オープン・リール・テープのハードウェア及びソフトウェア

オープンリール・テープに関連させて、思い出、感じた事を書いて行きたいと思います。

テープのメンテナンス・救済

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baldarfinさんから
「『Tape Baking』その3」に関し、丁寧なコメントを頂きました。

わかりやすく納得できるご説明と思いました。
貴重なご意見です。
ありがとうございました。

コメント欄に複数にわたって書いて頂いており、目にされた方は少ないかとおもいますので、以下、頂いた4つの文章をひとつにまとめて掲載させて頂きます。「(続く)」、「(続き)」を削除した以外は原文のままです。

---------------  以下、baldarfinさんから頂いたコメント  ------------------

初めまして。

全くの推測で書きますので、どれくらい当てになるか分かりませんが、
参考までに。(説明を鵜呑みにしないで下さい)

ポリウレタンは、ポリマーと言って、2種類の材料を、たくさん鎖状につないで作ります。
ポリウレタンは、水があると(更に温度が高いと)、この鎖が切れて分解しやすい性質のようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%B3
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CA0000166&;

分解してできたものは、もとの材料に近いものだと思います。
多分、べたべたした液体。(例えば、グリセリンやもっと粘度の高いもの)
気化(蒸発)しにくい液体だと思われます。
これが、べた付きの原因ではないでしょうか?

これを、できるだけ早く、(気化)蒸発させ取り除くには、
1. 温度を上げる。
2. できるだけ気圧を下げる(気圧が低いほど気化し易い)。
3. でてきた蒸気を、すみやかに液体の周りから取り除く。
(密閉して、でてきた蒸気が逃げられない状態だと、蒸発しなくなりますので、この反対の条件をつくる)
と言う条件が効果的だと思います。

「真空オーブン」の話は、この条件を作るためだと思います。

もし、この推測が正しければ、「乾燥剤」はポリウレタンの分解を防ぐのに、一定の効果はありますが、べた付きをとる効果はないと思われます。
「脱酸素剤」は、効果があるかどうか不明(あまり無いような気がします)。

「真空オーブン」処理後、復活した状態を維持できるかどうかですが、
ポリウレタンがすべて分解したあとなら、もうべた付きの原因はないので、維持可能。
まだ、ポリウレタンが残っていたら、また、ポリウレタンの分解で、べた付きのでる可能性あり。
…だと思います。

以上、全くの推測ですので、確実な話ではありません。

(追加)
「乾燥剤」がべた付きをとる効果なし、と思うのは、

「乾燥剤」は、空気中を水分(水蒸気)を吸着などし易いため、乾燥や防湿に使われるのですが、
この場合のべた付きの原因は、水ではないため(別のベタベタした液体)、「乾燥剤」が吸収してくれないのではないかと思うからです。

さらに、べた付きの原因の液体は、非常に蒸発はしにくいものだと思われます。
もし、「乾燥剤」その液体の蒸気を吸収できても、蒸発自体がすごく遅いため、そう簡単にベタベタの液体がなくなることはないと思われます(べた付きが、長く残ったままになる)。

イメージ 1

イメージ 2

 相変わらず、古いテープの選別を続けています。

 繰り返しになりますが、米国スコッチは「ベタつき」には出会いません。まず、箱とリールで判断します。国産スコッチはとりあえず手を出しません。テープレコーダにかけて巻き戻しを始め、軽く動き出せばまず安心です。「ベタつき」が始まっているテープは貼り付きでテンションが違うのか、ゆっくりとしか巻き戻せません。順方向の15IPSより遅く回ります。

 最近、別のトライを始めました。上記の巻き戻しがゆっくりとしか動かない「ベタつき」テープを、順方向で再生状態でゆっくりと巻き上げたらどうだろうかと考えました。貼り付いたテープをテンションをかけて剥いでいく気持ちです。まだ2本しか試していないのですが、この方法だとバインダが大きく剥げ落ちる現象は起きていません。ただ、一本目は、最後(録音開始部分)に付けられていたリーダーテープをつないでいたスプライシングテープの糊が染み出していたようで、これがバインダの一部を剥いでしまいました。しかし、他の部分は一応、分離できた様です。

 昨日、2本目のテープにトライしました。国産スコッチの207かと思われるテープです。まず、巻き戻しを試しましたが、予想通り、ゆっくりとしか回りません。すぐに中止して、順方向でPLAY状態で巻きあげます。15分ほど進んだ処で停止します。テープを調べると、磁性面側に剥ぎ取られた「ベタつき」が塊になって貼り付いています。軽く綿棒でこすってみると、大部分が落ちますが、少し磁性面にこびりついて残っています。どうしようかなと思いましたが、テープ走行系のクリーニングに使用しているAMERICAN RECORDER TECHNOLOGIES の S−721Hを綿棒につけ、軽くこすると比較的簡単に取れました。ヘッドも汚れているので、同時にクリーニングします。またテープをスタートすると、また10分位で停止し、やはりテープとヘッドをクリーニング、これを3回ほど繰り返すと、無事(?)貼り付いたテープを1回、全部はがす事ができました。磁性面側についている「ベタつき」を再生ヘッドを含む走行系で擦り取った事になります。リールをかけ替え、走行系をクリーニングし、再生してみると音は出ましたがフラフラと不安定です。35μのテープなのでのびたかと思いましたが、ピンチ・ローラをクリーニングしていなかった事を思い出し、やはりS−721Hでクリーニング。再度、再生すると今度は安定したしっかりとした音が出ました。ピンチ・ローラーがスリップしていた様です。

 今回は、途中で停止する事もなく、安定して再生ができました。巻き戻しも高速でできます。ヘッドはまだ多少汚れていたので、再び走行系の全クリーニング。この再生、巻き戻し、クリーニングを2回繰り返すと走行系を汚す事もなく、しかも素晴らしい音が再生される様になりました。

 オトマール・スイトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレの「シュトラウス・コンサート」。「美しく青きドナウ」から始まり「ラデツキ―行進曲」で終わる45分のプログラムでした。通常のオーケストラの楽器だけではなく、ウィンド・マシン、汽笛、ドラム、ベル等が活躍する「オーディオ・マニア好み」のプログラムです。低弦の刻む快いリズムの上で様々な楽器が安定してきれいに聞こえる素晴らしい録音でした。ヘッドフォンで作業していたのですが、つい聞き惚れてしまいました。35ミクロン・テープのためか、転写が少し長めにかかっていましたが、全く気になりませんでした。ここまで再生できれば上出来です。

 一晩おいて、また貼り付いていないかと、今日もう一度再生してみましたが、巻き戻し、再生とも問題はなく、走行系の汚れもありませんでした。いつまでこの状態を保てるかがわかりませんが、少なくともDATなど他のメディアにコピーしてコンテンツを保護する事は可能な状態にできました。

 このやり方は、以前書いたアメリカのVidiPaxと言う会社の布で拭きあげる方式と似ています。問題は、テープ・レコーダーにとっては過酷な条件となっているのではないかと思われる事です。再生ヘッド、ピンチ・ローラー等の走行系はヤスリで研がれている様な状態になっている可能性があります。今後、繰り返したくはありません。別の不要なトランスポートを流用して「拭きあげマシン」を作るのが良いかも知れません。

 工夫してみたいと思います。

「Tape Baking」 その3

 次の様な記事をみつけました。

 「テープの『ベタつき』は、バックコートが水分を吸って発生するため、真空オーブンで一昼夜、60℃(真空ポンプ引きっぱなし)で復活」といった要旨です。

 「Tape Baking」 の一種かと思うのですが、興味ある記事ではあります。身近に「真空ポンプ」が無いので簡単には試せませんが。「復活」した状態は保持できるのでしょうか?どなたか詳しい事をご存じの方からコメントを頂けると嬉しいです。

 「ベタつき」の原因は「バインダーがポリウレタンを含んでおり、それが水を吸う」とWikipediaにも書かれています(訳が間違っていたらすみません。原文は以下のとおりです:The binder contains polyurethane, which soaks up water and causes the urethane to rise to the tape's surface.)。素人考えですが、密閉容器(袋)にテープを入れ、「乾燥剤」や「脱酸素剤」を入れてみたらどうだろうか等と考えてしまいます。これなら「真空ポンプ」は不要です。テープの長期保存にも応用できるかも知れません。転写は防げませんが...。

 ちなみに、テープの保存に関しても、ビニール袋(中袋)には入れない方が良いとの説もあります。私も中袋には入れていません。「正しい保管方法」についても知りたいと思っています。皆さんはどの様にして保管しているのでしょうか?大切なソフトウェアの寿命を少しでも延ばすために。

テープの転写

 「テープのメンテナンス・救済」と大上段に振りかぶったテーマを掲げてしまったのですが、いまだに「救済」はできていません。

 最近、「風通し」を兼ねて手持ちのミュージック・テープを次々と聞いているのですが、テープのもう一つの問題として「転写」があります。皆さん、御存じとは思うのですが、正しく録音されている部分と重なるテープの一巻き先(前)または後の部分、時には二巻き前後に磁気録音信号がコピーされ、再生時にエコーの様に聞こえてしまうものです。これは、磁気的に記録されてしまうため、物理的に救済する手段はあるとは思えません。

 オーディオ・テープは、磁気で録音する訳ですから、傍に強い磁気を持つテープが密着して巻かれていれば、転写されてしまうのは当然の事とは思われます。昔、テープレコーダに関する書籍で、2本のテープを密着させて磁界をかけてコピーする「テープ・デュプリケータ」を見た事があります。高レベルで録音された部分が多いミュージック・テープには「転写」は付き物と言えるかも知れません。

 音楽が始まる1、2周前にかすかに音楽の「先エコー」が聞こえ、それから正しい録音部分の音楽が流れ出す「転写」は、殆どはそれほど気にならないのですが、オーケストラの音が消えていく時などに、転写による「追いかけのエコー」が重なると、本来の音と混じり合って「ふらついた」音に聞こえる事があり、気になる場合があります。最初はテープが伸びたかと思ったのですが、50μのテープはそう簡単に伸びません(切れます)。「転写」の影響ではないかと思い当りました。

 LPレコードでも、大振幅のカッティング部分に隣接した内周、外周の溝で「エコー」が聞こえる事がありました。アナログ・レコード初期の事かも知れません。マスター・テープの再生をするヘッドのはるか手前にカッティングのピッチを調整するための「先読み」のヘッドをつけている写真を見た記憶もあります。しかし、テープの「転写」はレベルが高くなる場合があります。

 テープの「べたつき」は、大切な録音が駄目になってしまうのでよく話題になるのですが、「転写」についてはあまり取り上げられない様な気がします。皆さんはあまり気にならないのでしょうか?それとも当然のもの、仕方が無いものとして受け入れているのでしょうか?

続「Tape Baking」

 なんとか「貼り付いた」テープを救済しようと色々と調べて来ました(やみくもに試して大切なテープを駄目にしていく訳にはいかないので)。

 前にも書いた「Tape Baking」と呼ばれる手法に特に興味を持って、Internetで文献等を検索するなどして調べてきました。簡単に言うと、テープを60℃程度の温度の環境に4〜24時間放置する事で、圧着面をゆるやかに乾燥させて、圧着状態を回避させる処理です。ただ、この処理は磁性体をも痛めてしまうため、テープが再生できるのは短期間(「1か月」、「原則として1回のみ」等と記された文献もありました)で、そのテープを長く保管して繰り返し楽しむ事はできない様です。「Tape-baking」処理の後は、直ちに他のメディア(今ならディジタル・メディア)にコピーして、録音内容を「取り出して」しまわなければならないのです。

 「重症(と思われる)」のテープは後回しにして、まず「軽症」のテープの救済をすすめる事にしました。録音時期と再生頻度、テープ・メーカー、生産国等でおおよそ大丈夫そうだと見当がつきます。巻き戻しをかけて軽快に巻き取れれば、テープ・レコーダの走行系のクリーニングをしながら、「巻き戻し」、「再生」を繰り返します。3回も繰り返すとかなり安定してきて、音質も良くなり、落ち着いて聴ける様になります。いわゆる「風を通す」処理です。古臭い手法ですが、やはり良い方法です。高校で「放送局(生徒会活動のひとつ)」に所属していたのですが、保管しているすべてのテープを1年に1回、「巻き戻し」、「堅巻き」をする様に指示されていました。長年の経験に基づく指導だったのでしょう。

 ただ、いつまでも軽い貼り付きが残る場合があり、クリーニング(と言うより「拭き取り」)をしたくなります。「無水エタノール」で拭いてみようかと思ったのですが、すぐには手を出さない事にして、またInternet検索をかけてVidiPaxと言う会社をみつけました。「Preserving Yesterday for Tomorrow」と言う魅力的なキャッチフレーズで「Audio Tape Restoration」等を行っています。URLを以下に示します。

http://www.vidipax.com/arestoration.php

ここでも、薬品の使用や、「Tape Baking」は推奨されていません。「ケバ」の無い布でテープの両面を時間をかけてゆっくりと吹き上げていく処理を「クリーニング」と呼んでいます。上記URLのページに「拭き取り」の写真も掲載されています。興味のある方はご覧になってみて下さい。

 と言う訳で、当面は薬品も使わず「風通し」を繰り返すと言う、しごく当り前の方法に行きつく事になりそうです。

 ただ、これは「軽症」の場合で、多数の「重症」のテープが残っています。このブログを読んで下さっている方で「私はこんな方法でクリーニングしている」、「こんな薬剤を使用しているが安全だ」等の情報をお持ちの方は、ぜひコメントをお願いします。お待ちしています。

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