|
あけましておめでとうございます
酒呑んでの繰り返しでまさに夢現の時間を過ごしていました。。。。。今日は級友達との集まり
(・・・・酒飲み)があって出かけるので朝酒は抜き
そんでもって早速本の紹介なんだけれどエリザベス・ストラウトの『オリーブ・キタリッジの生活』
去年の暮れにまとめ買いして机の上に積んでおいた本の一冊なんだけれど酔い醒めの頭が清
んだ水の中で清められていくような作品だった。ある土地を舞台にした連作短編集で、一つ一つ
独立した物語なのだけれど、その中に必ずオリーブ・キタリッジという女の人が登場する。時には
主役で時には脇役とか端役で現れる。そしてこの短編集全体を通して彼女の人生が語られていく
という仕掛けになっている。シャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ・オハイオ』や堀江敏幸
さんの『雪沼とその周辺』なんかも同じ土地を舞台にした短編集の傑作だが、それらを凌ぐ大傑作
であると正月早々断言してしまう
っと酔いが抜けない状態で
感想聞かせて欲しい。
読み進める毎に自分の心のなかに隠れていた扉が開かれて、今までの人生のいろんな場面で
感じた悲しみや喜びが、この小説と併走するように思い出される、、、、一作読み終える度に荒い
息を整えてまた、次の作品にドップリと浸かる至福の時間・・・・・・これが千円以下の値段で体験
できる。読書はやっぱり此の世で最高の娯楽なのである。
ソーユーわけで、本年もよろしくお願いいたします。
|
本棚
[ リスト | 詳細 ]
|
零細企業経営者の宿命とでも云うか一年中切れ目なく、せこせこと仕事している感があるのだが
さすがに本日から何日間はお休みできる。なぁ〜んにもしなくて良いのである。なぁ〜〜んにもし
なくて良い状態で一体何をすればいいのか悩みながら終わってしまうのがお正月なので一応、
読みたい本だけは机の上に揃えておく。フォークナーの『死の床に横たわりて』いつか再読しよう
と思いながら二十数年経ってしまった。それからカフカの『城』・・・・なぜだか急に読み返したくな
って本棚から引っ張り出してきた。それから気の向くままに選んだ数冊をソファー脇の出窓に積
んでファンヒーターで暖を取り、いつもは物置みたいに使われている書斎に籠城しているワケで
ある。そんでもって一番最初に手にした本がこれ『1973年のピンボール』村上春樹さんが『風の
歌を聴け』でデビューして二作目に発表した小説。『風の歌を聴け』は何度も読み返しているのだ
けれどなぜかこっちには御縁がなかったというか、すっかり忘れていたというか、先日本屋で見
かけて「やれやれ・・・すっかり忘れていたよ」と懐かしくなって買っておいたもの。
読後の余韻が醒めないうちに書くけれど、やっぱり僕は村上春樹のデビューの頃が一番好きだ
だから欠点も含めて、作品全体に優しくなれるような読み方をしている。たぶんこの頃が最も作者
と読者の距離が近かったのだろうと思う。同じ文芸サークルに籍を置くとびきり小説書くのが巧い
先輩・・・・・・みたいな距離で見ていたような気がする。
・・・・・・・僕は礼を言って電話を切った。そしてスパゲティーの続きを食べ始めた。
「何処に行くの?」
「ピンボールをやりに行く。行く先はわからない」
「ピンボール?」
「そう、フリッパーでボールを弾いて・・・・・」
「知ってるわよ。でも、何故ピンボールなんて・・・・・」
「さあね? この世の中には我々の哲学では推し測れぬものがいっぱいある」
彼女はテーブルに頬杖をついて考え込んだ。
「ピンボールは上手いの?」
「以前はね。僕が誇りを持てる唯一の分野だった」
「私には何もないわ」
「失くさずにすむ」
『1973年のピンボール』 村上 春樹
こういう会話がたまらなく好きだった。
だけどこういう会話が小説の足を引っ張る場合もあるのだよな・・・・・と、最近漸く分かってきた。
|
|
東西ミステリーベスト100という本を買ってきて読んでいたらアガサ・クリスティーの「そして誰もいな
くなった」が海外編の第一位であった。クリスティーとかエラリー・クィーンを夢中で読んだのは中学
・高校時代でおそらく翻訳された物の半分以上は読んでいると思う。エラリー・クィーンに関しては
8割方読んでいるハズなのだが内容を想い出せる作品は「Yの悲劇」ぐらいである。クリスティーも
「アクロイド殺し」は忘れられないのだが「そして誰も・・・」の方は読んだのかどうかも想い出せない。
ソーユーワケで歴代海外ミステリー第一位に輝いた作品を求めて「ブックオフ」へ行ってきた。
それ以外にも目に付いたものを何冊か買って帰り、書斎のストーブ点火してソファーに倒れ込んで
読書三昧の日曜日
読んでいる内にいろいろ思い出して、それと同時に、当時クリスティーに対して感じてた印象も蘇っ
て来た。。。。確かにインパクトある内容で、推理小説に夢中になるきっかけとしてはもってこいの
作品なのだろうけど、推理小説は所詮推理小説であって、犯人当てのゲームに過ぎないのだという
考えが常に頭の何処かにあって、クィーンやディクスン・カーを夢中で読みながらも、こんな長い物
読むのならもっと為になる本を・・・・・という虚しさが付きまとうのであった。だからそれを見事に覆し
てくれたチャンドラーとかロスマクとかとの出合いは衝撃的だったのだろうけど。
そんでもって次に読み始めたのがこれ
イアン・マキューアンの作品はいくつか読んでいるのだけれど正直あまり好きな作家ではなかった
小説はうまいのだけれど、どうもいまいちのめり込めない何かがあって、興味はアルのだけれど、
ちょっと取っつきにくいような気もする隣のクラスの優等生的な匂いがしていたのだが、この作品
読んで正直驚きました。。。。小説好きな人をお腹いっぱいにしてくれる傑作です。
|
|
日曜日だったのだけれど親しくしている人から修理の依頼があり出かけた。洗面台の下で水漏れ
していて、目に見える場所での簡単な修理だった。依頼人は留守で、その奥さんが出迎えてくれ
た。
「日曜日なのに呼び出してゴメンね・・・」
「いいんですよ。日曜日なのに何もすること無かったから」
修理が済むと、奥さんはもう一度同じ言葉を繰り返した。
「日曜日なのに呼び出して・・・・」
「いいんですよ・・・・・本屋に出かける途中の寄り道ですから」
そんなワケで、そのまま足をのばして『ブックオフ』へ
読みたかった物が結構手に入った(しかも安値で)のでそそくさと帰り、そのままソファーに寝ころ
んで読書を始める。
吉田篤弘さんの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
この人の作品読むのは3作目なのだけれど、暫くぶりにあった友だちと、暫く前に会った時にした
話の続きをするような気安さで読めるのが良い。歳も近いからか彼の文章から時々起ち上がる
主張・拘り・当たり前な事へのささやかな反逆めいた物が好きだ。そして読後には何事もなかった
かのような日常にふらっと、そして爽やかに戻れるさりげなさが良い。平凡が描ける不思議な作家
だ。
仕事というのは誰かのためにすることなのだと、当たり前のことに思い至った。その『誰か』をで
きるだけ笑顔の方に近づけること、それが仕事の正体ではないか。どんな職種であれ、それが
仕事と呼ばれるものであれば、それはいつでも人の笑顔を目指している。
吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
ソーユーわけで、今週も仕事に励もうと考えて朝を迎えた。。。。。。
|
|
「人生に必要なことはみんなフョードル・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に書いて
ある・・・・・・・だけどもう、それだけじゃ足りないんだ」
カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』
結局、これを読み返して一日が終わってしまった。。。。やっぱ・・・・傑作だわ。
|




