はむねまぼるのブログ

作詞作曲をしています。介護のことも書きます。強迫性障碍のことも。

トリセツ!

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トリセツ!第10話

第10話
 
 僕は、自宅へ向かって電車に乗っっていた。
呆然としていた。
あの後暫く屋上で呆然とした後。
…帰ろう。
と思った。
「疲れたから帰ろう。」と。
子どもでも思わない位単純明快な思考をした。
そして、その単純明快な思考をそのまんま実行した。
疲れた。
故に、自宅に戻る。
回復する為に。
当たり前の事だ。
 そして真顔のまんま最寄駅へと行った。
そして切符を買った。
SUICAは、みどりの窓口で現金にして我が両親に送って置(お)いた。
だから、現在カードは持って無い。
俺は、切符を購入した。
そしたら、電車はススッとちょうど良く来た。
夕日の暖かさに抱かれながら僕の体は、電車のレールとレールの境目の上に金属のタイヤが当たる度(たび)に揺れられた。
ふいに物を見る為に付(つ)いて有る顔の一部品の周りから、液体が大量に出て来た。
何事かと俺は驚いた。
しどろもどろした。
何が始まったのかと思った。
…。
何も驚く事も無い。
俺は…泣いていた。
 俺が知らない処(ところ)で、俺の幸せを、自分の幸せを犠牲にしてまで守ろうとする人が此(こ)の世の中に存在する事が、嬉しかった。
屋上で、あの女子中学生と話していた時は、上から目線の女子中学生の口調にイライラして、単純な嬉しさが相対的に感じられ無かった。
殆(ほとん)ど感じ無かった。
だけれども、電車の中で、一度場所を変えたら単純で、純粋で、簡単な感情を其(そ)の儘(まま)無修正で感じられる状態に成った様(よう)だった。



筆者:羽旨魔歩流
 

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