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それにしても,今日は,突然,訪問者が増えてますね。
どこかの検索エンジンにでもひっかかるようになったのでしょうか?
まあ,お客様が多いことはいいことですので,疑問のある方はどんどん質問してください。
さて,今日は,よく聞かれる質問ベスト3「資本金は0円でいいのか?」についてお話しします。
答えは,YES つまり,資本金を0にすることができます。
法律で最低資本金を設けていないのですから,0にすることを否定する根拠は何もないので,文理上,当然で0にできるのです。
ところが,この問題,会社法を勉強しはじめた人は,わりとすんなり受け入れてくれるのですが,ずっと昔から会社法を知っている人は,しっくり理解してくれません。そういう歴史派の人は
『資本金が0になったら,株式がなくなってしまい,どうやって会社を運営するんだ?』
と思っているのです。
太古の昔(ちょっと言い過ぎ),一株の額面は固定され,しかも,定款で資本を決めて,それにより,株式の数が決まるという時代がありました。
例えば,1株の額面が5円と法定されているとすると,まず,定款で10万円という資本の額を決め,そうすると,10万÷5=2万株の株式を発行しなければならないというような時代があったんですね
このルールの下では,「資本金=株式の額面総額」となり,一株の額面は固定ですから,資本金の額と株式の数は連動することになります。
そして,このような「資本金を株式で分ける」というルールでは,資本金が0円だと,株式の数も0になり,「一体,どうやって株主総会を開くんだあ?取締役を選任するんだあ?」などという疑問がわいてくるわけです。
ところが,次の時代には,定款で資本を決めるというルールが変更され,定款では「設立時に発行する株式の数」を決め,株式の「発行価額の総額」を資本とする制度になりました。
つまり,「資本→株式の数」という流れから,「株式の数×発行価額→資本」という逆の流れになったわけです。
しかし,そのようになっても,額面株式は残り,しかも
「資本金>=額面総額」
という関係を保たなければならないという,ほとんど合理性のないルールが採用されていたために,事実上,額面株式しか流通していなかった日本では,
額面株式(額面5万円)が存在する
→その額面以上に資本金がなければならない。
→資本金が0になることはない
という頭になってしまっていたのです。
さらに,時代が進み,額面株式もなくなってしまいましたが,そのころには,「最低資本金制度」というものができてしまい,資本金0円ということはありえない状態でした。
そして,時代は,現代,会社法の時代。最低資本金制度は廃止され,資本金の額は,原則として,設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額(445条1項)となりました。今や額面株式もありません。
株式を発行して,金銭の払込み又は現物出資がされるときこそ,株式の数も,資本金の額も増加しますが,それ以外には,両者の増減に,何の関係もありません。
資本金は,剰余金の配当等を制限するための計算上の数額であり,株式の数は,会社に対する実質的所有権をどのような割合で区分するかという問題なので,その機能が全く違うのです。
そこで,いわゆる設立や新株発行以外の場面では,とことん資本金と株式の数の関係を切り離し,会社が,目的に応じて,それぞれの機能を調整できるようになっているのです。
資本金の額は,資本金の額の減少の手続で減少しますが,そのときに株式の数は減少しません(447条)。準備金の額を減少して資本金の額を増加させることができますが(448条),株式の数は増えません。
逆に,株式の分割・株式の無償割当てをして株式の数を増やしても,資本金は増加しないし,株式の併合,消却をして株式の数を減らしても,資本金は減少しません。
したがって,このような制度のもとでは,資本金の減少手続により資本金が0円になろうとも,株主は,ちゃんと存在し,株主総会を開いて会社を運営していくことができるのです。
なお,設立時には,1株以上の株式を発行しなければならないので,最低1円の出資は必要です。
そのため,設立時には,結果的に,資本金が1円以上でなければならないようにも思われますが,そこら辺は,ちょっと検討中であり,今しばらく答えは留保してきましょう。
なお,太古の昔,定款で定めた資本金から株式の数が定めていた時代には,その資本金に見合うだけの株式を発行して払込みをさせなければならないというルール(資本充実の原則)は,文字通りの原則だったのですが,時代が移り変わり,発起人等の引受・払込担保責任もなくなった会社法の時代になっては,
定款や登記等何らかの形で資本金が定まり,それに見合うだけの財産を会社に拠出させる
という意味での資本充実の原則は廃止されました。
ここは,よく理解して欲しいところなので,詳しくは,新会社法100問で勉強してくださいね。
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増えた原因は2chだと思われます。こちらで紹介されています。 http://school5.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1131705975/ どうやって勉強しようかという悩みが一気に消えました、ありがとうございます。 発売されたら速やかに購入します。
2005/11/12(土) 午前 0:58 [ 氏名黙秘 ]
>氏名黙秘さん なるほど2chで盛り上がっていますね。賛否両論で大変おもしろい。 私が,役所から圧力を受けたり,2chで叩かれたりして,このブログをやめるのではないかという噂が立っていましたが,ご心配なく。 私は,相当打たれ強いですよ。そうでなければ,2chで実名で登場したりしません(笑)。まあ機会があれば,また2chにでも顔を出します。
2005/11/12(土) 午前 9:38 [ mas*mi_*a*ama ]
>ムウさん リンクありがとうございます。 なるべく1日1回更新をめざし,会社法の情報を提供していきたいと思います。これから,勉強も本格化していくでしょうが,ムウさんも,がんばってください。 ちなみに,私は,12月17日に司法書士向けの会社法後援会で九州大学に行きます。
2005/11/12(土) 午前 9:43 [ mas*mi_*a*ama ]
なるほど、すっきりしましたなあ。 受験時代、この辺りのくだらなさに辟易した物ですが、資本と株式をここまですっきり別物としてしまえば、全ての見通しが良くなります。 ただ、そうすると「株式会社って何」という素朴な疑問がわいてくるのは私だけではないのではないでしょうか。 突き詰めて言えば、今の「会社」というのはただ、「商人格」を与える器と言うだけのことなのでしょうか。
2005/11/12(土) 午後 10:42 [ mak**u7 ]
九大ロー生・ムウです。 コメントありがとうございました。12月17日に九大にいらっしゃるのですね。私たちも後援会を聞くことができるのなら是非参加したいです。 もし、よろしかったら私のブログの掲示板にも遊びにいらしてください。 結構、ウチの学生見てくれてるようなので…。 それにしてもここのブログの解説は詳細ですね。プリントアウトして基本書に挟み込んでみます(^^)
2005/11/13(日) 午前 0:02 [ mky**arents*ome ]
司法書士の内藤卓です。減資による0円会社はすんなり受容できていましたが、昨日、郡谷大輔氏をお招きした研修会で、「設立時0円会社もありうべし。法務省令をお楽しみに」というお話を聞き、びっくりしたところでした。パブコメを楽しみにしております。
2005/11/13(日) 午前 9:47 [ ttttt ]
>内村さん 設立時0円がついにベールを脱いでしまいましたか。 私は,一応,まだ「検討中」とごまかしていましたが(笑)。 ちなみに,郡谷さんは,会社法立案担当者の会の代表代行です。
2005/11/13(日) 午後 1:15 [ mas*mi_*a*ama ]