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「斧ノ木余接」に対抗できる怪異と言ったら、「斧ノ木余接」よりも強い感情を持った、「有」の性質の怪異。
つまり、「有在蟻」だ。
「有在蟻」は元は数多(いくた)の妖精だ。
カオナシ、斧ノ木余接はアジアの、日本の怪異じゃ。
儂はヨーロッパ貴族じゃがの。
「有在蟻」は外国系の怪異じゃ。
怪異と言う言葉で縛るには些か微妙だ。
吸血鬼とドラキュラの間にちょっとしたイメージの差が在る様に。
違和感は否めない。
斧ノ木余接は格好こそ外国風の服を着ているが、あれは張ったり(ハッタリ)じゃ。
恐らく唯一の弱点を隠す為の服じゃ。
あの服は、魔術的意味合いを含ませる事の出来る型の服じゃ。
じゃが、斧ノ木余接の胸元に陰陽師が使う式紙の像が在ったじゃろう。
あの京都弁の姉ちゃんの服と髪飾りにもあった、あの印じゃ。
あれは日本の、陰陽師の印じゃ。
陰と陽を扱う事が出来る者の証じゃ。
だが、其の「陰陽」が苦手とする存在が在る。
「陰」にも「陽」にも分けられない存在だ。
例えば、色だな。
色だ。
色々。
様々。
在る。
色々あって。
いろいろあってさ。
とか言うじゃろ。
『此れには深い経緯があるのです。僕は大変な事を経験しました』と話相手に思わせる為の言い文句
『いろいろあって―』
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憑物語
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