をやりましたネ。

テル・アビブ出身のユダヤ人。幼少の頃に患った小児麻痺のせいでしょう。

映画「ミュージック・オブ・ハート」の時のように、現在は車椅子で登場する姿が多くなりました。


さて、本論へ戻って、ご紹介するCDも、やっぱりチャイコフスキーとのカップリングです。

 1.メンデルスゾーン バイオリン協奏曲
   指揮はベルナルト・ハイティンク アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

 2.チャイコフスキー バイオリン協奏曲
   指揮はユージン・オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団  です。


メンデルスゾーンとチャイコフスキーのものは、共に大変に薫り豊かな音楽です。

先の3人と違うのは、社交界の紳士淑女が集まる演奏会で、名演奏家により情緒豊かに超絶技巧を駆使して

演奏するために作曲されたもの。

バッハやブラームスのものが極めて「内省的」であるのに対して、メンデルスゾーンのものは聴衆を意識した

「聴かせる音楽」なのです。



スタートからバイオリンが、ホ短調らしい哀愁たっぷりの、美しい調べを奏でます。

管弦楽は伴奏の役割に徹し、邪魔をせず、バイオリンにきちんと呼応しながら、とはいえかすかな調べの中で

技巧豊かに独自のメロディを詠っています。

バイオリンの技巧と情緒とメロディの美しさ。囁くように伴奏する管弦楽の音の美しさと精緻さは、

モーツァルトをもしのいでいるでしょう。

後にナチス・ドイツによって全面演奏禁止となったメンデルスゾーンの音楽の中で、このバイオリン協奏曲

だけは、作曲者名を伏せて演奏し続けられた、というのが頷けます。



さて、ここから、旧約聖書っぽい文章になってしまいます。

メンデルスゾーンの曲は当時の一級の演奏家フェルディナンド・ダヴィッドが弾きました。

ダヴィッドは後のライプチヒ・ゲバントハウス管弦楽団のコンサート・マスター。

この人の弟子に、ブラームスが、この人のためにバイオリン協奏曲を書いたヨーゼフ・ヨアヒムがいて、

ヨアヒムの弟子にレオポルド・アウアーがいて、チャイコフスキーがバイオリン協奏曲を捧げ、

アウアーの門下から、あの有名なヤッシャ・ハイフェッツやナタン・ミルンシュテイン等が生まれるのです。



メンデルスゾーンも(チャイコフスキーも)、この華麗なる音楽家の「系譜」の世界にいました。

ある意味、世俗からは隔離され、付き合う人も、王族・貴族・著名人・・・・。

天賦の才能と感性、惚れぼれするような顔立ち、格好良い指揮スタイル、外国への演奏旅行と演奏会、

ライプチヒ音楽学院の苔むす学舎での作曲法の授業・・・・ほぼ完璧な「ブルジョア」です。



ワーグナーが住んだ世界は全く違いました。

省略しますが、一言で言えば、労働階級。プロレタリア・アート(懐かしい言葉ですが)。

なかなか売れず(音楽で食べていけず)、地を這う貧乏生活の中でドイツ・コンミューン(一種の共産革命)に

参加。・・・ 失敗 ・・・ 闇に隠れての亡命。・・・ 逃亡生活。

やっと芽が出て、「ドイツ帝国」専属の音楽家となり、「ゲルマンの神々を殲滅した最強の人類」を讃える

思想家・政治家(同時にアナーキスト)へと、変貌していきます。

ワーグナーの歩む道の先に見え隠れしていたのは、 ピカソの「ゲルニカ」・・・そのものでした。



メンデルスゾーンは、変わり行く世界に蹴散らされていく「旧き良き時代」に生きた芸術家です。

きっと、生まれる時代を間違ってしまったのです。もしかしたら、音楽に打込むあまりに階級格差による

社会変革の激動を、予感できなかったのかもしれません。

その意味では、「裕福な世界に育った音楽しか判らん、どうにも話の通じない阿呆」に見えたのかも。

ただ、メンデルスゾーンが残した音楽は一級品です。「マタイ受難曲」復活などの偉大なる功績は少しも

薄れるものではありません。

ユダヤ人蔑視の名を借りて葬り去ろうとしたワーグナーの陰謀に、多くが煽動されてしまったのでしょう。



この、「変わり行く世界」に深く反応した二人の芸術家がいました。

共に、ワーグナーからの批判を受け、ドイツ帝国では行き場の無い境遇に追い込まれました。

消え去ろうとする「旧き良き時代」を懐かしみ、あこがれ、その終焉を嘆き、・・・来るべき時代の恐怖を

予感しました。


ブラームスとブルックナーです。

(スピン的「驚きのクラシック音楽史」続く http://blogs.yahoo.co.jp/marty1010921/29694578.html)

  • メンデルスゾーンとチャイコフスキー、好きで聞いていました。今、手元にないのが残念・・私はシベリウスも好きです。それにしても、パールマンがそんなことになっていたとは、知りませんでした。

    [ *mb*rs**n*21 ]

    2006/2/27(月) 午前 1:55

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    スピンさん、パールマンといえば学生時代、彼を初めて見た東京文化会館のコンサート。真ん中よりやや後ろの席で「スプリング」と「クロイツェル」を聴いたのですが、彼の身体のことは全然知らず、松葉杖を突いて出てきてビックリ!ヴァイオリンを持って後からついて来た背の小さな「お付きの人」がピアノを弾き始めたので2度ビックリ!!それがアシュケナージだと気がつくのに何秒かのタイム・ラグがありました。昔々のお話です。

    gustav

    2006/3/4(土) 午後 10:56

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    コメント有難うございます。実はスピンがNYにいた時、メトロポリタンのコンサートホールでパールマンさんを生で聴いたことがあります。ビオラによる曲でした。うっとりする甘い音色に溶けてしまいました。そのときは、立ったまま演奏されてました・・・GUSTAVさんの体験も羨ましいです。もう、中々実現しそうにない組合せですね。

    スピンネーカ

    2006/3/6(月) 午前 1:54

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    フランス人の曲はちょいと苦手なのです。ドビュッシーとかラヴェルとか、聴いても「さっぱり」です。でもこれは別。最近はムターの演奏で聴いています。

    djh*208

    2006/3/24(金) 午後 10:37

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    DJさま、アンネ・ゾフィー・ムターのバイオリンはすごく澄み切っていると思います。音にその人の人格が出るのだそうですから、とても素敵な人なのでしょうね。

    スピンネーカ

    2006/3/25(土) 午前 2:44

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    偶然こちらの書き込みを見かけて一言… 運転免許も無いのに高級スポーツカーやブランド品を買い漁り、プレヴィンとの再婚の結婚式を「病欠」と偽りN響の定期を蹴ったムター 最近来日時やっつけ仕事演奏をしたり、私の後輩が師事しようとしたらぱ「黄色い奴(日本人)は教えない」と言い放ったパールマン もっと素晴らしい人の良い演奏を聴きましょう! 削除

    [ ??? ]

    2006/8/8(火) 午前 8:59

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    お言葉ですが…酒浸り・プレイボーイ・親不孝のモーツアルトを貴方はお聴きになりませんか?演奏家の行動でその人の演奏や作品を非難はできないのでは?それから、私がたまたまNYに住んでいた際、最も残念に感じたのは、「Yellow monkey」とか「Japp」とか蔑まれても致し方ない程、品格のない日本人を見かけたことでした。蔑視する人を蔑視するのではなく、敬意を勝ち取る努力を先にすべきです。更なる、ご意見は本ブログではなくプロフィール上のメール宛お書きください。

    スピンネーカ

    2006/8/8(火) 午後 11:11

    返信する

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