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そーゆーワケで昨夜ノーベル文学賞受賞者が決定して、残念ながら村上春樹さんはまた
おあずけとなった。まぁ・・・・誰が受賞してもあぁ〜だこぉ〜〜だ云われるのが文学の世界
なのだろうと思う。。。。フォークナーにだってガルシア・マルケスにだってアンチはいるのだ
ろうからね。そんでもって今回は中国の方が受賞した。僕は読んだことないのだけれど、
何作かは邦訳出版されているらしい。今回の受賞で日本でもいろいろ出版されるだろうから
とりあえず一冊ぐらい手に入れたいと思っている。
中国の小説家というと思い浮かべるのは残雪という人。池澤夏樹さんの編集した世界文学
全集でたまたま読んで、中国にもこういう作家がいるのかと妙に感心した。不思議で面白く
て読後の余韻が尾を引く・・・・・小説らしい小説とはこういう物をさして云うのだろうと脱帽し
ました。未知の作家の魅力的な作品にもっともっと出会いたいね。
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本棚
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ポリス・ヴィアンの『うたかたの日々』の新訳が出たという噂は聞いていたのだけれど既に2冊
持っているので(伊藤守男訳『うたかたの日々』早川書房・曽根元吉訳『日々の泡』新潮文庫)
買わずにいた。初めて読んだのが高校生の時だから、かれこれ30年以上も側に置いている
一冊である。同じようにズーッと枕元に置いてあり、旅の友にしている本がサリンジャーの『ナ
インストーリーズ』なのだけれど、これが最近紛失してしまって、ウン十年ぶりかで新しいのに
買い換えた(村上春樹訳ではない方のもの・・・・)そのついでについつい買ってしまったのが昨日
の出来事。。。。。この小説が傑作か凡作か駄作かという議論に参加するつもりはない。僕にと
っては自分の部屋にある家具・・・・あるいは長年着続けている好きなジャケットのようなモノで、
身近にあるのが当たり前のようなもの。ストーリーが幼稚で荒唐無稽でバカバカしいとかいう
以前に、この小説の匂いとか、この本が置いてあるテーブルに射す午後の光とか、ページを
開いた時にあらわれる遠い日の喧噪とかが好きなのである。そしてそういう本が何冊かあると
云うことが自分をどれだけ勇気づけてくれたことか・・・・・・読書のおかげで救われたことって、
いっぱいいっぱいあると思う・・・・・・うたかたの日々の途中で・・・・・・・。
ソー云えば岡崎京子さんのマンガ版も持っていたので・・・・・・4冊目の購入だったわ・・・・・。
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「B級グルメ」という言葉が初めて使われたのは(僕の記憶では)文藝春秋のビジュアル文庫
で出ていた『B級グルメ』シリーズが最初だったと思う。今ではごく普通に使われている言葉
だけど、最初に使われていたこの言葉の意味は、現在とちょっと違うような気もする。
四半世紀前に出ていたこのシリーズのファンで、今でも時々読み返している。気軽に立ち寄
れる食堂の記事を中心に書かれたエッセイが素晴らしい。その中でも一番印象に残っている
のが『B級グルメ東京自由自在』に載っていた勝見洋一さんの「正調江戸前天麩羅そばを探
せ」という記事だ。ここで勝見さんは「下手味」という言葉の意味に言及しながら、懐かしい味
を通して記憶を辿るというプルーストのような話芸を見せてくれる。
「下手味」・・・・・・・辞書に載っていないこの言葉を人にどう説明していいのか分からないので
勝見さんの言葉を引用してみる。
それにしても下手味とはなんなのだろう。決して上品な味ではないが、かと言って下品なの
ではない。高級な材料よりも大衆的な材料同士の激突によって、火打ち石の火のように輝く
旨さだ。なんとなく江戸時代の鉄火のような味わいだ。江戸末からの天丼だけではなく、後世
に出来たカツ丼なども濃厚なのを考えると、江戸職人の伝統が丼物に今でも生きているのだ
と言わざるを得ない。
勝見洋一『正調江戸前天麩羅蕎麦をさがせ』
おぉぉぉ〜しっ・・・・・・・・今日のお昼は蕎麦屋のカツ丼にしょっ・・・・
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夏を手に持って、夏をグラスに注ぐ・・・・・・もちろんそれは小さなグラスで、子どもたちは
ほんのちょっぴりからだのほてるやつをひとくちするだけでいい。グラスを唇にもっていき、そ
れをかたむけて夏を飲みほして、血管の中の季節を変えるのだ。
『たんぽぽのお酒』 レイ・ブラッドベリ 北山克彦 訳
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なんだかんだあって暫く読書から遠ざかっていた。「なんだかんだ」と云っても特別
凄い「なんだかんだ」ではなく日常的に起こりうる極平凡な「なんだかんだ」なんだが
それが運悪く巧い具合に重なって細かいジャブがジワジワ効いてくるようなダメージ
となって心がちょっと重くなってしまう時もある。そんな時は活字も遠のけてジーッと
やり過ごすのが最善なのだと経験と本能が教えてくれるのである。
夏休みの最後の一週間のような気忙しくも胸苦しい時がスポンと消えて、気がついた
ら教室の机に座って秋の始まりの空を眺めていた・・・・・・・昨日はそんな日曜日だっ
たので久しぶりに本でも読もうかと書店に出向いたのだけれど、目も頭も暫く小説から
遠のいていたため、何を読みたいのか分からなくなって何度も何度も書棚の列を行っ
たり来たりしてしまった・・・・・・・・ソンでもって漸く選んだ数冊のうちの一つが糸山秋子
さんの作品。。。。。群馬県でFM放送局のラジオパーソナリティーをする32歳の女性
を主人公にした話。東京に近い地方都市に住む人が持つ東京への屈折した思い、と
云うか、その地方都市自体が醸し出す東京への憧憬と嫉妬みたいなものが巧く描か
れていて、やっぱこの作家は巧いなぁ〜と思った。主人公の番組の熱心なリスナーの
職業が浄化槽メーカーの営業だとか、高崎市と前橋市の住民が抱く互いへのライバル
心とかちょっとした記述の積み重ねで面白い小説は出来上がっていくのだわ。。。。
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