まさの劇場人日記

オペラの音楽スタッフの日常を綴ります

全体表示

[ リスト ]

椿姫初日

本日今年度最後の本公演「椿姫」の幕が開きました。
上岡さんの日本凱旋オペラ公演!ということもあって
前評判もなかなかでしたし、客席もかなり湧いていましたね。

演奏はというと、正直各アーティストの向かうベクトルが
違う方向を向いていたというのでしょうか、よく言えばそれぞれが
個性を発揮した、悪く言えばまとまりにかけるといった感じでした。

しかしこれも今回のプロダクションの色ということに
なりましょうか。このようなバラエティー豊かな人々が
集まり公演がどのような方向に向かうかは毎プロダクションごとに
違うわけです。

上岡さんはその日の感じによってテンポ等も変化するとおっしゃって
いるので、今後の公演で各人の方向性がぴたっと合えば
また違う趣きの舞台が形成されるのでしょう。そういう意味で
毎回どんな公演になるのかが楽しみであります。

誤解のないように言っておきますが、今日が初日だからまずかった、
と言っているわけではありません。舞台は一回性のもの、毎回
みんながベストを尽くしますが、それに関わる人たちの個性で
いろんな状態の公演になるということです。
時には「びしっ」とすべてを稽古で固めて公演はそれを再現するだけ
というようなシビアさを感じるプロダクションもあれば、
各人のフィーリングを大切にして公演その時々の緊張感を
あえて「楽しむ」ようなプロダクション、そういったものも
あるのです。

さて私の今回の役目は舞台裏指揮、1幕の乾杯の歌のあとから
始まるバンダの指揮が主なもの。練習中はマエストロの
ご意向でかなり早めのテンポでやっていたのですが、
劇場に入ったBOの日からは少し劇場の空間を考えておとしめの
テンポにしてみました。「みました」というのはテンポ決定の
主導権を私が握っているからです!もちろん舞台上の歌と
合わなければいけないので、完全なる主導権ではありませんが、
まあなんというんでしょうか「やったもん勝ち!」なんです。
幸いピットのオケとは開始がリンクしないトラヴィアータの
バンダですので大丈夫なのです。もし早いテンポのままやっていたら
新国立劇場では細かい音が聞き取れずよくない結果を招いていた
かもしれません。その辺はいちおう長くこの劇場でやっている者の
ほうが初めて振るマエストロよりよく知っているのです。

舞台の上手奥で演奏していますので、この劇場特有の「時差」が
発生します。聞こえてくる舞台の声を聴きながらふるのではずれて
しまいます。その遅く聞こえてくる度合いが常に同じであれば
合っているということなのです。特に後半ピットのピチカートが
かぶってきた時、私の耳(ピット内の音のかえしのスピーカー)
からは約3/4拍遅れでピチカートが聞こえてくるのです。
これにつられないで、モニターのマエストロの図形を先読みしつつ
振っていくのです。そして常に3/4拍遅れのピチカートが聞こえ
続ければ正しいアンサンブルということになるのです。

新国立劇場のこの時差はこの劇場特有のもので、他の劇場にいけば
また違うタイムラグがあるのです。また毎回の時差の具合は
この場所ならいつも同じというわけでなくスタージセットの形状、
演奏する袖の環境によってずいぶんと左右されるのです。
ですからどの程度の誤差で振るかはひとえに経験にかかってくる
という、かなり「恐ろしい」仕事なのです。

バンダ演奏後アルフレード役のサッカ氏から「バンダのテンポが
完璧だった!」というお言葉を頂いたのは、私にとって最高に
うれしいことでありました。

公演はあと4回、毎回みんなベストを尽くして頑張ります!!


.
massi
massi
非公開 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事