境界線のはざま

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刻印の先に

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僕の人生に深い刻印を残し、幸せな時間をたくさんくれた彼女。



僕は彼女のことが、心から好きだった。


清らかで、どこか物憂げで、孤独を隠しているひとだった。

けれども滑稽なことも大好きな、いつも良い香りのする女性だった。



別れてからすでに7年もの月日が経ってしまったが、その時から彼女のことを遠くで見守る日々も始まった。



彼女は今現在も、躁うつ病と戦い、不治の病とも闘っている。



別れた日から、一度も会ってはいないが、誕生日とクリスマスには今も必ず、手紙とプレゼントが送られてくる。


彼女のご家族によると、別れたあの日から現在に至るまで、躁病の状態が続いたままだということだった。

躁状態だけが7年間も続いているということは、主治医にもまったく理解できないとのことだった。




彼女が躁のままだということ。  それは僕にもよくわかっていた。




時々かかってくる電話の声を聞くだけで、なぜだか僕は、むなぐらを捕まえられて殴られるのを待って

いる自分の姿を想像してしまう。


だから、殴られる前に顔をそむけようとする。



以前の彼女が、ささやくような、とてもやさしい話し方だったなどと、誰が信じてくれようか。

機関銃のように激しく攻撃的な語り口調は、本当に彼女の本意なのだろうかといつも考えてしまう。


怖いくらいの多弁、そして甲高い笑い声。



送られてくる手紙の文字が、彼女の内面を如実にする。


話をしていると、彼女だけがいつも突っ走って先へ行ってしまう。

どこまでも遠くへと走ってゆく後姿を、僕だけが置いてけぼりをくって見つめているかのようだ。



いくら学びを積んでいる心理学だって、彼女の手のひらで溶けてしまう。





彼女が今、一人で生活をし、とても孤独で寂しい気持ちでいることは、痛いほどにわかっている。

しかし、僕等は7年前に別れたのだ。 そしてその日から一度も会っていないのだ。

僕には今、大切なパートナーもいる。





僕は、冷たいのだろうか。

自分の知っている彼女とは別人になってしまう彼女に、今も耐えられないでいる。

あまりにも変わってしまう言動、思考、そして心の機微。 


彼女のすべて。



本来の彼女がそうしているのではない、彼女自身が病に苦しんでいるのだ・・・・・。


何度そう思ったところで、彼女のあまりにも激しい感情に振り回され、傷ついて、心身ともに

疲れ果て、先にダウンしてしまうのはいつも僕の方だ。



いつ話をしても、まるで初めて会った人と話をしているみたいで、僕は彼女からの電話が憂鬱になってしまう。


そんな自分に自己嫌悪を抱かずにいられない。




手紙を書くのが大好きな彼女。

「 引越しをしました 」 という葉書を出したら、必ず返事をくれるはずの彼女が、今回初めて

何も言ってこなかった。



僕は今、そのことが気がかりでならない。

また入院したことはだいたい想像がつくが、常に心が苦しい。



重い病が進行していることも聞いていた。

あの頃のような深い恋愛感情が今はなくとも、魂はいつもつながっている。



相方は、一度会いに行ってきたほうがよいと言う。



僕も、そう思う。

閉じる コメント(18)

病気が治らないということはとてつもなく不安です。進行するのだということが分かっているとなおさらですね。難しいですね。本当に難しいことだと思います。あまり自分を責めないであげてくださいね。masatoさんが悪いわけじゃないんだから・・・(*^_^*)

2006/4/21(金) 午前 2:31 izumu

masatoさんの事を思い別れを決断した彼女、きっと素敵な方なのでしょうね。大好きだった人が苦しんでいることが気がかりな事はわかるのですが、このままじゃメビウスの輪のようですよ。なにかをキッカケに線を引くのも優しさなのかもしれませんよ。お会いになってから色んなことを判断するのもいい機会になるかもしれませんね。

2006/4/21(金) 午前 10:53 sta**3294*02

このままでいたら後悔しそうですね。俺も会ってきたらいいんじゃないかと思います。たとえそこでまた憂鬱な気持ちになったとしても、会いに行く価値は十分にある気がします。izumuさんもおっしゃってますが、自分をあまり責めないでください。たとえ病気が邪魔しているだけだとしても、今そこにいる彼女を愛しいと強く思えなければ恋愛は成立しないわけですし、今そこにいる彼女と話すことが楽しいと感じられなければ、人間付き合いってうまくいかないと思います。

2006/4/22(土) 午前 5:41 [ wwh*j*meww ]

それでもマサトさんの心にずっといられるのは、それほど病気に侵されていないの彼女が素敵だったということでしょうか?マサトさんもエライって言ったら変ですけど、そんな風に思います。

2006/4/22(土) 午前 5:41 [ wwh*j*meww ]

一度は愛した相手には、ともに歩かなくなっても幸せになって欲しいと思いますよね。彼女の苦しみを救える人、受け入れてくれる人がきっとどこかにいるはずですよね。はやく出会えるといいですね。僕も心から願ってます。

2006/4/22(土) 午前 9:43 ひじり

izumuさん、僕は今の重苦しい気持ちをここに吐露することで、気持ちが整理できて落ち着くんです。そして、こうしてここに言葉を下さることで整理できるのです。ありがとうございます。治らぬ病はつらいですね。

2006/4/24(月) 午後 11:07 まさと

yunaちゃん、そうですね。別れても情は消えないから、どこかではいつも心配している状態です。突然、病室へ会いに行ったら、彼女はビックリするだろうね。

2006/4/24(月) 午後 11:12 まさと

ハジメ君、まさにそこなのですよ。今の彼女と話をすることは、苦痛であり、イライラするし神経を逆撫でされるんです。そんな自分が嫌になるけれど、これが正直なところなんです。元気だった頃の彼女を今も重ねようとしているからだね。本当に素敵なひとでした。「清い」という言葉がピッタリのひとでしたよ。どうもありがとう。

2006/4/24(月) 午後 11:17 まさと

ひじりさん、ありがとうございます。僕もそう思います。彼女に、新たな出逢いがあってほしいなと。けれど、本人がそれを望まないのです。「もうトシだから」なんて言って。確かに今、40代後半ですが。僕とは歳がとても離れていたんです。

2006/4/24(月) 午後 11:20 まさと

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学生時代の友達でしたが、心を病んでしまい振り回された思い出があります。私は引きました。自分が分からなくなった人とどう接してよいか分からなかったし、怖かったのです。でも、恋人だったのなら違う思いがあるのでしょうね。自分の心に正直に動けばいいのでは?

2006/4/25(火) 午後 0:53 jur*ju*us*taki

姉御、本当にそうなんですよね。僕も、どう接したらよいのかわからない、まさにその気持ちです。しかも、あまり共感できない言動ばかりが突っ走ってしまうと、僕まで病んでしまいそうで。やはり、遠くで見守るしかできないと思いました。

2006/4/25(火) 午後 0:57 まさと

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そのほうがお互いにいいと思うよ。君の中に「やさしく清らかな人」として、しまっておくほうが・・・・。月日は人を変えるからね。無理に会って後悔する可能性もあるよ。向こうも来て欲しくないかも知れない・・・ 知りたくなかったことは、闇に葬り、楽しかった思い出だけを心にしまっっておきなよ。人生はまだまだ長いし、いろんな出会いが待ってるんだからさ。

2006/4/25(火) 午後 1:48 jur*ju*us*taki

彼女が来てほしくないかもしれない、ということを考えなかったです。もしかしたらそう思っていてもおかしくないですよね。重い病気と、躁鬱病、ふたつも抱えて入院しているのに。姉御、ありがとうございます。

2006/4/25(火) 午後 3:26 まさと

私もジージョ姉さんの意見に賛成です(^^さすが姉さん!言う事が違うなぁ。彼女側の思想も考えたほうが良いのかもかもしれませんね。

2006/4/26(水) 午後 7:22 sta**3294*02

おおユナたん((@o@)!!お元気でしたか〜?やっぱり女性の意見は聞くもんです。はい。僕とハジメは、大変に学びました(^J^)感謝です!

2006/4/26(水) 午後 8:45 まさと

私は自分が入院してるときは知ってる人に会いたくなかったな。ベッドで情けなく寝ている自分を見られたくなかったし。でも、手紙をもらうのは嬉しかった。元気な様子を知らせてくれていると特にね。手紙だと冷静に読むことができるから。

2006/4/27(木) 午前 7:03 izumu

izumuさん、そうですね。確かに自分も入院中は家族以外にあまり会いたくなかったな。それよりは、手紙が心の励みになりますよね。どうもありがとう(*^_^*)

2006/4/27(木) 午前 10:47 まさと

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二人の幸せを祈ります。

2014/2/10(月) 午後 7:41 [ COKO ]


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