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この物語はフィクションです。 実在の自動車メーカー、WRC,スウィさんとは まったく関係ありません。 あと、ラリーを知らない人にはさっぱり分からないでしょうが、 ラリーを知ってる人にはツッコミどころ満載のお話ですww 201X年。 その年のWRC(世界ラリー選手権)は、 ホンダの電撃参戦という驚きのニュースで幕を開けた。 世間を驚かせたのはそれだけではない。 WRC用に開発されたシビックターボのハンドルを握るのが 美しい女性ドライバーだったのである。 ラリー界で無名だった彼女をホンダが抜擢した事に 周囲は、どうせ勝てないので話題作りの為の 客寄せパンダだと囁いた。 しかし、すぐにそれが間違いだという事は イベントを重ねるごとに明らかになった。 前年度優勝の腐嬢(ふじょー)チームと熾烈な優勝争いを 続けていたからである。 そしてドライバーズチャンピオンの行方は 最終イベントのステージ、 マミりん王国での結果如何という事になっていた。 「とりあえず多くは望まないけど、 ペースノートの読み間違いだけはしないでよ」 ホンダのドライバー、スウィは 今回コ・ドライバー(ナビ)を勤める丸井に冷たく言い放った。 いつもの相棒は前回のイベントのSS(スペシャル・ステージ)で クラッシュした際に負傷し、最終イベントに同乗する事ができなくなった為、 急遽、どこの馬の骨とも分からないコ・ドラを雇う事となったのだ。 「まあ、ベストを尽くすよ」 『頼りない男』スウィの丸井を見た印象はそうであった。 だが、実際はそうではなかった。 DAY1からDAY3まで丸井はスウィの予想以上に 確実なナビを務めたのだ。 そしてDAY3の最終SS。 ここまで首位の腐嬢とのタイム差はほとんどなかった。 「あの忌々しい女をぶっちぎるわよ」 腐嬢801WRXのドライバー、 トミ・カミエンは思いっきりアクセルを踏み込んだ。 「腐ぉーーーーーーーーーーっ!」 直4、2千のエンジンが咆哮を上げる。 「あまり熱くなりすぎないでよ。 次、へたれ受けから鬼畜攻め」 コ・ドラのリンが独特のナビをする。 ちなみに受けが右コーナー、攻めが左コーナーを表わす。 へたれと鬼畜はその曲がり具合を示している。 その腐嬢のマシンにスウィたちのシビックが猛烈に迫ってきた。 「ちっ! 仕方が無い。あれ使うわよ」 カミエンはそう告げると、サイドブレーキを引き、 鬼畜攻めコーナーのアウトから追い抜こうとする シビックにテールをぶつけた。 不意にコースをふさがれる恰好となった為、 スウィにはなす術がなかった。 シビックはスピンしながらコースアウトし、 立ち木に頭からつっこんだ。 「スウィ、怪我はないか?」 コ・ドラの丸井がとっさにスウィに声をかける。 そう言った丸井は頭からダラダラと血を流している。 「あのアマぁ〜!」 怒り心頭のスウィ。コースに戻ろうとギアをリバースに入れ、 アクセルを踏み込んだ。 しかし、エンジンの回転数が上がらない。 それに気付いた丸井が、ボンネットを開け、 エンジンルームを確認する。 アクセルとエンジンを繋ぐワイヤーが どこかで切れているようだった。 「直している暇はないな」 丸井は誰に言うともなく呟き、行動に移った。 「ちょっとなにしてるのよ?」 丸井の行動を見て、スウィはとまどった。 丸井が突然、ボンネットを外しはじめたからだ。 しかも、強引に。 「俺がエンジンの上に乗って、直接アクセルをコントロールするから 君は普通に運転してくれ」 無茶な事を言う。 「そんな事、できるわけないでしょ」 「出来るかどうかやってみないと分からない というか他に選択肢がないんだっ! 俺を信じろっ!」 いつに無く強気な丸井。 「・・・・・・わかったわ」 頷くスウィ。 無謀な行為であったが丸井には勝算があった。 ペースノートは頭にすべて暗記しているし、 この3日間でスウィのクセは分かっている。 運転している彼女の表情を見るだけで、 アクセルをどれくらい開けばいいか理解していたのだ。 コースに戻ったスウィは多少違和感を感じるものの 普通に運転ができる事に驚いた。 それだけ丸井のアクセルコントロールが的確だったのだ。 「ねぇ、あんまり見つめないでよ」 「仕方がないだろ。スウィの表情を見て アクセルコントロールしてるんだから」 じっとスウィを見つめて表情を読み取る丸井。 これまでもしょっちゅう スウィの横顔に見とれていた事は秘密である。 「追いつけるかしら?」 「普通なら追いつけないな。 でも、腐嬢も接触の時のダメージが少なからずあるはずだ」 一方、腐嬢は接触の時に傷めた右後輪がバーストしていて 満足なパフォーマンスが出せない状態であった。 「クソッ!」 カミエンはハンドルを殴りつけ叫んだ。 ゴールまであとわずか。 このまま逃げ切ればドライバーズチャンピオンは彼女のものである。 そんな彼女のミラー越しの視界に 先ほど葬ったはずのシビックが忽然と姿を現した。 「死に損ないがっ! リン、もう一回やるわよ」 「やるなら最後のへたれ攻めね」 最終コーナーでさっきの悪質なブロックを使うつもりだ。 最終コーナー、アウトから抜きにかかるシビックに テールを流して進路を塞ぐカミエン。 「スウィ、サイドだ」 丸井の声に素早く反応し、サイドブレーキを引くスウィ。 それに合わせてアクセルをコントロールする丸井。 マシンは舞うように回転し、腐嬢のマシンをかわしながら抜き去った。 そしてそのまま1位でゴールを通過する。 これでスウィのドライバーズチャンピオンが確定した。 レース後、マミりん国王から優勝トロフィーを受け取ったスウィは 隣りにいた丸井にそっと囁いた。 「あなたのナビは悪くなかったわ。 良かったら来年もコ・ドラで雇ってあげてもいいわよ」 丸井はその一言に目を輝かせた。 「それはいい提案だね。 ついでに君の人生のナビゲーターに採用してくれないかな? 端的にいうと結婚して欲しいって事だけど」
スウィは本気で嫌がっていた。 なお、このレースにおける最終コーナーでのスウィの追い越しは その美しさから後々伝説となり、人々から
あとがき。 これはスウィさんにリクエストに応えたお話です。 以前、リクエストがあるかとスウィさんに聞いたら、 「スウィ抜きでお願いします」 と言われたので、スウィ抜きの話を作りましたww
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2009年09月16日
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