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僕はもう1つ付け足す様にチャットした。
ougi_4444:呪いを跳ね返され無い様に気を付けな。跳ね返されたら大変な目に遭うから。跳ね返されたらもう一旅度僕にメッセ入れてな。
Harubon_444:了解。
「入れてな」だなんて、僕は酔っていた。
「人生を導く、先輩」を演じる事が出来た事に僕は酔っていた。
自分の姿に、行動に酔っていた。
今の僕が其の時の僕に対して言える事は「馬鹿!」の一言に尽きよう。
三ヶ月後、メッセが有った。
Harubon_444:助けて。
本当に消え入る様な文字の色で其の言葉は書かれて居た。
彼女は身体が縛られる様な気分に成るのだと言う。
なんだか、心が苦しいらしい。
心苦しいらしい。
もう少し話を訊き出してみるに何か別の「流れ」が存在して居る事に気付いた。
Harubon_444:御呪い(おまじない)がクラスで流行っていて―
話を聞くに、
ちょっと嫌いな子にはお呪い。まあまあ嫌いな子にもお呪い、好きな人が出来た場合には、お呪(まじな)い兎に角、人間関係で何か少しでも問題が生じたら皆が皆其の「お呪い(おまじない)」とやらをするのだそうだ。
其のお呪いには蠟燭(ろうそく)と言うグッズが必要で其の蠟燭を何所の誰から手に入れるかと言うと、ある1人の人物から手に入れるんだそうだ。
其の怪しげな陰気なオジサンから蠟燭を手に入れる。
おまじないを掛ける。
おまじないを解くときにも其のオジサンから蠟燭を手に入れるのだそうだ。
因みにお呪(まじな)いを解くときの蠟燭の方が値段が張るらしい。
僕も以前「呪い」に関してインターネットで調べた事が有る。
其の際にちょこっと目にした。
「呪いは掛けるより、解く方が難しい」
と
だからその怪しげなオジサンが解く際の蠟燭の方の値段を高くする理由は強ち(あながち)間違って居無い。
…と言うか其の値段設定の点に関して其のオジサンは正しい。
僕は其の際に其の女子に身体が縛り付けられる感覚を取る為の方法を教えた。
「蛞蝓(なめくじ)の絵を置いて、其の絵を枕元に置いて寝るんだ」
と。
この方法はメメ叔父さんから教わった方法である。
メメ叔父さんが僕の家に遊びに来た際に教えてくれた事柄だ。
「三竦み」の話。
蛇は蛙を食べる。
蛙は蛞蝓を食べる。
ナメクジは蛇を其の体液で溶かしてしまう。
と言う話。
僕は適当に考えた。
彼女が心苦しいくて身体が縛り付けられている様に感じるのは、何だか蛇に撒き付かれて居る様だなと。
まるで、円で、丸で、見えない蛇に撒き憑かれて居る様だと。
と言うか彼女自身そう言ったのだ。
蛇に撒き付かれて居る様だ。
宛ら(さながら)、鎖ながら(さながら)、見えない蛇に撒き付かれて居る様だと。
撒き憑かれて居る様だと。
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終物語
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