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第10話
僕は、自宅へ向かって電車に乗っっていた。
呆然としていた。 あの後暫く屋上で呆然とした後。 …帰ろう。 と思った。 「疲れたから帰ろう。」と。 子どもでも思わない位単純明快な思考をした。 そして、その単純明快な思考をそのまんま実行した。 疲れた。 故に、自宅に戻る。 回復する為に。 当たり前の事だ。 そして真顔のまんま最寄駅へと行った。 そして切符を買った。 SUICAは、みどりの窓口で現金にして我が両親に送って置(お)いた。 だから、現在カードは持って無い。 俺は、切符を購入した。 そしたら、電車はススッとちょうど良く来た。 夕日の暖かさに抱かれながら僕の体は、電車のレールとレールの境目の上に金属のタイヤが当たる度(たび)に揺れられた。 ふいに物を見る為に付(つ)いて有る顔の一部品の周りから、液体が大量に出て来た。 何事かと俺は驚いた。 しどろもどろした。 何が始まったのかと思った。 …。 何も驚く事も無い。 俺は…泣いていた。 俺が知らない処(ところ)で、俺の幸せを、自分の幸せを犠牲にしてまで守ろうとする人が此(こ)の世の中に存在する事が、嬉しかった。
屋上で、あの女子中学生と話していた時は、上から目線の女子中学生の口調にイライラして、単純な嬉しさが相対的に感じられ無かった。
殆(ほとん)ど感じ無かった。
だけれども、電車の中で、一度場所を変えたら単純で、純粋で、簡単な感情を其(そ)の儘(まま)無修正で感じられる状態に成った様(よう)だった。
筆者:羽旨魔歩流
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トリセツ!
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