海辺の町から

小説・集団ストーカー「D氏への手紙」のサブページです。

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※前ページからの続き
 
言いたいことはあるかな?
ST検事から、そう問われた私は・・・。
 
 
「あります。私は、自分が逮捕された理由が分かりません。
 一体、私がどんな違法行為をしたと言うのでしょうか? 私の容疑は、廃掃法の再委託 に違反したと言いますが、それは県の担当課の要求に従ったまでです。
 私を逮捕するなら、担当課の職員たちも逮捕するべきでしょう。」 
 
ST検事は、私からの反論が思いがけなかったのか、一瞬、目を泳がせましたが、
すぐポーカーフェイスに戻りました。
 
私は、言葉を続けました。
「それに、もうひとつあります。警察による現場検証が終わった後、
 私は、今回の再委託で逮捕された容疑と、まったく同じことをしました。
 それが合法とされているのに、なぜ、1回目は違法とされるのでしょうか?」
 
 
D様ー。
上記の私の言葉を説明させて頂きます。
 
話は、警察の現場検証の頃に戻ります。
それは、事件発覚後、まもなく行われました。
 
私は、警察の要請により、現場検証に立ち会うために倉庫に行きました。
思ったより大きな倉庫で、しっかりとした作りでした。
私は、とり合えずこの倉庫内に保管されていたことに安堵しました・・・。
 
 
現場検証の期間は2週間ほどだったと記憶しています。
私は、連日、現場に立ち会いました。
 
2週間・・・何故、そんなに掛かったのかと言えば ー。
警察は、廃棄物がそこにある容器をすべて写真に撮ったのでした。
また、何個かに一個は、中身を開け、ブルーシートの上にそれを広げました。
内容物を確認したのです。
 
何故、こんなことをするのだろう・・?
私は、密閉された容器をこじ開けてまで、写真にとる必要はないと思ったのです。
 
処分業者にとっての廃棄物とは、まさに「容器」にほかなりません。
受けとったままの状態で焼却炉にいれるのが「処分」です。
 
処理業者が密閉されている容器を開けて、内容物を確認することはありません。
容器内は、搬出した医療機関が知るのみなのです。
 
つまり、容器が密閉されているということは、医療機関で収納したものがそのまま入っているということです。
 
この事件は、医療廃棄物を装い、不法な物を隠していたという事件ではなく、保管されていたという事件です。容器を開け、中身をブルーシートに広げることはナンセンスです。また、仮にも「感染性」と分類がされている廃棄物ですから、倉庫内でのそんな行為はとんでもないことなのです。
 
※ 私は、在庫を搬出させるにあたり、傷んでいる容器はそのまま別の容器に入れ再梱包させましたが、その梱包を解けば、医療機関が出した容器が出てきます。その容器には、病院名、日付、内容物、そして、FK社の社名が明記されていたのです。
 
 
ともあれ 、
理解不能の警察による現場検証が終わり・・・。
FK社は、そこにあった在庫をすべて自社の倉庫内に戻すことにしました。
 
私は、再び、この戻された在庫の処分について、県の担当課と協議をしました。
すると、担当課のEN課長とIG部長は、他社へ委託して処分するようにと指導して来たのでした。
 
その指導を受け、私は、以前断られたIW市の大手業者に連絡しました。
しかし、1回目同様にすげなく断られてしまいました。
やむなく、また県外への搬出を検討しましたが、搬出までには時間が掛かることになります。以前にも書きましたが、受け入れ県の許可が必要となるのです。
 
その旨を担当課のIG部長に話したところ、部長は、受け入れを断って来たIW市の大手業者に連絡を入れ、即座に受け入れを承諾させたのでした。
 
(どんな業界も同様だと思いますが、許可権限を持つ、行政側の言うことには逆らえないのです。この大手業者も勿論、例外ではありませんでした。)
 
 
受け入れ業者が決まり ー、
私は、知人のつてを頼り、運転手と作業員を雇いました。
そして、会社で運搬車両を準備し、傷んだ容器を再梱包させ、当社が搬出元となるマニフェストを発行し・・・つまり、1回目とまったく同じことを行なったのです。
 
それは、行政が指導する「再委託」に他なりませんでした・・・。
 
 
さて、D様 ー。
ST検事の部屋に戻ります。
 
「何か言うことはあるかな?」
 
検事のその問いに対し、私は「あります」と答え、その説明を求めたのです。
1回目と2回目はどこが違うのかと・・・。
 
1回目の搬出が違法な再委託とするなら、2回目が合法だとは言えません。
1回目の運転手とHYを逮捕したなら、2回目の運転手たちも逮捕しなければ
公平を欠きます。
 
また、この「再委託」は、県の担当課の強い要請により行われました。
業者が、監督官庁の言うことに逆らえるはずもなく、私はそれに従わざるを得なかったのです。私を逮捕したなら、この担当職員たちも当然、逮捕しなければならないはずです。
 
ST検事は、私の問いには答えませんでした。
傍の書記官に、私の言うことをパソコンに打たせました。
 
ST検事と初対面の日は、それで終了でした。
 
私は、また、護送車でIW中央署の留置場に戻ったのでした。
 
 
D様 ー。
WT刑事による取調べが始まったのは、逮捕後、3日目だったと思います。
 
IW中央署の2階には留置課のほか、取調室があります。他にも何かの課があるようでしたが、何を担当している部署なのかは分かりませんでした。
 
取調室は5,6部屋あるようでした。
私は、その一室で、W刑事と向き合いました。
 
「これから、事情を聴取するから、正直に答えて下さいよ。」
W刑事の面立ちには、どこか人の良さが見え隠れしていました。
 
「隠す理由は何もありません。三食付きの別荘にまで御招待を頂いたんだから、正直に話します。何でも訊いて下さい。」
 
私のそんな憎まれ口にも黙ったままでした。
 
WT刑事は、事件の経緯を詳細に聴取していきました。
この件で、先に逮捕され、有罪の判決を受けたHYの供述と矛盾がないようにと、ストーリーに沿って調書を作り上げていくようでした。
 
D様 ー。
ここで、HYの逮捕について触れたいと思います。
HYが逮捕されたのは、私の逮捕に先立つ6ヶ月ほど前のことでした。
容疑は、「無許可での収集運搬」というものです。
 
つまり、廃棄物を収集運搬するには、廃棄物処理法で定めた許可が必要なのです。
警察は、HYがこれに違反をしたというのでした。
 
私はこの容疑を聞いて唖然としました。
 
HYにこの容疑をこじつけるのには、無理があるのです。
在庫の搬出作業はFK社が行ったのですから、HYが許可を得る必要はありません。
HYと作業員たちは、当社が臨時雇用して、社の仕事をさせたのです。
 
そもそも、FK社が、収集運搬の許可を持っているのですから、持ってない者にあえて委託をする理由はないのです。
 
警察は何を言ってるのだろう・・?
 
私は、HYの容疑に納得できませんでした。
彼の罪は、「在庫を不法に保管した」・・・ということに他なりません。
 
 
D様 ー。
廃掃法における収集運搬の「委託」について簡単に説明したいと思います。
 
収集運搬は、①自分で車両を用意し、②運搬先と契約し、③運搬する内容を記したマニフェスト(7枚綴りの伝票)を発行しなければなりません。
 
そして、④搬入先から伝票を受け取り、⑤搬出元に報告するのです。
また、必要に応じ、⑥担当課にも報告しなければなりません。
 
この事件の在庫搬出に関しては、上記①〜⑥をすべてFK社が行なっています。
つまり、搬出はすべて当社の責任の下で行われたのです。
FK社が、HYに不法に委託したという問題は生じ得ません。
 
私は唖然としつつも、いずれこちらにも事情聴取があるだろうと考えていました。
しかし、それは一切ないままに、HYの裁判が始まりました。
 
HYは、廃掃法に関する知識はありませんから、検事が言うがままの調書が作られ、裁判に持ち込まれたことは、想像に難くありません。
 
私は弁護士に、HYの裁判が、私へ影響することは必至であるし、HYに面会して、その旨を抗弁するように言って欲しいと依頼しました。
 
しかし、この元検事の弁護士の腰は重いのでした。
歯に衣を着せぬ言い方を許していただければ、「何の役にもたたなかった」のです。
 
結局、HYは有罪判決・・・執行猶予が付いたため、彼は控訴しませんでした。
 
HYの有罪 ー それは、私にも飛び火することを意味していました。
不法に収集運搬を「受託」したというなら、不法に「委託」した者がいるということに他なりません。委託したのは当然、FK社・・・代表者は私です。
 
そして、懸念の通り、私は逮捕されたのでした。
 
しかし、その容疑は「再委託」の容疑・・・検察は、まずこの容疑で逮捕し、
「不法委託」も付け加えるつもりだったのでしょうか。
そうだとすれば、その目論見は外れたことになります。
 
検察は、私に対し、「不法委託」の罪を問うことは出来ませんでした。
HYが、有罪となったにも関わらず、それを依頼した側は罪に問われないという、辻褄の合わない結果となったのです。
 
 
さて、WT刑事の取調べに戻ります。
 
W刑事は、私の供述を、HYのものと矛盾がないよう注意しているようでした。
しかし、私は事実をありのままに話すだけ・・・。
 
彼は、自分が持ってきたワープロに、私から聴取した内容を打ち込んでいきました。
その不器用そうな太い指は、意外にも早いキータッチをするのでした。
 
ある時 ー、 
その勢いが余って、WT刑事は、私の言わない事まで夢中になって打ち込んでいました。
 
「ちょっと待ってください。そんなこと言ってませんよ。」
私は、彼に抗議しました。
 
しかし、WT刑事はこちらを無視し、その太い指でキーを打ち込むのを止めません。
 
「ちょっとー!! そんなこと言ってないって言ってるでしょうーー!!!」
私の声が、響き渡りました。
 
「あー、もう何も話しません。これに抗議して今後は黙秘します。」
 
W刑事はようやくキーボードから手を離し、私を見ました。
「分かった、分かった・・」
WT刑事は、その部分をようやく消したのでした。
 
 
その日、留置場に戻ると・・・・
「鉄格子の部屋」のルームメイト、MNちゃんは言うのでした。
 
「M子さん、今日はすごく怒ってたね。私の方にまでM子さんの声がビンビン聞こえて来るのよ。刑事さんの声は全然聞こえないのに。」
 
MNちゃんが取調べを受けていたのは、すぐ隣ではないはずです。
私の声は、かなり大きかったのでした。
 
そして、NMちゃんは、取調べの婦警から、「あなたも、あのくらい元気に話しなさい」と言われてしまったのでした。
 
 
さて、D様 ー。
私は、自分でも意外なほど、留置場生活にすぐ順応したのですが、気がかりなことが一つだけありました。
 
それは・・・。
この続きを次回に書かせて頂きます。
 
 
季節は、冬の真っ只中へと歩を進めています。
どうか御自愛くださいますよう ー。
 
 
                                                                                    2010.12.9
                                                                                         万  留  子

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