はてノ鹽竈

東北地方から日本史を眺めていきます。

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鹽竈桜の底力

 異常に早い桜前線―。
 本州の“とり”を飾る弘前(ひろさき)―青森県―の桜が見ごろを迎えていると聞きました。
 同地の桜は本来ゴールデンウイークにピークを迎え、それがまた絶好の観光資源となっているわけですが、ここ数年はあまりに早すぎてそれなりに深刻な問題となっている旨の話もちらほら耳にします。
 なにやら残雪を活用して根を冷やすなどして開花を遅らせる対策をしているとかなんとか・・・。
 とはいえ、なにしろ津軽富士たる岩木山のお膝元、残雪の確保にはさほどに苦労もしないことでしょう。

 さて、弘前の桜が早いということは、我らが鹽竈桜も早いということでもあります。
 本来5月初旬に満開となるはずの鹽竈桜、そのタイミングをここ数年逸しがちな私でありましたが、幸い先日―平成三十年四月十八日水曜日―、河北新報朝刊に「社務所によると、今週末にも満開になる見通し」とありましたので、満を持してその晴れ姿を拝むことが出来ました。
 聞き間違いかもしれませんが、この日の塩竈は最高気温が四月の観測史上はじめて30度を超えたのだそうで、駐車場に着くと、例年ならまだ賑やかさを残しているはずの境内の桜の庭園も、早くも文字どおり薹(とう)が立っておりました。

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 いつもように表参道側にまわりこむと、丁度この日は「花まつり」であったようで、鹽竈さまの御神輿が渡御の時を待っておりました。

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 そういえば市中には幟が立てられておりました。
 商店会―氏子(?)―の方々が注連縄に紙垂(しで)を取り付け、道筋に結界を張り巡らせている様子も窺えました。

 それにしても、鹽竈さまの御神輿を目にしたのは実に久しぶりであります。

 かつて、この御神輿の写真を撮ってはいけない、という旨の言い伝えの御教示もありましたので、撮影はやめておきましたが、この名状しがたい豪壮な八角形の威容は、ただそこに佇まわれているだけでも心なしか地鳴りを覚えるほどの凄みを感じました。さすがの荒れ神輿といったところでしょうか。

 さて、心なしかいつもより風通しの良さそうな境内、いよいよ塗りたての廻廊の内に入ると、左右両宮の向かって右、別宮左脇に、朝日に照らされて鹽竈桜が輝いておりました。

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 別宮との組み合わせは絵になります。

 そして廻廊の外、堀河天皇御製の歌のモニュメントが添えられた鹽竈桜も初夏のように強烈な朝日を浴びて華やかに咲き誇っておりました。

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 満開の迫力―。
 ここ数年、いかに私が満開の時期を逸していたのかを痛感しました。
 鹽竈桜はかくも華やかなものであったのか、50枚にもおよぼうというその花弁はあたかも空気をたっぷり含ませたホイップクリームのごとくまるまると膨らみ、まぶしいほどに朝日を浴びて、まるでそれ自体が光を放っているかのような錯覚にすら陥りそうでありました。

イメージ 8


 鹽竈桜の底力―。
 なにかそうとでも表現するしかない神性を目の当たりにしたかのような気分の私は、その神性はきっと良い奇跡を起こしてくれるに違いない、と高揚感を抱き満足げに此度の拝謁を終えたのでありました。

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