まさの劇場人日記

オペラの音楽スタッフの日常を綴ります

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回復剤 私の場合

今は鑑賞教室「椿姫」の稽古真っ最中である。すでに3日間が過ぎたが
この段階で合唱団の加わるシーンを除いては立ちがきちんとついている。
明日合唱団とのシーンをやれば全部つくことになるのだ。そして
その後の2日間は通し稽古、そしてオケ合わせ、ピアノでの舞台稽古、
オケとのGPを兼ねたBOと進んでいく。毎年のことながら稽古はたったこれだけ
である。ダブルキャストを組んでいるので稽古量はすべて×2となるのだが。

つまり事前の音楽稽古1回、立ち稽古5回、オケ合わせ1回、舞台稽古2回で
公演となるのだ。本公演での再演より時間が少ない。
だから一回一回の稽古は真剣だ。立ち稽古だからといってさらっとやっていい
わけではない。みんな真剣に取り組んでいるおかげで毎回の稽古の集中度は
かなり高いものとなっている。

私は毎日が真剣なのと最近の気温変動に体がついていけず、体調がよくなかった。
今日も夕方までの立ち稽古を振ったら相当疲れてしまったのだが、その後
飯守マエストロのトリスタン稽古に参加、そしたらマエストロのパワーなのか
音楽のパワーなのか稽古が終わる頃には体調が戻ってきたではないか!
今日はクルヴェナールだけの稽古だったので、トリスタンのパートをがんがん
歌いまくってきた。喉の調子も悪かったのに…でもなんだか歌うたびに気分が
よくなってくるから不思議だ。それに先生の稽古はほんとうに面白い。
「このマルケはバイロイトでもオケが爆音でいくら頑張っても絶対聞こえないんです!」
「ここのクルヴェナルはアルベリヒみたいでいい」
「ここのホルツトランペットをあてにしてはいけない。絶対この楽譜通り聞こえてこないから」
「ここの"Schliess nicht,Kurwenal"を"Scheiss nicht,Kurwenal"と言ったら
オケが笑って弾けなくなった」
「クルヴェナルが死んだあとのライトモティーフはディズニーのようなメルヘンだ」
といったように先生でなければ語り得ないことも満載で片時も飽きることがない。
私が椿姫を6回も振るという話しをしたら、飯守先生も若い頃労音で50回近く
椿姫を振ったということであった。そういえば昔は労音って相当回数の多い
本番をやっていたんだなあと思い出したのである(実際に体験はしていない)。

というわけでトリスタンは封印のはずだったが、これが気分回復剤となるとは…
やっぱり好きなんだな〜ワーグナーが。明日からも椿姫の稽古を頑張ります!
なんと7月12日までは休みなく走り続けるのだ〜!


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