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 おはようございます。冒頭で紹介したのは、ポルトガルの国民的歌手、アマリア・ロドリゲスの歌う「それぞれのファド "O Fado de Cada um"」です。美貌と圧倒的な歌唱力を兼ね備えた若き日の彼女の姿は、見る者をすっかり魅了してしまいますね!
今朝は彼女の代名詞ともなった作品、「暗い艀」をお送りすることにしましょう。
 
 アマリア・ロドリゲス(Amália Rodrigues 1920〜1999年)は、「ファドの女王」とも呼ばれたポルトガルのリスボン出身の歌手で、女優でもありました。貧しい家庭に生まれた彼女は、やがて一家の家計を支えるため様々な仕事に就きますが、1939年に「レティーロ・ダ・セヴェーラ」でファディスタ(ファド歌手)としてデビュー。デビュー当時からその天性の歌声と美貌でセンセーショナルな人気を得て、めきめき頭角を現し、やがてはファドを代表する世界的な大歌手へと成長していきました。ロドリゲスは1940年から46年にかけては、主にレビュー(ミュージカル)の舞台で歌手として活躍し、次の1947年から55年のあいだには女優として8本の映画に出演しています。フランソワーズ・アルヌールが主演し、アンリ・ヴェルヌイユが監督をしたフランス映画「過去を持つ愛情(Les Amants du Tage)」(54年)で歌った「暗い艀 "Barco Negro"」が世界中で大ヒットしたのは有名ですね。
 
 彼女は1950年代からは日本を含む世界各国をツアーしましたが、1955年、35歳の時にはファドの殿堂「カフェ・ルーゾ」でライブを行い、この時のライブ録音は世界中で高い評価を得ました。しかし1999年10月6日に惜しくも79歳で逝去、この時ポルトガルは3日間の喪に服しました。2年後の2001年に彼女の遺骨はリスボンのサンタ・エングラシア教会に移送され、現在はヴァスコ・ダ・ガマらとともに、国民的英雄10人の一人として眠っています。
 
 ファド(Fado)は「宿命」や「運命」という意味を持つポルトガルの民族歌謡のことで、主にギターラ(丸胴のポルトガルギター)とヴィオーラ(6弦のアコースティックギター)の伴奏で(時には低音ギター「ヴィオラ・バイショ」が加わる場合もあります)、人生の哀しみや恋の傷み、故郷を離れた寂しさなどを歌いあげていきます。このあたりは日本の「演歌」にも通じるものがありますね。「ファド」はポルトガルの植民地であったブラジルのモディーニャなどの音楽が逆輸入されてルーツとなったともいわれています。ブラジルに、「サンバ」、アルゼンチンに「タンゴ」、フランスには「シャンソン」、イタリアには「カンツォーネ」、そして日本には「演歌」があるようにポルトガルには「ファド」という名称の国民歌謡が生まれたわけですね。
 
 「暗い艀」は漁で夫を失った妻の悲しみを歌った曲で"Barco Negro"の"Barco"は「船」、"Negro"は「黒」の意味を持っています。直訳すれば「黒い(小)舟」となりますが、これは夜の闇に消えてゆく漁の小舟を表現しています。(しかしなぜか邦題は「暗い艀」となっていますね!)また"Negro"=「黒人」は逃れることのできない暗い宿命を暗示してもいます。厳密に言えばこの曲は「ファド」のカテゴリーには入らないのかもしれませんが、しかし独特のリズムに乗った彼女の魂魄の歌声は強烈な印象を残します。"
 
 それでは、アマリア・ロドリゲスの歌で「暗い艀」をお送りしましょう。哀しい宿命に翻弄される漁師の妻の心情を見事に歌い上げてゆくアマリア・ロドリゲスの魂の歌唱をお楽しみください。
 
 
 
 
 
 
 
"Barco Negro"  
 
 
De manha, temendo, que me achasses feia!
Acordei, tremendo, deitada n'areia
Mas logo os teus olhos disseram que nao,
E o sol penetrou no meu coracao.
 
 
Vi depois, numa rocha, uma cruz,
E o teu barco negro dancava na luz
Vi teu braco acenando, entre as velas ja soltas
Dizem as velhas da praia, que nao voltas:
 
 
Sao loucas! Sao loucas!
 
 
Eu sei, meu amor,
Que nem chegaste a partir,
Pois tudo, em meu redor,
Me diz qu'estas sempre comigo.
 
 
No vento que lanca areia nos vidros;
Na agua que canta, no fogo mortico;
No calor do leito, nos bancos vazios;
Dentro do meu peito, estas sempre comigo.
 
 
 
 
 
 
 「暗い艀」
 
 
朝 私は浜辺に倒れていて
 目が覚めた
 あなたにみにくい顔と
 思われるのがこわかった
 あなたは優しく私を見つめていた
 それで私の心にも陽光がさした
 
 
 それから私の見たものは
 とある岩の上の十字架
 あなたの黒い舟は波間の
 光の中で踊っていた・・・
 浜の老婆たちは あなたが
 もう帰ってこないという
 
 
 みんな あなたはいつも私と
 一緒にいると言ってくれる
 風の中 水の中 ともしびの中に
 寝台のぬくもりに 空いた腰掛けに
 私のこの胸の中にいつも
 あなたは私と一緒にいる
 
 
     
 
 
 
 
 
 
 
 

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閉じる コメント(9)

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詳細なご紹介、いつもながら感服いたします(笑)
今回のブログ記事で私もワールドミュージックについて書きましたが、最近の若者がJポップ中心の狭い視野でしか音楽を聴いていないのは誠に残念です。世界中にお宝がたくさんあるのに・・・。

2013/9/19(木) 午前 8:54 瀧野川日録 返信する

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ファドは、私も好きです。
日本では、シャンソン・カンツォーネ歌手というような人はたくさん居ても、昔からファド歌手と言える人は少ないですね。
タンゴやサンバ、等々に比較しても脚光を浴びた時代があったのかどうなのか・・・。

2013/9/19(木) 午後 0:06 Sima World 返信する

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過去を持つ愛情の場面で歌われてヒットしましたね。
来日もして私年代ではファンも沢山いると思います。
ポルトガルを旅したとき運転手に話しかけたくて、
アマリアロドリゲスと言ったら嬉しそうにうなずいて
その後テープでずっと彼女の歌を流してくれました。

2013/9/19(木) 午後 3:16 pis*43*1 返信する

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滝野川さん、コメントをありがとうございます。
<世界中にお宝がたくさんあるのに・・・>
その通りですね。
世界各国に素晴らしい音楽があるのに、それに気付かないというのは本当に残念であり、勿体ない話ですね!

2013/9/20(金) 午後 5:16 [ maskball2002 ] 返信する

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Simaさん、確かに日本で「ファド歌手」はあまり耳にしませんね。しかし少数ではありますが、いらっしゃることは確かなようです。
ファドもその根底では日本の演歌に通じるものがありますから、日本人には比較的共感が持てるものだと思いますが!

2013/9/20(金) 午後 5:21 [ maskball2002 ] 返信する

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bbさん、コメントをありがとうございます。
ロドリゲスが日本で人気を博したのはやはり50年代の後半
あたりでしょうか。
ロドリゲスは日本の美空ひばりに匹敵する国民的な歌手ですね!

2013/9/20(金) 午後 5:24 [ maskball2002 ] 返信する

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突然お邪魔します。こちらの映画の事を知人に教えました。先におことわりもせず申し訳ありません。m(__)m

2014/11/19(水) 午後 6:14 neko 返信する

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> nekoさんコメントをありがとうございます。
このブログはある意味では「データベース」のような機能も持っていますので、
どうぞ広くお友達に紹介してくださいね!

2014/11/24(月) 午前 8:39 [ maskball2002 ] 返信する

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ポルトガル語、いまいち…と言うよりわからないと言った方が良いのですが…訳詞を探していたらこのブログにたどり着いた次第です。
ありがとうございました。

2016/8/16(火) 午後 11:32 [ fkpopjp ] 返信する

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