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直江津高校に入学してある種の意味不明な、訳ワカメな感情に襲われた。
周りが「其れ」に夢中だ。
「恋」。
クラスの皆は、彼女が居ると、居ないとか、
何ヶ月目とか付き合い始めて何ヶ月目の記念日とか。
そう言った話題で一杯だった。
だが、僕は今一その感覚に共感出来なかったし、理解も出来無い。
男と女がくっ付いた離れたと言われても、困る。
其れは自分には彼女が居ないという「嫉妬」心を駆り立てられるだけで、何等(なんら)得をし無い。
若しかすると、と言うより絶対、そう言った「女、男、付き合う」と言う話をする人は、
「自分、彼女が居るんだぜ」「私彼氏が出来たの」と自慢して相手の「嫉妬心」を駆り立てたいのだろう。
直江津高校に入学して、そう言った「色恋沙汰」の話を聞く事が多くなった。
と言うより、其ればかりに成った。
僕は、そういった話に嫉妬心を駆り立てられると同時に心のどこかで冷めていた。
其れは忍野メメおじさんの助言が有ったから。
「感情と、性欲は全くの…全くと迄は言え無いが其れと此れとでは違うから。
個人の其れ迄の記憶を、思い出を壊してしまう様な行為を女性にしては成らないよ。
女の人は物理的力を持って居ないからね。
まあ、大体の女の人は物理的力を持って居ない。
中には、物凄い強い人も居るがな…。まぁ其れは其れとして。
多くの女性は物理的力を持って居ない。
でも、代わりに女性は「魔力」を持っていて「魔法」を使える所以(から)気を付けなね。扇君。
僕は君が僕の甥だから言っているのでは無いよ。君が血縁関係の無い人でも同じ助言をするよ、僕は。」
と、其んな助言をくれた。
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終物語
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010
だから、僕は、自分を女と男の両方に姿を変えられる。
メメおじさんが僕を抱いてくれたときに、僕には新しい能力が備わった。
姿を男にも出来るし女にも出来ると言う特殊能力。
忍野メメおじさんは、こう言った。
「最近の人は、個人の性格を大切にしない。もっと、個人の性格を大切にしなくては成ら無い。
扇君。僕から君に頼みがあるんだ。僕の大切な甥っ子の扇君に。
僕達は血縁関係が有る本当の仲間だからね。
家族だからね。
お礼も支払わ無くて良いだろう?
御願いだ。君は女に成ったり、男に成ったりして、人々の固定観念「男は男らしく無くては成ら無い、女は女らしくなくては成ら無い」と言う考えを打ち砕いて欲しいんだ。」
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僕は、ダークと蟹の両方に襲われた。
いや、忍野メメおじさんの言う風には、「怪異に襲われたのでは無く、怪異が単に偶々、内側から湧き上がったのだよ」だってさ。
「君は、自分自身の性欲と上手く此れから付き合って行かなければ成ら無い。個人の性格を無視してSEXだけを求めるのは、間違っている」とそう言われた。
其の後、僕は、泣きじゃくった。
もう、涙が出なく成って、嗚咽が出た。
おしっこも出た。
涎(よだれ)も出た。
蟹が僕を助けてくれた。
蟹が僕の肋骨に成ってくれた。
怪異が助けてくれた。
メメおじさんが僕を後ろから抱いてくれた。
僕は、叔父さんの腕が、僕の肋骨に成って行く様な気がした。
忍野メメおじさんの腕が蟹の其れに成って、その蟹の腕が全部で6つに成った。
そして、僕の存在をメメ叔父さんが「支えてくれた」「助けてくれた」。
忍野メメ叔父さんは、僕を抱いてくれた。
そしてこう言ってくれた。
「君は君だ。男であると同時に君は扇君だ。一個人でも有るんだ。頭で考えるんだ。チンコで考えるんじゃ無いよ」
解ったね。
解った。
解った様な虫。
蟹。
蟹が僕を助けてくれた。
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僕は、フェミニストだった。
しかし、宇宙、ダークな宇宙から齎された(もたらされた)訳の解ら無い考えで
僕自身を壊してしまった。
ダークは、蟹も叶わ無かった。
蟹は神様のマガイモノだ。
本物は神。
偽者は、蟹様。
神は無の性質を持つ。
蟹様は有の性質を持つ。
ダークと言う怪異に立ち向かえる存在は「無」だけだ。
「空(くう)」でも駄目だ。
ダークに立ち向かえるのは信じる心。
神様だけだ。
僕は自分自身を信じ切る事が出来無かった。
だから、ダークに飲み込まれた。
個人の性格を無視して、僕は男らしく成ら無くては成ら無いと思い込んで、(今から思えば其れは単なる強迫観念だった)。
ダークは強迫観念だ。
現実に即仕た(そくした)言い方を仕る(する)と強迫観念だ。
閑話休談
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僕は、中学生のときに或る2人に言葉の虐め(いじめ)に遭った(あった)。
僕は、蟹に遭った。
其の2名は「K」と「N」だ。
KaNi。
蟹。
蟹。
蟹。
蟹。
蟹。
重し蟹。
重いし蟹。
重さを奪われた。
考える事も奪われた。
中学三年生のときである。
僕は、重さを根こそぎ持って行かれた。反動で、甘いものお汁粉、餡子(あんこ)を多く食べた。
僕が捨てた思い。
重さ。
重さ。
思さ。
考え。
其れは、「男、女という考えの前に個人と言う性格が有る」と言う考えだ。
僕は、此の考えを捨てた。
「大人に成れば、異性の伴侶をゲットする事、彼氏、彼女が居る事、金を集める事が大切。子供時代は終わった!」と思った。
其の考えは何処から来たのだろう。
僕は有りもし無い考えを抱いた。僕が抱いた感情で無い、「考え」を抱いた。
僕は、其の訳の解ら無い考えを「ダーク」に持たされた。
暗い願い。
暗い願望。
其れは訳すと、「性欲」。
「虚無感」。
此の2つだ。
閑話休談
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