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「まぼるってさ、色々な言葉を使って言う事を避けてるけれどナルシストだよな」
まぼるは、一瞬言葉を失った様だった。 「そう…だね。言ってみれば。自分を謙遜したり、自分を下げたり、自分がどうでも良いと言う事は、 日本では、良い事だとされるけれども、悪い事だと思う。」 「んまぁそうだね。遣(や)り過ぎはどうかと思うよ。」 未(ま)だ認め無(な)い様(よう)だ。 「他人を助けたいと思う事も有る。けれど、そう思う度(たび)行き着く論は、先(ま)ず自分と言う一人の人物を助ける事。 前に言ったと思うけれど、僕は強迫神経障害者なんだ。僕は行動をする必要が有る。強迫神経の障害の1つに、考えてばかりで行動が出来無く成ると言う物が有る。 僕が行動をする時に自分で自分を下げる事は、駄目な事。どうでも良いのだったら、僕は布団から出る事もしたがら無い。学校に来る事もし無い。 遣る気を失う。僕は僕を強迫神経障害から救う為に、自己肯定感を高める必要が有る。自己肯定感が高いと言う状態を言い換えると、ナルシストだと思う。 だから、僕はナルシストだよ。」 おっ。やっと認めたな。 「成(な)る程(ほど)ナルシストなんだな」 「うん。そう。僕はナルシストだ。ナルシストは、駄目な人と言う感覚があるだろうと思う。ナルシストは気持ち悪いと言うイメージも。 僕は、駄目な人、気持ち悪いと言う形容詞を付けられる事に耐えられる。もう、弱く無いから。」 …。 こいつは、強いな。 高頻度で思うが、まぼるは強い。 誰だって駄目な人とか気持ち悪い人だとか思われたく無い。 その上で、そう思われる事に耐えると、まぼるは言った。 ナルシストと言う言葉が帯(お)びる、後ろめたさを感じ取り其(そ)の後ろめたさを受け止めて 其(そ)の上で耐えると、言った。 一体全体、過去に何が有(あ)れば此(こ)んな強く成(な)れるのだろうか。 俺は、ただ、まぼる自身が自分でナルシストだと認める瞬間を見たくて…。 まぼるが自分自身に劣等感を感じる瞬間が見たくて…。 軽い気持ちで…。 話し掛けただけなのに…。 俺、最低だな。 まぼるがナルシストだって自分自身を思って劣等感を感じる瞬間を見る事を俺は願っていたのだ。 俺は。 他人の不幸せを見て楽しもうとしていた。 自認され無(な)い悪意は手に負え無いと言うが、此(こ)の言葉もまぼるから聞いた言葉なのだが、其(そ)れは本当の事だなと思った。 俺は俺の中の悪を見付けた。 何なのだろうか、俺は他人の不幸を楽しむ人だったのだろうか。 何時(いつ)からそう成ったのだろうか。 (この文章はフィクションです)
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羽旨魔歩流の気違い
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