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縁側に座る敬一の後ろ姿が不自然に映ったので洋子は足を止めた。路地の奥から庭に咲く
草花の匂いを掠め取って流れてくる小さな風が頬を撫でた。
敬一は午後の陽光に包まれて蹲っている。その肩が妙に窮屈そうに縮こまり、その奥で最近
やけに白くなった頭がヒクヒクと震えるように見え隠れしている。
洋子は背伸びをするような格好で、その後頭部を見つめた。近づいて行って上から眺めればす
むことにも気付かずに・・・・・・洋子の眉間に縦皺が浮いた。
足の臭いでも嗅いでるのだろうか?
正面に廻ったら、ソンなことをしている真っ最中のような姿だった。洋子の爪先に力が入り、眉間
の皺が濃くなった。
敬一の肩がぷるぷると動くと、その直ぐあとに白いモノが腹のあたりから転がり落ちた。
洋子はハラハラしながらその小さな命を目で追った。キラキラと光る午後の陽射しに包まれて、
白い子猫が顔を上げた。洋子は乾いた口を開けたまま、夫の背中と子猫の瞳を交互に見つめた。
つづく・・・・・・・・・・かも・・・・・・・
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