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歩いていた。
すると、いや〜な感じのお兄ちゃん達が2張こちらへやってきた。 私はそれとなく避けて行こうとしたのだが、その2張は私と同じ方向へふらふらっと来るのだ。 あ、もしかして…私に近づいているのではないだろうな、何となくそう思った。 お兄ちゃん達は私の目の前に来て、話しかけてきた。 「よお、よお、こんばんは。こんな時間にどういう御用です?」 ああ、やっぱり、なんか嫌な予感がしたのだ。 「これから、仕事がありますので」 「何の仕事?ちょっといいかな来て貰って」 「あの、急ぎますので」 私は2張の脇を押し通ろうとしたのだが、2張が立ちふさがった。 「ちょっと!」 「君は才能がある」 つづく
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和物語
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理由は…金が無いから。
ただそれだけ。 私は地図から顔を上げて前方に広がる道を見据え。 これからお世話になる、会計事務所の所まで歩き始めた。 まずは事務所から訪ねて、その後寮に行く予定である。。 知っている人が近くに一張も居ないのはとても心細かった。 結構暗くてよく分からないお店が並び立つ場所に来てしまった。 この通りはやけに暗い。日が当たりにくいようだ。 と、その時6メートル程向こう側に水中にプカプカと浮いて移動するコンブが居た。 黒ずくめでなんだか怪しいし怖い。 コンブの国は海の中にあるので、水中を泳いでも街中を移動できる。 でも、真面目なコンブは地を這いずって歩く。 不真面目なコンブ(特にヤクザ)とか、急ぎの警察とかはたまに水中をプカプカと泳ぎながら移動することもある。 続く
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駅を降りて、魔法でふやけない様になっている紙に書かれた、滲まない様になっているインクで書かれた地図を見た。
母から貰った地図だ。母が母の知り合いの人から教わって描いてくれた。 母はとても元気で、現金な人だ。 しかし、典型的なコンブの妖精でカナリ堅い性格である。 色々とうるさいのである。 普通もっとおばあちゃんになってから口うるさくなると思うのだが、あの年で口うるさいとなるとおばあちゃんになったらきっと口が裂けてしまうに違いない。 それくらい、今も口うるさいのだ。 しかしながらその母とも別れてこれからは1人で暮らしていかなくてはいけない。 正確には1人ではなく、ルームシェアだ。 妖精同士のルームシェアはかなり過酷とされている。 妖精は基本的に性格が濃く、ぶつかったときに両者が引かないから、大変な事になるのだ。 でも、私はルームシェアでやっていく。 tsuduku
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都に着いて私は、おばさんに誘われた会計事務所に向かっていた。
一応私は、学校を出ているので計算ができる。 だから知り合いのあばさんの会計事務所に就職する事になった。 妖精としては最低の職業だ。 妖精はイマジネーションでなく数学の世界に生きるなんて屈辱的だ。 しかし、それでも貧しい家族が居る事だし、一応私は家族が好きなのだ。 だから家族のため…というと押し付けがましいが、事実それもあって上京した。 続く
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やはり、恥ずかしながら故郷を離れるのはとても辛かった。
妹はイヤイヤと地面に横になってジタバタと地団太を踏んでいた。 海の中だから、土といっても砂っぽい土だからフワフワッと砂が水中に舞って彼女の姿を消していた。 私は彼女がそうしたときになだめ化す役目を家族内で負っていたが、今日からはもうそのお勤めはあ終了である。 いつもの様には宥めに行かない。そのままさよならだ。暫くだから…そう我が妹に向けて心の中で密かに呟いた。 弟は意外と口を踏ん張って下の方を剥いてお母さんと手を繋いでじっとしている。 じゃあ行ってきます。 私は言って、サッと振り向き家を後にした。 駅に着くまで私は一度も振り向かなかったそうでないと自分の心が緩んでしまう気がした。 一度緩んだ気持ちをもう一度自分自身で締めなおすのはとても辛い。 列車に乗るまで頑張って、乗車してから窓を見て見慣れた(駅周りはそこまで見慣れてもいないが…)故郷を振り返った。 もう列車に乗ってしまっているから、心がどんなに緩んでもこの列車は都に行くまでは止まらない。 汽車に乗って(「汽車に乗って」作詞:YUKI作曲:蔦谷好位置を聞く事をお勧めです。)私はコンブの国の都市へ行った。 つづく
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