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本日のジャケットでご紹介するのはヨハネス・ブラームスによる「交響曲第1番」と「レクイエム」。

多分、自分の一生を通じ側から離すことはないと思う、スピンの愛してやまない1枚です。


私達は何かに憧れて生き続けています。

愛する人との生活に、少年時代に夢見た仕事に、未だ見ぬ新しい世界に、旧き良き時代に、

幼き日の入陽の光に、自らの命を投げ出して悔いのない情熱に、果たしえぬ夢に、

天の澄み切った翳りなき穏やかな世界に・・・・


ブラームスの交響曲第1番は、憧憬(憧れ)の音楽です。しかも、20年間に渉り熟成され、濃厚で、新鮮で、

聴く人の心を鮮烈な感動に包み込み、忘れていた「憧れ」と、夢想した「景色」を蘇らせてくれる音楽です。


第1楽章冒頭の、焦がれるような濃縮された想いは一体何に向けられて放たれるのでしょう。


作曲期間20年……こんな交響曲はめったにありません。ブラームス23歳で着手し,43歳で完成させた

この交響曲第1番は,奥深く、ベートーベンの第10番と呼ばれるほどに、古典的で、感動的な内容を

持っています。



そして、レクイエム。(ドイツ・レクイエムと表示されます)


キリストへの、神への鎮魂歌ではなく、死に至ることを逃れることのできない人間への心からの悲しみと

救いを、神秘的に謳いあげます。神々しい鎮魂のハーモニーが、静かに穏やかに、透き通った空気を通して

私達の心のひだの隅々に染み渡って行きます。



ヨハネス・ブラームスは1833年、ドイツ・ハンブルクに生を受けました。

シューマンや名バイオリニストヨアヒムたちとの親交を深め、ワーグナーとの対立に悩みながら、普仏戦争に

始まる殺戮の時代の先触れの時代を生きました。

シュトルム・ウント・ドランク運動が激しさを増すドイツにて、近代ドイツ哲学者達の鮮烈な思想の洗礼を

受けながらも、80年以上前に死したベートーベンやモーツアルトの音楽を愛しながら、ヨーロッパに、いえ、

世界に悠久の平和が来ることを願った人だったと思います。


交響曲第1番は、その憧れが隅々まで詰まっています。全てを包み込もうとする冒頭の大合奏。

混沌とした中から浮かび上がってくる生命の輝かしさ。  感動の名曲です。



同時にブラームスは人類の悲劇的な将来を予感していました。

レクイエムでは、神への恐れは全く表現されません。

つらい世界を生き抜いた人類の死と哀しみへの敬虔な祈りの音楽です。


全曲を通して、悲しむものは慰められ、涙するものは報いられる、という根本思想に包まれています。

殆どの主要な楽器を用いず、聖歌隊の透明な声のみが神秘的に響く、第1楽章。

人間のはかなさへの嘆きとキリストへの帰依による救いを表現する第2楽章。

人間の無情と焦燥に対する解答として、神への信仰をフーガの形で強調する第3楽章。

牧歌調で安らぎを感じさせる第4楽章は、魂の安息の地を求め憧れ、そこに達する人の喜びと幸福を描きます。

ソプラノ独唱が加わり、悲しめるものは慰められるであろうという思想に包まれる第5楽章。

劇的で迫力に満ち、キリストの復活を通じての死に対する生の勝利を描く第6楽章。

最も規模が大きく、バリトン独唱を加えたゆるやかで荘重な序奏ではじまり、大規模なフーガが構築する

その比類なきクライマックスはまさに見事というほかはありません。

第7楽章は、残された者に対する慰め、死の恐怖は少しも描かれず、生命を全うした後に訪れる

平安を歌い、最後に、第1楽章の最後の数小節が繰り返され、昇天した人々の幸福を祈るごとく、

穏やかに、静かに、終わります。


スピンが最も愛する「レクイエム」です。


ブラームスは、ベートーベンに代表される旧き良き次代への憧れを強く書き留め、

同時に、死に逝く人類への安息を願いました。

そしてそれは、ワーグナーが導くイデオロギー専制とドイツ選民思想に対する激しい抵抗であったことは

疑うべくもありません。


   セルジュ・チェリビダッケ 指揮 ミュンヘン管弦楽団

   ブラームス 交響曲第1番  ドイツ・レクイエム  レーベル EMI  

( 続く http://blogs.yahoo.co.jp/marty1010921/30046204.html ) 

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