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僕は彼女の感想としての「蛇」と、
ネットで調べた「呪い」≒「蛇」の知識と、
メメ叔父さんの「三竦み」の知識を混ぜ合わせて、1つの応えに辿り着いた。
其れが「蛞蝓の絵を描いて枕元に置く」だった。
本当に、まるで、円で、丸で、「おばあちゃんの秘術」「おばあちゃんの知恵袋」の如きアドヴァイスだ。
其れで彼女の心が少しでも楽に成れば良いと思ったのだ。
僕って何て優しくて、知識が豊富なのだろう。
僕は年下の中学生にアドヴァイスをすると言う行為をして居る自分自身に酔っていた。
しかし、僕のアドヴァイスは奇(く)しくも、効果が有った。
次の日学校から帰ってきて、再びパソコンを開けて見るとYahoo!メッセンジャーが僕にメッセージを御報せ(おしらせ)して居(い)た。
Harubon_444:身体が楽に成ったよぉthank you!ね。
…効果有ったんかい!
突っ込みたく成った。
半ば、と言うか全く信じ難い(しんじがたい)事だった。
神事紛い(しんじまがい)事だった。
実の所、この一日中詰まり、
Harubon_444:身体が楽に成ったよぉthank you!ね。
のメッセージを目にする迄、僕は罪悪感に駆られていた。
どうして、「御前を呪って遣ったって言えば良いんじゃない?」何て行って仕舞ったのだろう。
其の助言が無ければそもそも彼女が、「心苦し」く成ら無かった。
其の現象に対して僕が、忍野扇、この僕が「蛞蝓の絵を描いて枕元に置けば良いよ」だなんて、ふざけた事を言って、おばあちゃんの知恵みたいな事を言って。
おばあちゃんの知恵もどき。
おばあちゃんの知恵紛い。
な事を打ってチャットして。
って、全部初めから僕の所為じゃないか!
と思いつつ家に帰って来て、気に成ってすぐ様(すぐさま)パソコンを開いたところに「効果が有った」との報告だから、なんだか、吃驚(びっくり)したし、肩透かしだし、罪悪感は消え無いが、微妙な感情に成った。
先迄(さっきまで)罪悪感を感じていたにも関わらず、ホッとしたのと同時に今度は元気良く、「効果有ったんかい!」と突っ込みたく成った。
全き(まったき)、微妙な感情だ。
吃驚 肩透かし、罪悪感、安心、元気。
この五つを僕は同時に熟(こな)さなければ成ら無い状況に僕は有った。
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終物語
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