はてノ鹽竈

東北地方から日本史を眺めていきます。

伊治と志波と九門

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 卯月のある日、私は静岡県三島市を訪れておりました。
 この日の三島は丁度桜の見ごろでありましたが、あいにくの悪天候で花散らしの雨になるやもしれぬと懸念しつつ、守備範囲の狭い折り畳み傘に身を縮こまらせながらJR三島駅を背にし三島市立図書館に向かいました。この悪天候では本来市内から拝めるらしき富士山などは見えもしませんが、楽寿園をはじめ市街地に点在する親水環境が富士の伏流水によって育まれたものであることを思えば、そこに富士の御影が浮かび上がってくるかのようでもあります。
 なにより、きっとこの伏流水こそがこの地に三嶋の大神を招き、それを中心とした上古来の賑わいを織りなしてきた最大の功労者なのでしょう。

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 図書館を目指したのは決して雨宿りのためなどではなく、大神への御挨拶の前にひとまず郷土史、とりわけ三嶋大神に関する地元での情報に触れておきたかったのです。
 なにしろ、わが故郷の鹽竈神社の最大の謎には三嶋大社の情報もシンクロしております。
 歴史上、神階勲等を授けられた形跡のみられない鹽竈神社は、『延喜式』の「神名帳」にも記載がないにもかかわらず、同じ『延喜式』の「主税式」には陸奥国の正税から一万束の祭祀料をうけていたことが明記されておりました。
 当時全国で正税から祭祀料を寄せられた神社は、ほかに伊豆国三島社二千束、出羽国月山大物忌社二千束、淡路国大和大国魂社八百束の三社がありましたが、いずれも「神名帳」にその名がみえました。しかしその祭祀料は鹽竈神社の一万束に比べて格段の相違があり、国家のこのやや相反するような鹽竈神社への崇敬の意味はどう解すべきか、その謎こそが、私が鹽竈神社を調べはじめた最大の理由であり、「はてノ鹽竈」と銘打つ拙ブログの開設に至ったきっかけでもありました。
 某氏は、引き合いに出された伊豆國、出羽國、淡路國の各国と比べて陸奥國の規模が大きいことから、その正税との比率からすると鹽竈神社のそれを特筆すべきでもない旨のことを語っておりました。
 はて、いかがなものか・・・。
 例えばそれが諸国の國分僧尼寺相互の理屈ならまだわかります。何故なら、國分僧尼寺は聖武天皇の勅によって諸国に遍く建立された寺であり、割かれた寺料にはもしかしたら諸国の正税の大小の差も反映され得たかもしれません。
 しかし、伊豆國三島社、出羽國月山大物忌社、淡路國大和大国魂社の事情は異なります。寺ではないという意味ではなく、数ある神社の中においてもこの三社はそもそも異例なのです。延喜式神名帳に載る式内社は全国に2861社ありますが、正税から祭祀料を割かれていたことが延喜式主税式に明記されていた式内社はこの三例しかないのです。
 そしてその主税式上、異例の式内三社の合計をも上回る祭祀料を割かれていたのが鹽竈神社なわけで、それが神名帳に記載されていない神社だという事実、地方分権的思考をあてはめて杓子定規にこれを理解しようとする某氏はこの異常さを認識しているのであろうか、とさすがに首を傾げたものです。
 いずれ、ここに「伊豆国三島社」、すなわち「三嶋大社」の名がみえるわけです。
 わが宮城県北の栗原地区における「伊治」ないし「伊豆」が、この「伊豆國」の「伊豆」に通ずるなんらかの要素があるものかどうかをも含め、自らのなにかしらの気づきを期待しながら私は三嶋大神の元を訪れてみたのでした。
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