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物語と空間

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「夢十話」を読んで

 もう1月も終わったけど、初夢どういう夢を見たか覚えていない。

 夢って不思議なもので自分からすると知人なのだが、そこに登場する人物同士は知り合いで無いはずなのに楽しげに談笑していたり、彼らや彼女、もしくは自分がいるはずのない場所にいたり、また急に場面(場所)が違うところに場面が変わっていたりする。夢の中でこれは絶対夢だと思って起きて夢から戻ったと思ったら、それも結局夢だったり・・

 一番よく見るのはサスペンスタッチのスリリングな夢、あとホラー映画のような怖い夢、最近みないけどアイドルと楽しく過ごす夢エロティックな夢夢って普段の自分の発想を飛び越える所が面白い。

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 そんな夢を夏目漱石が「夢十夜」という短編で書いていたことを最近知って読んでみた。

 読んだ印象は第三話第七話、第九話が面白かった。

 第三話は100年前に殺した我が子の話。 
シーンは背負っている子供との会話のみで、こんなにサスペンスストリー作れるの!と思った。最後の子供の一言に背筋が凍った。

 第七話は大きな客船で長期に航海をする苦痛から逃れるために海に身を投げる瞬間から深い海に飛び込むほんの数秒間の主人公の心理が悠久の時間のように感じる物語であった。

 年取って時間が早く過ぎる「ジャネーの法則」と真逆に今でも、自分が転けたりして痛い目に有ったときは確かにスローモーションで思い出される。

 そう思うと死の間際は「ジャネーの法則」逆バージョンなのだろうかと思う。先週、身内に不幸があって余計にそんなことを思った。

 第九話は夢が夢なのかも知れないという「夢の入れ子」の話を読んだとき幼少期に三面鏡の中に見た果てしなく続く自分の分身を見た記憶を思い出した。

 今存在している時空も夢かも知れないと久々に感じた物語だった。
今日は「ジャネーの法則」だけにじゃーね〜!
オチがついたのでこれにて失礼!


 先日、嫁がツタヤで「君の名は」のdvd借りていたので、便乗して見さしてもらった。

 感想は素直に面白かった!

 東京(都会)飛騨(田舎)、誰でも少しは立場場所/トポス)が入れ替わりたい願望ある。

 そんな願望をストレートに表現した物語であった。

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 ある時空とある時空時代場所も違うのに管のようなもので点で繋がっている。

 そういうトポロジーを感じる物語である。

 それをギリシャ神話と同じ、八百万の神(先程言った管のような点)を持つ神道と結びつけた事が素晴らしい!

 観ているうちに「邯鄲夢の枕」(枕中記)が何故か頭に浮かんだ

 また前評判通りアニメーションとは思えない画像に目を見張って感心した。
宇宙から飛んで来る隕石シーンオーロラのような光跡を描いており、本当に隕石が落ちたのを目の当たりしたらこんな光景なんだろうと思ってしまった。

 ただ捻くれたオッサンが気に入らなかったのは何で学園モノ?
これ年寄りモノの世界で表現して頂ければ、世の年寄りはもっと感嘆したように思う。それでは新鮮さが無いので・・・やっぱり学園モノで正解(笑)!

 閑暇休題、この物語面白かったのでトポロジー(位相幾何学)を少し勉強したいと思った。

 因みに年のせいか、健忘症で顔はわかっているのにラストシーンのように「君の名は?」と聞きたいことが多い(笑)
 この物語の惑星では「キュー」(悪口、たぶんアホとかバカ!)と「クー」(「キュー以外の全ての言葉」)だけ話せれば全ては通じる(笑)
そんな楽しい物語であった。

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 奥さんにパンとマカロニを買ってくるよう頼まれ外出した主人公は、ひょんなトラブルで偶然隣にいた音大の学生と共に地球と違う惑星に瞬間移動してしまう。

 そこに通りかかる惑星人見た目は人間と変わらない、惑星人は地球人が珍しいようで「クー」と喋ってくる。音大生が数カ国語しゃべれるので英語、フランス語と、スペイン語と試みるが通じない、「こいつらにはバカなのか通じない」と母国語(ロシア語)で主人公と話していると「お前達の言っていることわかるよ!」と惑星人がすごいネイティブなロシア語で答えてくる。ここでズッコケて笑ってしまった。

 この惑星人曰く「この学生がたくさん違う言語で話すから解りにくかっただけで、私達は人の考えていることが話さないでもわかる」

 この惑星には人種の3つ階級があって地球人は最下層の人種らしい。
主人公達は「僕ら文明人には差別はない」というが、この惑星の方が釣鐘のような宇宙船瞬間移動装置があるなど文明は進んでいる。

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 但し主人公がマッチを擦ろうとすると彼らは異様にマッチに反応する。
この星ではマッチの先についている火薬金やダイヤのように価値ある品物で、それを所持していれば階級が上の人種でも対応が変わるようである。
それが解った主人公達はマッチを取引してあらゆる取引をして地球に帰る計画を算段していく。

 あとこの惑星では音痴の方が喜ばれる。
主人公達が下手なバイオリンと一緒に歌う「ママーママーどうしよう・・・♪♬・・」って曲が耳から離れない。
この惑星では誰も聞かない私の弾き語りも通用しそうである(笑)。

 ここまで見ていると、もう他の惑星と言うより地球上の他の部族と接しているような感覚で見ていた。

 彼ら惑星人の宇宙船に乗り音大生がトイレで水を流そうとするとザバーと落ちてきてビックリするシーンがある。

 それで思い出すのが20数年前に初めてヨーロッパ廻ったときにトイレの横に置かれていたビデと呼ばれていたもの(便器のようで少し便器でない)を見たときこれは何の為に使うのか?と思った。いまだに何に必要なのか解っていないけど・・

 当時バックパッカーだったのでシャワー室も無い安宿の時、洗面から水運んでここで頭洗ったり足洗ったりしていた(さすがに洗濯は洗面で行った)けどその使い方有ってたのだろうか?

 閑暇休題、特筆するのはこの物語旧ソ連の時代に作られたということ。
ソ連と聞くと同じSFでもタルコフスキーの名作「惑星ソラリス」があるけれど180度違った明る〜い物語で腹抱えて笑ってしまう。

(惑星ソラリスについて↓)

 因みに地球に帰る前にある美しい惑星に到着する。このシーンだけタルコフスキーのように美しい映像ソラリスの最初にでてくる美しい風景みたい)になっていたけどあれはソラリスのパロディ(オマージュ)だったのだろうか?

 彼らは神のような存在(ソラリスの世界)下世話な惑星人や地球人(キン・ザ・ザの世界)まで口は丁寧だけど露骨に嫌がっている。
これには笑ってしまった。

 とにかく無事に地球に戻った主人公達は日常の生活を取り戻す。
しかしある惑星の風習だけは残ってしまうのであるけど・・・
(これがまた笑ってしまう)
これこそサンシャイン池崎じゃないけれど
「クー(空)前絶後」なオチであった。

 

「余白の街」を読んで

 手元にあるのにA・P・ド・マンディアルグの本で、この「余白の街」(1970/生田耕作訳/河出書房新社)は読んで無かった。
読む本が無くてたまたま蔵書(読んでいない本はたくさん有ります[笑])で目に付いたので読んでみた。

 感想を先に述べます。
まったく面白く無かった!(きっぱり!)
タイトルが「余白の街」だから街について面白い見方してくる違いないと期待して最後まで我慢して読み進めたが最後の最後まで退屈であった。

 舞台は今、独立でもめている都市バルセロナ(独立でもめているのも興味がわき読み進めた理由の一つ)、フランス人の主人公は妻を残しここバルセロナに商用と偽って旅行にくる。
しばらくして彼の元に手紙が届く。てっきり妻からの手紙だと楽しみに差出人を見ると彼の家の老女中からの手紙である。
その手紙には「妻が亡くなった云々・・」と書かれいた。
それを見るや否や彼はバルセロナの街に3日間混沌としながらさまよい歩く。
その行動を延々と描いた物語である。

 ネタバレするので最後は書きませんが最後までだらだらと終わってしまう。

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 「オートバイ」のような衝撃のラストも無ければ、売春婦とのからみがエロチシズムというのかも知れないけれどそれはただ、そういう行為をしただけで「オートバイ」のように彼に会うために素っ裸に黒皮のライダースーツをまとった彼女が大型バイクにまたがって会いに行ったり、「満潮」のように従兄弟の彼女を禁断の世界に引き込むようなエロチシズムが一つも感じられない。

 その怠惰な3日間が「余白」ならたしかに余白であるが、それが何を表現したかったのか私には力不足なのか解らない。

 しかしこの3日間主人公が彷徨い歩くバルセロナの路地は奥深く、作者の言葉を借りると「笑い声とわめき声、怒声と歓声、挑戦、ちょっかい・・罵り、哀願し、よろめき、殴りつける。」

 この狭い路地裏の奧の奧まで魑魅魍魎な人びとの様々な世界が思い浮かぶほどデティールは細かく描かれている。(バルセロナにいったこと無いけれど・・・[笑])

 場末の街を表現したかったようだけど下町育ちの私には日常である。

 作者はそういう街によっぽどショッキングだったに違いない。
私も初めて香港の迷路のような路地の路地まで人が溢れている光景見たとき驚嘆したものであるので解らないでもないけど・・・。

「オートバイ」や「満潮」は面白いのでまだ読んで無い彼の作品もこれで懲りずに読んでみたい。

参考までに以前のマンディアルグ作品の感想書いたアドレスを下記に記します。
      ↓
「オートバイ」について

「満潮」について
 選挙のあったこの日曜日、久しぶりに休みがとれたけど台風通過で何処にも行けず、ツタヤにいってdvd借りることにした。

 お薦めコーナーにこの映画(マイ・インターン/2015/アメリカ/ナンシー・マイヤーズ監督)があって借りた。

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 誰が主演かとも知らず借りて見たら、ロバート・デニーロだった。
お爺さん役が完璧はまり役だった。
 私が大好きな「ゴット・ファアザー」「ワンス・アポンナタイム・イン・アメリカ」の HB(ハードボイルド)キャラとはほど遠いけど面白かった!

 対する女優がアン・ハサウェイ、彼女見るのはミュージカル映画であった「レ・ミゼラブル」以来だった。あの時の可憐で悲壮なキャラと違ったので同じ女優さんだとまったく気づかなかった。

 物語はたった1年半年で1人から300数名社員を持つようになった女社長(アン・ハサウェイ)に付いた新人のインターン(この物語でインターンの始めて意味が解った/研修生・実習生のこと)は何と70歳のお爺さん!

 最初はこの新人インターンを皆軽く見ていたが、40数年働いていた彼の叩き上げの彼のキャリアが日に日に皆解って行くというストーリー。

 私も初老に入ってこの物語見て勇気を得た素晴らしいストーリーだった。

 なかでも女社長の母親の家に侵入して、彼女のPCから有る情報を抜き取るミッションは往年のロバート・デニーロを彷彿させるサスペンス仕立てになって見応えあった。 

 この舞台の会社のオフィスは古いモダンな建物をコンバージョンしてお洒落にした空間になっている。この建物のガラス窓が何故だかワルター・グロピウスの建物のように見えた。

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ファグス靴工場)

 彼の代表作であるファグス靴工場(1911/ドイツ)を思い浮かんで、そこから何を思ったのかガラス窓から繋がりで彼のDas Total 劇場(1927)計画にまで頭によぎっていた。

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Das Total Theater)

 閑暇休題、この物語はコメディ仕立てで楽しくお薦めです!
これで面白くは無いけれど次回はロバート・デニーロの主演でまだ見ていない「ディアハンター」を見ようと決心した。

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