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まなじりからこぼれたぬるい液体が頬をつたって耳のうらがわへと落ちる
それがずっと止まらないのだ
見なくてもよい光景が この身体の周囲をおおっている
それが終わりそうにないのだ
なめらかに移動する頭上には 均等に配置されたダウンライトとスピーカー
それから火災報知器 天井に貼られた不燃材は一枚910mm×455mm
滲む光景の片隅で女が笑っている
押さえつけられ滑らかに移動する顔を覗き込むのは
母か妻か娘か 見ず知らずの老婆か
流されていく耳元にすがりつくものは
悲鳴か哄笑か 怒号か子守歌か
そもそも
この身体は誰の物なのか
そして何処へ向かっているのか
それを私は
何処から
眺めているのか
太い声が 柔らかい枕に吸い込まれる
次の瞬間
私は未知の儀式を傍観する
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2012年09月28日
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