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閑話休題



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今から42年前に少林寺流錬心舘が開催した地方大会のポスターである。
伝統派空手の組手は「寸止め」でワンツーといわれる「二連突き」か「前蹴り、逆突き」の全盛時代。たまに前回し蹴りを出す選手がいるくらいで、拓大空手部出身のOB(拓空会)が「後ろ蹴り」を出すと、大会場内は「オーッ」と歓声が上がっていた。
ある時、東京であった全国大会に出場した先輩が持ち帰った新しい技が「刻み突き」。見せてもらうと順突きといわれるもので、特に目新しいものではなかったが、ボクシングのジャブのように前手をカウンターで使う選手が多く、ポイントになるので流行っているという。
一方、少林寺流錬心舘の組手試合は防具付きのためか、どこに当ててもポイントとなるフルコンタクトであった。
そのためか寸止めとはまったく違い、四股立ちの真半身の構えを取る選手が多く(松濤館流は前屈立ちでドッシリした構え、剛柔流は猫足立ちで接近戦に適した構え、和道流は足幅がせまく体捌きに適した構えを取るのが代表的で、当時はそれぞれの流派の構えにも特徴があって構えを見ただけで、その流派が分かったものだが)沖縄系の少林寺流錬心舘はずいぶん本土とは勝手が違うという印象を持った。

※NHK総合テレビの『ザ・データマン』という番組を見ると「+20度 KARATE 勝利のカギはカニ型」というタイトルで、外国のトップ選手が得意とするカニ型(四股立ちの真半身)の構え方と、日本の選手が世界選手権などで従来のエビ型(半身の前屈立ち)の構え方で苦戦を強いられていることについて検証していたが、錬心舘宗家・保勇氏は直接打撃方式でかつ安全を考慮して防具付き組手を採用し、構えは選手のほとんどがカニ型の構えをとっていたのは、今になって思えば防具付きによる技の効用だけではなく、実戦に即した構えを採り入れた保勇氏の武術眼による。
(錬心舘の試合における構え方の一例 : 約60年前からこの構えは変わっていない)

一番驚いたのが組手技である。足刀蹴り、後ろ回し蹴り、回転しての手刀打ち、飛び蹴りなど、なんでもありで、特に驚いたのが「飛び後ろ回し蹴り」である。当時はどこの流派にも、このような派手な技を使うところはなく、見たことも聞いたこともなかった。
出場選手に聞くと、普段でもごくフツーに飛び蹴りを使っているという。ポスター用にデモンストレーションをしているのかと思っていたら実際の試合でも「飛び後ろ回し蹴り」を多用する選手がいて面食らった。
先輩に話すと「なに?飛んで後ろに回って蹴る?そんなことをしているよりオレの刻み突きのほうが早い」ということになり、合宿の時に錬心舘とお手合わせをすることとなった(当時は合宿で合同稽古をしたり、練習後は飲みに行ったりとお互いに交流があった)。
「寸止め」の間合いは、相手の手が触れるくらいの接近した間合い。錬心舘は約2メートルくらいの間合いをとるので、先輩は間合いを詰めないと技を出せなかった。先輩がじりじりと間合いを詰めた瞬間、相手は右に体を捻ってフェイントをかけてから左回りに逆噴射?の「飛び後ろ回し」。その結果は、、、?

※鹿児島で小学生から高校まで錬心舘で修業し、福岡大学空手道部(和道会)に進んで世界チャンプとなり数々のタイトルを保持したT選手の伝統派の組手。

しかし、従来の伝統派の組手とは異なり変則的な「飛び後ろ回し蹴り」等を使うヨーロッパの選手の組手スタイルは勝手が違うのか、突き技だけではうまく対応できず苦戦を強いられている。

フランスのAlex Biamonti選手の組手。こうなると日本国内で目にする突き中心の組手技術とは異なり「待ち足刀蹴り」「半飛び足刀蹴り」「後ろ回し蹴り」「飛び後ろ回し蹴り」など錬心舘で使われる組手技を取り入れ、足払いによる投げ技を効果的に活用している。相手選手としては直線的ではなく、かなりトリッキーな動きなので非常にやりずらい。

(追記) 別サイトのブログで興味深い記事がありました。こちらは岡山大学空手道部O.B(松濤館流)の地元有力選手と錬心舘初段との掛り稽古試合。ここでも他流は錬心舘の組手技に戸惑っているようですが、さすがに錬心館初段相手では、、、。
「超人伝説その3」

その年の昭和48年の12月にブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』が本邦で初公開となり(アメリカでは8月に先行上映)、いわゆるドラゴンブームとなって、私も年が明けてから映画を観たが、ここでまたビックリ!技が錬心舘そのもの、しかも1960年代からアメリカとカナダには、錬心舘出身の指導員がいると聞いて二度ビックリ!しました。



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