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語り【水無月に入り 鱒ヶ山は、すっかり梅雨空に包まれておりました。。。MAS様・HIS様の御兜塗りも まるで雲を映す様に どんよりと重たい歩みに なっていたのでございます。 その頃、ご城下では…】
おかよ「旦那っ♪ ちょいと旦那っ、八丁堀のだ〜んな♪」
おかよ「ちょいと旦那ってば!!」
同心副水「なんでー、人が蕎麦食ってりゃぁ〜、、旦那!旦那!ってうるせぇ〜んだよ。」
おかよ「そ〜んな、、つれない事言ってないでチョイと教えて下さいな〜。」
同心副水「オメェな、俺にモノ聞こうってんなら、この蕎麦は当然オメェの奢りだろうなぁ?」
おかよ「もーー!全くお役人の癖にぐじぐじぐじぐじケチ臭い事ばっかり言ってこのインチキ役人!!」
同心副水「あ〜!うるせぇうるせぇ、人聞きが悪いじゃねぇか! オチオチ蕎麦も食ってらんねぇや。」
「ココじゃぁ何だ、場所変えるぜ。ヒソヒソ」
語り【滝川の川原で…】
同心副水「それで、、何だってんだい?」
おかよ「八丁堀、オカシイと思わないのかい?最近お殿様の御兜塗り、瓦版が出ないじゃないか〜?」
同心副水「オメェ、なかなか鋭ぇ〜じゃねぇか? いいか、誰にも言うんじゃネェぜ。」
おかよ「やっぱり何か知ってたねぇ〜?(ーoー」

同心副水「まず日州の殿さんだがな、なんでもトサカをカナブン色にするってんで、塗ったんだそうだ。」

同心副水「そしたらこれが、大層いい色合いになったってんでな、ついでにヒサシも塗ってみたわけだ。」

おかよ「ふんふん、そいで?そいで?」
同心副水「その後がてぇ〜へんなんだ、良く聞けよ。日州の殿さんな、その塗ったばっかりのカナブン色を、磨き粉付けて剥ぎだしたってんだ。」
おかよ「なんだい!?そりゃ。だって自分でお塗りんなったモンを、オカシイじゃないか?」
同心副水「そこなんだ。何かよ、俺達下々のモンには解らねぇ〜、深ぁ〜〜い事情があったんだろうけどよ、、とにかくマダラ模様にしたかった様だぜ。」
おかよ「そいで、マダラのまんまでお終いかい!?」
同心副水「いや、それがよ〜、、やっぱりマダラが気に入らなかったらしくてな。ヤスリ持ってきて手討ちにしなすったらしいぜ。」
おかよ「おだやかじゃないねぇ〜!」

同心副水「そんな生優しいモンじゃねぇぜ。とうとう下地っからやり直しちまったって話だぜ。」
おかよ「なんだかウチの殿様みたいになって来たねぇ〜。」

同心副水「今度は伊予の蜜柑色って話だ。」
おかよ「へぇ〜!、随分心変わりなすったもんだねぇ〜! それで、ウチの殿様の御兜はどうなったのさ!?」

同心副水「鱒の殿さんもなぁ、どうも尋常じゃねぇぜ。 熟炭艶薬を塗ったあとでな、なんでも蔵の中から兜・甲冑の絵巻を取り出してだなぁ、、、こう、じぃ〜〜〜〜〜〜っとばかりに緋縅の甲冑を眺めてたそうだぜ。」
おかよ「なんだい?なんだい?気味が悪いねぇ〜!」

同心副水「気味が悪ぃ〜のはそれだけじゃねぇ、、これまた何を思ったか金色(こんじき)に塗りだしなすったそうだぜ!」
おかよ「ひぇ〜、こりゃ悪趣味だね!」

同心副水「また今度も何が気に入らねぇ〜のか、いっぺんヤリ直したって話だぜぇ〜!御家来衆も堪ったもんじゃねぇ〜なー!」

おかよ「なんだか京の都のお寺にたいになってきたねぇ〜! いい事聞いたっ♪秀さんにも教えてあげよっと^m^」
同心副水「おい!おかよ!!誰にも言うなって言ったじゃねぇ〜か!!」
語り【瓦版は出なくとも 噂は伝わる 御城下でございました。。。】
ちゃんちゃん
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