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日差しはまぶしく、風はここちよく、自転車に乗るためにあるような日だ。 1年のうち、何日くらいこんな日があるのだろう。 そんな事を考えながら、15分ほどで植物園についた。 約束の12時まであと5分もない。 私が勝手に約束と思い込んでいるだけなのだが、遅れるわけにはいかないのだ。 1年前の今日、「じゃあ、1年後にでも」と言っただけなのだから 普通に考えれば約束ではないだろう。 私だって昨夜のニュースで植物園の桜の映像を見るまではすっかり忘れていたのだ。 今は、3月27日午前11時58分。<つづく> |
創作
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空気が乾いているので、上あごと鼻の穴の中がかさかさしてくる。 なんだか外がやたらと明るく感じるのは、きっと桜の花が咲き始めたからなのだろう。 朝の飲み残しのミントティーで湿らせた綿棒を鼻の穴につっこんで水分補給をし、 ついでに冷蔵庫の麦茶をグラスに一杯ついだ。 今日は土曜日でも日曜日でも祝祭日でもないので、植物園は空いているはずだ。 部屋の中は薄暗くひんやりしているが、外は晴れているので暑くなるに違いない。 麦茶を飲んでしまったら出かけよう。 今は、3月27日午前11時24分。<つづく> |
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春だ 風は身を切るだろうが 春だ 影は確実に短くなり 夜は確実に軽くなる 風の中に芳香の粒子を見つけたか? しずくに跳ね返る光の強さを感じたか? 生ぬるい思い出など 置き去りにしてゆけ 後ろを振り返るくらいなら 背伸びして大またで踏み出せ 春だ 希望だけ抱いてゆけ 道の先に思いを馳せよ 強い優しさを見につけよ ダイアモンドのように透明で 雪解け水のようにやわらかな心であれ 豊饒の大地にしみこみ 母なる海へと拡がってゆけ |
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わたしは 何度 生まれ変わったのだろう |
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