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縁側に座る敬一の後ろ姿が不自然に映ったので洋子は足を止めた。路地の奥から庭に咲く
草花の匂いを掠め取って流れてくる小さな風が頬を撫でた。
敬一は午後の陽光に包まれて蹲っている。その肩が妙に窮屈そうに縮こまり、その奥で最近
やけに白くなった頭がヒクヒクと震えるように見え隠れしている。
洋子は背伸びをするような格好で、その後頭部を見つめた。近づいて行って上から眺めればす
むことにも気付かずに・・・・・・洋子の眉間に縦皺が浮いた。
足の臭いでも嗅いでるのだろうか?
正面に廻ったら、ソンなことをしている真っ最中のような姿だった。洋子の爪先に力が入り、眉間
の皺が濃くなった。
敬一の肩がぷるぷると動くと、その直ぐあとに白いモノが腹のあたりから転がり落ちた。
洋子はハラハラしながらその小さな命を目で追った。キラキラと光る午後の陽射しに包まれて、
白い子猫が顔を上げた。洋子は乾いた口を開けたまま、夫の背中と子猫の瞳を交互に見つめた。
つづく・・・・・・・・・・かも・・・・・・・
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2011年09月20日
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旅行などで初めて訪れた街で自由な時間ができ、2時間〜3時間勝手に行動していいよという状況
になったときには迷わず本屋に入る。同行した人達が連れ立って喫茶店に行ったり、デパート巡り
にいったとしても独りで別行動をとり本屋を探す。だから旅行から帰って、荷物を開けてみると地方
の書店のブックカバーに包まれた本がどっさりと出てくる。何年かして同じ街を訪ね、時間が空いて
同じ本屋に入る。どの階にどういう書籍が並び、文庫本の棚の配列や珍しく充実していた詩集のコ
ーナーなど、不思議なくらいに憶えている・・・・・随分昔から馴染みのような懐かしさで優しく包まれ
る。他のことに興味がないぶん、そういう感覚ばかり鋭くなってしまったのかも知れない。
そーゆーワケで本屋さんが目的で小さな旅行をすることがある。なにか買いたい本があるわけでも
なく、ただ其処の本棚の間を散策したいような、つまらぬ理由からである。気分転換に森に入り森林
浴でもするような感覚なのかも知れない。
そういう場所で、昨日手に入れた本『謝罪代行社』ハヤカワ文庫の新刊である。上下2巻を早速読み
初めて残り100ページあまりとなった。今年のミステリーベストテン入り間違いなしの傑作である。
読み終えぬうちに感想書くのもなんだけど・・・・ユニークな構成と緊張感溢れる語り口が巧い。筋立
に大味な処はあるけれど、欠点とまでは云えない。小説好きな人なら夢中になる作品です。
もう一冊買ったのがガルシア・マルケスの『誘拐の知らせ』 元ジャーナリストのマルケスが手がける
ノンフィクションがつまらないワケがない・・・・・・楽しみ
それからもー一冊・・・・・・
知らない作家なのだけれど久しぶりに直感買いしてしまった・・・・・・ついでに同じ作家の作品をもう
一冊買ってしまった・・・・・・これは大当たりの予感がする・・・・・・次の連休が待ち遠しい。
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