丸いウォンバットの観察日記@

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ポーカーマインド 1

その森はまるで生きているようであった。
生温かい空気は生物の呼気を連想させ、
落ち葉が堆積し、腐葉土と化した地面は、
巨大な肉食獣の体内の様だった。

そんな森の中を一人の男がぼんやりと彷徨っている。
男はどこを目指して歩いているのか、
どこから、いつからこの森を歩いているのか、
それさえも分からなかった。
まるで、獣の胃の中で脳の海馬を
消化されかかっているような状態である。

男は歩みをとめ、懸命に自分の記憶を呼び戻そうとする。

(自分の名前は?
 ・・・・・・いしかわ。
 そう、人からはそう呼ばれていた)

名前を思い出した事をきっかけに、
次々に男の記憶が蘇える。

(・・・・・・確か、ここに来る前は秋葉原にいたはず)

直前の記憶が蘇える。


 少し前、彼は秋葉原にいた。
それは5分前のような気もするし、数時間前のような気もする。
時間に関する感覚が完全に麻痺していたが、
腹の減り具合から察するに、半日以上はたっていないだろう。

彼は行きつけのツンデレ喫茶に行こうとしていた。
前日、そこで働くスウィという女性からメールが来たからだ。
彼女にしつこく付きまとうストーカー男がいて、
相談に乗って欲しいという事だった。

少し早めに家を出たので、
約束の時間まではまだ随分と時間があった。

彼がいつもと違う道を選んだのはちょっとした気まぐれだった。
少なくとも本人はそう思っている。
気付けば薄暗い路地に迷い込んでいた。
引き返そうとしたその時、場違いな明るいネオンの光に足をとめる。

「マミりんのお店」

眩しいほどに輝くネオンを見上げると、そう書かれていた。

彼は何かに導かれるように怪しげな店内に引き込まれていった。
薄暗い店内はよく分からない品物で埋め尽くされていた。

「いらっしゃい。・・・・・・ふふっ、珍しいわね
 お客さんが来るなんて」

音もなく、ローブを被った女性が店の奥から姿を現す。

「あの〜、なんの店なんですか? ここ」

「なんでもあるわよ。
 本当にあなたに必要なモノが・・・・・・」

「私に必要なモノ?」

「そう。私が見繕ってあげるわ」

そう言うと彼女はいしかわの顔をしげしげと見つめた。
ローブの奥から現れた彼女の瞳は冷たく、美しかった。

「あなた、女難の相が出てるわね。
 占ってあげるわ」

そう言うと、店の中央に置かれたテーブルの正面にいしかわを座らせた。
テーブルの上には黒光りする玉が置かれている。
女主人はその向かいに座り、
水晶占いをする占い師のように黒い玉に手をかざした。

よく見ると、その玉には穴が三つ空いている。

「これって、ボーリングの玉じゃないんですか?」

「そうよ。それがどうかしたの?」

「普通、水晶かなんかじゃないんですか?」

「水晶は高いのよ。
 これはつぶれたボーリング場からもらって来たからタダなの
 いいでしょ」

「それで占えるんですか?」

「失礼なっ! 
 私くらいの能力があれば料理に使うお玉でも占えるのよ
 でも、それじゃあ気分がでないでしょ」

「確かにそうですが・・・・・・」

彼は、果たしてボーリングの玉なら気分がでるのかという
素朴な疑問を口にするのはやめておいた。

「見えたわ。あなたこれからある女性に会いに行くつもりでしょ。
 ・・・・・・でもやめておいた方がいいわ。
 まぁやめたとしても危険な目には遭うでしょうけど」

「そうですか・・・・・・」

彼はあまり占いなどは気にしない性格だったが、
露骨にそんな悪いことを言われてはあまりいい気分はしない。

「でも心配いらないわ。
 私があなたの窮地を救うモノを見繕ってあげるから」

それって、性質の悪い霊感商法なんじゃないのか
喉まで出かかったセリフを仕舞い込むいしかわ。

そんないしかわを尻目に、店の棚から商品を選ぶ女主人。
やがて三つの商品を選ぶとテーブルに並べた。

「一つ目はこれ、幸運を呼ぶトランプ」

テーブルに置かれたそれは
懐かしいアニメのキャラクターが描かれているモノだった。

「これってミンキーももじゃないんですか?」

「幸運を呼ぶトランプよっ!」

迫力のある声でそう断言されると、頷くしかなかった。

「二つ目は枯らす神の卵」

「枯らす神って、ただのカラスの卵じゃ・・・・・・」

女主人に睨まれて口をつぐむいしかわ。

「これは魔物の魔力を吸収して枯らす事ができるの。
 そして、三つ目は蠱毒のカプセル。
 どんな生物でも簡単に殺せるわ」

ローブからのぞいた口元が不敵な笑みを浮かべる。

「・・・・・・剣呑なモノですね」

「でも、あなたはもっと物騒な目に遭うから覚悟してね。
 あっ、代金は全部で9800円でいいわ」

「えっ、そんなに・・・・・・」

「それで命が助かるのなら安いものよ。
 持ち合わせがないのならカードも使えるわよ」

いしかわは現金で払って店を出た。



さて、この後の彼の行動は?

マミりんさんの意見を無視してスウィさんに逢いに行く。
http://blogs.yahoo.co.jp/marui_wombat/794795.html


マミりんさんの意見は絶対です。
忠告を守ってスウィさんに断りのメールを打つ。
http://blogs.yahoo.co.jp/marui_wombat/24377456.html

ポーカーマインド 2

いしかわは女主人の忠告を信じて予定を変更して、
店を出た。
彼の記憶はそこでとぎれていた。

なぜこんな森に来たのかは分からないままだった。
そもそも、秋葉原の近くにこんな森はあるわけがない。
謎は残されたままだったが、
彼は再び歩きはじめた。
彼が踏みしめる地面は柔らかく、
まるでなまこの大群の上を歩いているようだった。

しばらく歩くと急に視界が開け、
1軒の洋館が姿を現した。
全体をツタに覆われた暗い雰囲気の漂う、
その建物に彼は引き寄せられるような感覚で近づいていく。

「ギイィィーッ」

陰鬱な音を立てて扉を開ける。
館の内部は薄暗く、重苦しい空気に満たされていた。

「ようこそ。我が館へ」

正面にある階段の上から声がかかる。
同時に、壁に掛けられた無数のロウソクに火が灯り、
館内を照らしだす。
いたるところを中世のヨーロッパを思わせる装飾に彩られた館内は
美しくもあり、どことなく不気味さを漂わせている。

いしかわが声のした方向に目を向けると、
そこには一人の若い男が立っていた。
フリルのついた白いシャツに身を包んだ男は、
手にバラを一輪持ち、わずかな微笑みを浮かべている。
いしかわは本能的に背筋に冷たいものを感じた。
それはカエルがヘビに遭遇した時の感じに似ているのかもしれない。

「し、失礼ですが、ここはどこなんでしょうか?」

一瞬の静寂の後、意を決していしかわは口を開いた。

「ふふっ。ここは私の館。
 もっと巨視的なモノの捉え方で説明すると
 生と死の狭間の世界とでも言ったらいいかな
 まぁ、立ち話もなんだから
 お茶を飲みながらゆっくり話をしようじゃないか」

そう言うと、男はリビングへといしかわを案内した。

「あらっ、お客さま? 久しぶりね」

リビングのソファーには美しい女性が子猫を抱えて座っていた。
いしかわは妖艶な彼女の美しさに目を奪われ、身動きが取れなくなった。

「私は、カーミエ。あなたのお名前は?」

「い、いしかわです」

言葉を発すると、呪縛から解き放たれたように身体が動き始めた。

「ちょうど焼きたてのミシシッピ・マッド・ケーキがあるんだよ
 ミルクティーとよく合うがどうかな」

男は親切に紅茶とケーキを勧めてくれる。
しかし、いしかわは二人に親切に振舞われるたびに、
背筋に冷たい汗が流れていた。


「・・・・・・実は私たちは人間じゃないんだ。
 彼女は吸血姫。私は彼女から永遠の命を与えられた下僕。
 二人はこの館で永遠の時を生きているんだ。恋をしながらね。
 でも、その為には必要なモノがあるんだよ。
 そう、人間の生血がね」

テーブルに紅茶とケーキを配り終えた男はリアと名乗り、
剣呑な話を平気な顔で始めた。

「わ、私を殺すというんですか?」

「結論を言えば、そうなるね。
 でも、私も公平な男だ。
 君に生き残るチャンスをあげよう」

「チャンス?」

「そう。私とポーカーで勝負をしよう。
 君が勝ったら元の世界に戻してあげよう。
 私が勝ったら君の命をもらうよ。
 ふふっ、ちょうど退屈してたところだしね」

冷たい笑みを浮かべたリアの表情は
絶対的な勝利への自信に満ち溢れていた。


さて、この後のいしかわの行動は?

隙を見て、持っている毒を相手の紅茶に入れる。
http://blogs.yahoo.co.jp/marui_wombat/803800.html


ポーカーなら少なくとも互角の勝負になるはず。
勝負を受ける。
http://blogs.yahoo.co.jp/marui_wombat/24377443.html

ポーカーマインド 3

いしかわはポーカーの勝負を受けることにした。
但し、自分の持っているトランプを使う事を条件に出した。
相手のカードだと細工をされている可能性があるからだ。
リアはその条件をあっさり呑んだ。

「じゃあ、始めようか」

いしかわはリアに52枚の(4種類のスート×12)カードを
シャッフルして渡す。
ポーカーは心理戦の要素もあるが、本来は確立のゲームである。
理数系が得意な彼には勝算があった。
ちなみに学校での成績は数学5、リカ4だった。

10回戦を終えた時点で、勝負は拮抗していた。
いしかわにいい手が回ってくるのだが、
そんな時に限って相手が乗ってこない。
それでも彼は焦らなかった。
なぜならそれは彼の計算の内だったからだ。
彼は一つの罠を張っていた。
ブラフの時にわざと鼻の頭を掻くようにしていたのだ。
それをくり返して、それが彼のクセだと相手に思わせ、
勝負どころで相手を欺くためだ。

11回戦。
いしかわにチャンスが巡ってきた。
配られたカードはハートの2・4・6、
スペード・クラブの7だった。

「これを最後の勝負にしないか?」

すべてのコインをポットに出してそう提案する。
当然、鼻の頭を掻きながら。

「いいよ。その勝負、受けよう」

不敵な笑みを浮かべリアが応える。

「そう言えば、この前にここに来たエサはプロのギャンブラーだった。
 彼は巧妙なイカサマまでやってみせた。でも、彼は勝てなかった。
 なぜだか分かるかい?」

「イカサマが見破られたから?」

「それもあるよ。だが、正解はもっと本質的な問題だ。
 人の心には周波数のようなものがあるんだ。
 それは人それぞれ違ったものだが、私にはそれに同調させて
 人の心を読むことができる。
 そう、ラジオのチューニングをするみたいにね」

リアはダイアルを回す手つきをしながらニヤリと笑う。

「・・・・・・それは鮮明に分かるという事ですか?」

「ああ、一度、その周波数にあわせれば回りに何人いても
 その人物が考えている事が手に取るように分かるよ。
 今、君は流れに乗っていて、次は必ず勝てると信じている。
 そして、私が勝負に乗るように鼻の頭を掻くという罠を使った。
 でも、いつまでも流れが君にある訳がない。
 ふふっ、あえてそのちっぽけな罠にかかってやろうじゃないか」

いしかわは改めて恐怖を感じた。
自分がこの場を支配している気がしていたが、
実際は相手の手の上で踊らされているだけだったからだ。
呆然とするいしかわ。

リアはそんな彼を尻目に、カードを1枚だけチェンジする。
うつろな表情でいしかわもスペード・クラブのななを捨て、
2枚のカードを受け取る。
受け取ったカードは手元に伏せたままにして見ない。
相手に自分の手がばれない為に。

ちなみにいしかわに配られた二枚のカードがハートなら
フラッシュになり、数字がさん・ごならストレートが成立する。
さらにハートのさんごならストレートフラッシュになる。

お互いに一枚づつ、3枚のカードをオープンした所でいしかわが口を開いた。

「賭ける物を増やさないか?」

場に出されたリアのカードは5のスリーカード
(スペード・ダイヤ・クラブ)である。

「それはいいが、君は賭けるものがあるのかね?」

「心が読めるんだから、私の企みも分かってるでしょう」

「君は懐の毒を賭け、私達は魔力のすべてを賭けるというんだね。
 ふふっ、確かに君が勝負に負けた瞬間に毒を飲んだら
 美味しく君の血をいただけなくなるからね。
 いいだろう。受けて立とう。
 私が負けたら君が持っているカラスカミの卵に魔力のすべてを注ぎ込もう。
 だがもし私が負けたら、
 私達が約束を反故にすることは考えないのかね?」

「そんな事をするくらいなら最初からこんなゲームはしないでしょう。
 貴方たちは退屈していると言った。
 もし、約束を破ったとしたら、
 貴方たちは今後、ずっと自身のプライドに泥を塗ったまま
 生きないといけない。
 永遠の時をね」

いしかわは開き直って心理戦をしかけた。
心を相手に読まれている事を承知で。

「そうだな。そんな生き方をするくらいなら二人で死んだ方がマシだ。
 もっとも、私が負ける可能性は0%だがね」

リアは自信に満ちた笑顔を浮かべる。
その瞳はかつていしかわをエサとして見ていたモノではなく、
一人の対等な敵として認めたモノであった。

4枚目のカードをオープンする。
リア、ハートのA。
いしかわ、ハートの3。

リアの5枚目のカードがハートのAならフルハウスで、
フラッシュやストレートでは勝てなくなる。

逆にいしかわのカードがハートなら、フラッシュになり、
ハートの5ならストレートフラッシュになる。
自信満々のリアがフルハウスなら、いしかわが勝つにはこれしかない。

「君は私がフルハウスだと予想しているね。
 だが、それは間違いだ」

リアは最後のカードをオープンしながら言い放つ。
まるで勝利宣言のように。

開かれたカードはハートの5だった。
いしかわが自分の手の中にあると信じ、願っていた札だ。

「フォアカード。
 これに勝つにはストレートフラッシュ以上しかないが、
 あいにく君がその手にするにはこのハートの5が必要だからね。
 どうだい、わずかな希望から絶望のどん底を味わった感想は?」

いしかわは力が抜け、テーブルに突っ伏した。

http://blogs.yahoo.co.jp/marui_wombat/24377428.html

ポーカーマインド 4

「君は良くやったよ。
 君のおかげで久しぶりに楽しいひとときを過ごせた。
 残念だが、これでゲーム・オーバーだ。
 言い残す事はないかい?」

「・・・・・・ふっふっふ。
 勝負はまだ終わっちゃいない。
 まだ俺のカードは伏せられたままだ」

急にいしかわの口調が変わる。

「やれやれ、せっかく君を認めてあげたのに
 ここに来て悪あがきをするのかね?
 さっさと観念して遺言を残したまえ」

「いいや、遺言を残すのはお前の方だ!」

ゆっくりと顔を上げるいしかわ。
その自信に満ちた顔つきは別人のようだった。

彼は最後に残された自分のカードを開く。
そのカードを見て、リアの表情が凍りついた。

「ジョ、ジョーカー!
 ・・・・・・そんなバカな。
 さっきまでジョーカーは含まれてなかったはずだ」

「ああ、10回戦まではな。
 今回からジョーカーを札の中に入れて、53枚にしたんだ。
 最初からジョーカーなしだと決めてなかったはずだ。
 俺の持ってきたトランプを使うという約束はしたがな」

「心が読めない・・・・・・貴様、いったい何者だ?」

さっきまでとあまりにも違ういしかわの態度に焦りを隠せぬリア。

「俺か? 俺はケチなギャンブラーさ。
 以前、お前との勝負に負けて命を奪われた男だ。
 今度はこいつの身体を借りて地獄から
 リターンマッチにやってきたぜ。
 思った通り、お前は人の心が読めるが複数の心は読めないようだな。
 こいつにチャンネルを合わせて、
 その奥に潜んだ俺の心は読めなかったお前の負けだ」

「そんなイカサマが認められるかっ!」
 
リアは牙を剥き出しにして、いしかわ、否、
ギャンブラーに襲い掛かろうとした。

その刹那、リアは動きを止めた。
ずっと黙って勝負の行方を見守っていたカーミエが彼の肩を押さえ、
制止したからだ。

「この勝負、私たちの負けよ」

そう言って、テーブルに置かれた卵に手をかざす。

「負けか。その一言を聞けたから俺も安心して成仏できる」

そう言うとギャンブラーの魂はすっと消え去った。
後には憑物が落ちたような顔をしたいしかわが残されている。

「いいのか? カーミエ」

「いいわ。二人とも長生きしすぎたのよ。
 それに愛する人と二人で死ねるんだから、
 とても幸せよ」

二人の吸血鬼は手を取り合いながら、幸せそうに微笑んでいる。
訳もわからずその様子を見つめるいしかわ。

「ねえ、いしかわさん。一つお願いがあるの。
 この子、マキって言うんだけどこれから面倒をみてくれない?」

カーミエは黙って頷くいしかわに子猫を渡した。

二人の魔力を卵が吸い取るにつれ、
周囲の景色がどんどんと色を失っていく。

「この奥に鉄扉(てっぴ)があるからそこから外に出なさい。
 そしたら元の世界に戻れるわ」

そう告げたカーミエの身体は半分腐りかけていた。
魔力がすべて失われれば腐り果て、やがて灰になるだろう。

いしかわは教えられた扉を抜け、見慣れた秋葉原の街に戻っていった。

もどった瞬間、白昼夢を見ていたような感覚に襲われたが、
腕のなかで甘えた声で鳴く子猫が
今までの出来事が現実であった事を証明していた。


エピローグ

洋館のあった世界は魔力が消え、虚無の世界となっていた。
ただ一つ、膨大な魔力を蓄えた卵を残して。

そこへどこからともなくローブを被った女性が現れ卵を拾い上げた。

「ハンプティ・ダンプティ、塀の上
 ハンプティ・ダンプティ、おっこちた」

マザーグースの一説を口ずさみながら。



もしかしたら、あなたの前にもローブを被った
謎の女性が現れるかも知れません。

その時は、怪しげな商品を売りつけられた挙句、
危険な目に遭わされるかもしれないので気をつけてくださいね。

                              END

「あっ、窓の外で狼男が月見ソバを食べてるっ!」

いしかわは二人の注意を背後の窓に向け、
その隙に紅茶に毒のカプセルを入れた。

「・・・・・・なにも、いないよ。
 それに狼男なんている訳がないじゃないか」

(いや、吸血鬼がいるんだったら、
 狼男がいても不思議じゃないだろう)
そうツッコミたいのをいしかわは我慢した。

「そうですよね。いる訳がない。
 あっ、せっかくの紅茶が冷める前に飲みましょう」

いしかわはそう言って、自ら紅茶を飲みながら、二人に勧めた。
リアはゆっくりと銀のスプーンで紅茶をかき混ぜる。
すると銀のスプーンはみるみるうちに黒く変色した。

「おやっ、どうやら毒を盛られたようだね。
 せっかくフェアな勝負をするチャンスをあげたのに
 君は自らそのチャンスを潰したんだね」

リアはいしかわに鋭い眼光を放った。
身動きができなくなるいしかわ。

その傍にゆっくりとカミーエが近づいてくる。
そして首筋にチクリとした痛みが走った瞬間、
快楽に似た感覚に全身を包まれ、
意識が混濁していった。

「・・・・・・もっと、吸ってください」

その言葉を最後に発すると、いしかわの心臓は動きを止めた。

                         バッドエンド

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