詩の擁護

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チャーリー・ブラウン

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   後退する。

   センター・フライを追って

   少年チャーリー・ブラウンが。

   ステンゲル時代の選手と同じかたちで。
 

   これは見なれた光景である。


   後退する。

   背広姿の僕をみとめて、


   九十歳の老婆・羽月野かめが。 
 
   七十歳のときと同じかたちで。

   これも見なれた光景である。


   スヌーピーを従えて、

   チャーリーに死はない、

   羽抜鶏を従えて、

   老婆に死はない。

   あまりに巨大な日溜まりのなかで紙のように、

   その影は、はじめから草の根に溶けているから。


   そんな古里を訪ねて、

   僕は、二十年ぶりに春の水に両手をついた。

   水のなかの男よ。それも見なれぬ・・・・・・・

   君だけはいったい、

   どこでなにをしていたのか。

   どんなに君がひざまずいても、

   生きようとする影が、草の高さを超えた以上、

   チャーリーは言うだろう。

   羽月野かめは言うだろう。

   ちょっと、そこをどいてくれないか。

   われわれの後退に、

   折れ曲がった栞を挟み込まれるのは、

   迷惑だから、と。





      「チャーリー・ブラウン」  清水 哲男 「スピーチ・バルーン」より

   


   

バット君

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    揺れているドラムカンに

    最後の水をバケツで投げこむと

    麦魚のように星々が放流される


    薪に火をつけてから

    ぼくはその明かりで

    燃やさずにおいた古い「養鶏の友」を読む


    読みながら

    麦秋の闇の底を動いて

    虫のように涌いてくる家族を待つのだ


    かがみこみ肘をあげて

    この待球主義の腋の下にはいつだって

    鋭い刃物の汗が滴っているが・・・・・


    凄かった君のインシュート!

    そんな噂もやがて消えるさ

    百羽の鶏をバタリー方式で飼う意味だって


    それにぼくの竹のバットも

    誌代切れの朱印のように赤茶けてきて

    いまでは湯をかきまわすのに使われている


    実際のところ

    沸いてくるものには勝てそうもないなあ

    売れ残った鶏卵は必ず土間で沸いた・・・・・


    さあ 固くバットをひきつけて

    湯加減を見ておこう

    妹の尻が割って入る月もぐらりと上ったからには



   

            「バット君」  清水 哲男 「スピーチバルーン」より

愛は生きているうちに





  淋しいときは

  誰かにすがりつくのよ

  しっかりつかまって放さないことよ

  手に入れ、願い、抱きしめ、求め

  手に入れ、願い、求め、抱きしめ

  手の届くうちにモノにするのよ

  ハニー、手の届くうちに

  そうよ、いのちのあるうちに

           Get It While You Can 武内邦愛 訳
                   

                

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「if」  pink froyd




  

   もしも僕が月にいたなら

   クールになることもできるだろうし

   もしも僕がドアだったなら

   曲がることもできるだろう

   もしも僕が良い人間だったなら

   友だちの間にも

   距離のあることがわかるだろう


   
   もしも僕がひとりぼっちだったなら

   泣くだろうけど

   でももし君といっしょだったなら

   涙もかわいて家に帰っただろう

   けれどもし僕が狂ってしまっても君はまだ僕を

   遊びの仲間に入れてくれるだろうか


                   「if」   今野雄二 訳

茨木のり子



  子供の頃には祖父母や両親からよく戦争の話しを聞かされた。

  祖父は陸軍に招集され、シベリヤで抑留され命からがら戻ってきた。その間、祖母は内地でミシンの

  縫い物をしながら二人の子供を育てた。父親は後二年早く生まれていたら、学徒動員されて死んで

  いたかも知れないと、よく語っていた。母親は二歳年上の姉と、一つの玉子を分けてご飯にかけた

  話しをした「私はいっつも白身ばかりだったのよ」と笑い話で戦争の体験を話してくれた。


  多くの人達の人生が狂わされた。そして多くの人達が殺された。

  幼い頃は、自分が大きくなったらまた戦争が始まり、自分も戦地に送られるのではないかと

  いう不安を感じていた。戦争の体験者は数多くいたから、その話しを聞く機会はいくらでも

  あった。今では遠い昔の出来事なのかも知れないが、語り継ぐことを止めてはいけない。


  ブログ仲間のお妙さんが好きな、茨木のり子さんの詩。

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