マルフジ

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江戸川乱歩って明智小五郎探偵を主人公にした探偵小説ばかりだと思っていたら大きな誤解であった。
また傑作選と言うだけあって、どの物語も面白い、さすが新潮文庫と言いたい!

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その中でとりわけ面白かったのが「芋虫」だった。
戦地から帰って来た夫は手足が無く、声も出なくなっていた。
その夫を献身的に介護する主人公の妻しかしその介護がストレスとなり、ある行動に出る。ネタバレするのでここまでとしますが、エロスと狂気が入り交じり何とも独特の世界観、何となくマンディアルグに通ずる。調べて見るとマンディアルグ(1909〜1991)と江戸川乱歩(1894〜1965)ってそんなに歳が変わらない。
因みに「D坂の殺人事件」もサドやマンディアルグのような結末である。

「鏡地獄」幼少期によく家にあった三面鏡を△に折り畳み、少しそこから開けてその△の鏡の中に顔だけ覗いた。その中では壁のような鏡と自分の顔が何枚も何枚も永遠に続く世界、この先に何が有るように思えて何度も角度を変えたり目線を変えたりして遊んだものである。

そんな幼少の時の体験をもっと過剰に実行した内容であった。主人公の友人は鏡好きで財産の有る彼は鏡やレンズの研究没頭していた。そんな彼は凹面の鏡を内壁にした完全な球体を造った。その空間に飛び込んだ彼は入口の故障で外に出れなかったそれに気づいた主人公が彼を助け出すが既に廃人になっていた。
私が思うに彼はきっと違う世界行ってきたに違いない。
私もこの空間に入って見たい!

「屋根裏の散歩者」はお馴染み探偵小説だがアパートの空間の盲点である屋根裏からここまで物語を作るとは「風車の弥七」の兄貴でも思いもよらむまい。
因みにこの時代は自由に屋根裏を動けたが、戦後の建築基準法が出来てから長屋やアパートではこの物語がつくりにくい。何故なら火事の延焼を防ぐため界壁という天井より上も壁で間仕切られるからである。また余談であるがスパイものでよくダクトを通じて外に脱出するものも有るけどビルなどの大きな建物だとFD(ファイヤーダンパー)という障害があるのでそれも現代では難しい。

「人間椅子」ストーカーの極みのような行為である。
自分が椅子の中に入って座る人を観察と言うか触れ合うというか・・・
昔同僚だったアメリカ人のJ君がよく「俺は生まれ変わったらバイクシート(自転車のサドル)に成りたい」と言っていた。「そんなん自転車の主人が女子やったらええけど男やったらどうするねん。俺ならパンティに生まれ代わる!これなら間違いない」とバカな議論をしていたけどこの物語、そのバカな僕達の上を行く想像力に感服した。
最後背筋が寒くなるがオチが最高!

しかし江戸川乱歩って、変態で面白い!!

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