勉強が嫌いで、いっつもこちらの授業を脱線させようとして、
「せんせい!あのさー」なんて言って、いろんなことを話しかけてくる。
「俺、昨日バイト中さぁー、ラーメン運んでてこぼしちゃってさー」
「せんせい、こいつロリコンなんだってさ(笑)」
でも、自分はそれに喜んで乗っかって、楽しい話しや、
笑える話しをみんなでしたね。
成績が良いことだけが、まるで人間の価値を決める、将来を約束する。
そんな無意味な神話を、小さい頃から多くの先生に言われ続けてきて。
「おまえはダメだ」って言われ続けてきて、
「俺なんて中学生の時、先生からほめられたことなんか
一回もなかったよ!」って言う。
「中学のセンコーによ、お前の行く高校なんか日本にひとつもねぇって
言われたし!」と言う。
でも、自分はやんちゃな生徒が大好きなんだな。
そして、純粋さを内に秘めた女子生徒達。
はなまる◎をあげたら、高校生なのに大喜びして、「俺、はなまるもらったの
初めてだからすげー嬉しい!!」って言う。
ずっとずっと、先生と呼ばれる大人たちの誰からもほめられず、認めれず、
場合によっては相手にもされず、けなされて、レッテルを貼られて。
だのになんで、君たちはそんなにまっすぐで、健気で、心やさしいんだ。
君たちはそのままで、本当に素敵なんだよ。
机上の勉強なんかするなよ、教科書を広げたら受験だけのつまんない
勉強なんかするなよ、って自分はずっと君たちに言ってきた。
だから、本当に優秀な生徒までもが、「机上の勉強だけじゃダメなんですよね」
って、これまたまじめに言ってくれたものだ。
生物の授業中、性フェロモンの話しになって、男性は胸元あたりから
フェロモンを出しているから、女性はそれに知らず知らずのうちに
誘われて、好きになってしまうんだと話したら。
真冬なのに男子達がみんな、白いシャツの胸元を開けていたのには、
本当におかしくって笑ったけど、そんな君たちがたまらなく可愛かった。
女子も男子も、可愛くて可愛くて、大事で大事で、
頭をなでまわしたいくらいだった。
やんちゃぼーずも、まじめな子も、みんな大事だよ。
君たちは、ひとり残らずみんな素晴らしい。
机上の勉強が苦手だったとしても、もっともっと大きな深い魂で、やさしさで
生きる力になる勉強ができる人達だと思っています。
ごめんね、何もしてあげられず。
きっと君たちが、今よりも大人になって、わたしを忘れてしまった後も、
ごめんね、と繰り返すのです。
卒業する生徒達、おめでとう。
楽しく過ごしたみんなに、もう会えないのかもしれない。
君たちのことを思うと、すぐに涙が出てしまって、なにもできなくなる。
もっとずっと一緒にいたかった。
ダメな大人です。
みんな幸せになってください。
いつまでもずっと、君たちが大好きです。