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 おはようございます。今朝はルネサンスの初期イタリア・マドリガーレの作曲家、ヤコブ・アルカデルト(1505頃- 1568年)の美しいマドリガーレ、「白くやさしい白鳥」をお送りしましょう。
 
 ヤコブ・アルカデルト (Jacob Arcadelt)は盛期ルネサンスのフランドル学派の作曲家で、専らマドリガーレやシャンソンなどの世俗歌曲を作曲した作曲家です。「マドリガーレ」というのは16世紀半ばから17世紀初頭にかけて作曲されたイタリア生まれの世俗歌曲で、ペトラルカやボッカチオの詩に題を採った文学的な味わいを持つイタリア語の詩を歌詞にして、ポリフォニックな技法で書かれた声楽曲です。
 
 アルカデルトは126曲のシャンソン、そして200曲を超えるマドリガーレを作曲しており、彼の出版した「マドリガーレ 第1集」は34版にも及ぶほどの人気を博しました。この34版という数字は印刷技術がまだ未熟であった当時としては驚異的な数字ですね!15世紀〜16世紀のヨーロッパの音楽界ではフランドル出身の作曲家が多く活躍をしていました。フィリップ・ヴェルドロ、チプリアーノ・デ・ローレなど、マドリガーレを生んだイタリアでさえ、本格的なマドリガーレを作曲していたのはイタリア出身の作曲家たちではなく、フランドルの音楽家だったわけですから、彼らがいかに詩と音楽とを融合するポリフォニーのしっかりとした作曲技術と優れた音楽性を持っていたのかが容易に推察されますね。ヤコブ・アルカデルトもそれらの音楽家たちを代表する作曲家の一人でした。
 
 「白くやさしい白鳥 "Il Bianco e Dolce Cigno"」は初期マドリガーレの様式を示す典型的な作品で、和声的な響きとポリフォニックな絡みが見事に生かされたアルカデルトの逸品です。今日はマリン・コンスタンティン指揮のマドリガル室内合唱団の演奏でお送りしましょう。マリン・コンスタンティンはルネサンスやバロックの声楽作品を多く録音しているようですが、ここで聞かれる清澄なマドリガル室内合唱団の歌声はまた格別の響きを持っています。それではお楽しみください。
 
 
 
 
 
 
 
 
"Il bianco e dolce cigno" 4 v.

Il bianco e dolce cigno
cantando more, ed io
piangendo giung' al fin del viver mio.
Stran' e diversa sorte,
ch'ei more sconsolato
ed io moro beato.
Morte che nel morire
m'empie di gioia tutto e di desire.
Se nel morir, altro dolor non sento,
di mille mort' il di sarei contento.
 
 

「白き優しき白鳥」

白く優しい白鳥は歌いながら死ぬ。
けれども私は泣きながら生涯の終わりに達するのだ。
なんと奇妙で異なった運命だろう。
白鳥が失意のうちに死に
私が幸福のうちに死ぬとは。

死ぬときに私はあらゆる喜びと希望に満たされる。
死ぬ時に他の苦痛を感じなければ
一日に千回死んでも満足だ。



閉じる コメント(5)

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いつも知らない音楽なので新鮮です。

記事の文章を読んでいると、途中から皆川達夫先生の声で聞いているように錯覚します。趣味の世界とは言え良く勉強されていてすごいです。

2016/4/22(金) 午前 0:58 [ 貧乏兼業大家 ]

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大家さん、いつもコメントをありがとうございます。
音楽はやはり好きなものですから、勉強しようという気になってしまいます。
ブログの方も、アップできる時には積極的に記事を書いていくつもりですので、
これからもよろしくお願いしますね。

2016/4/23(土) 午後 4:25 [ maskball2002 ]

コンスタンティン指揮の演奏を聴かせていただきました。いい演奏ですね。私は皆川先生の指揮で歌ったことがありますが、特に記憶に残る曲ではありませんでした。ところが、80年代に初来日した「ザ・コンソート・オブ・ミュージック」のメンバーによる重唱で聴いて、あまりの素晴らしさに驚きました。「こんなに素敵な曲だったのか!」と見直しました。

2016/4/24(日) 午前 2:19 [ 六月の風 ]

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六月の風さんコメントをありがとうございます。
アルカデルトのこの作品は私もお気に入りの一作です。
皆川先生はこの作品の素晴らしさを十二分に弁えて、プログラムに組み込んだのでしょうね!今度の演奏会、頑張ってください!

2016/4/24(日) 午前 6:31 [ maskball2002 ]

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作曲家の名を失念して、検索をしたらこちらにたどり着きました。

この詩、イタリアの音楽院の学生だった頃の詞の授業で「意味」が理解できるか?と教師にに問われ、学生たちが答えた後に「真相」を聞き、驚愕した思い出があります。

この時代、抑制された中世です。人々は「言葉の遊び」の中で欲求不満を解消していました。(アレゴリー)
「死」が何を意味するか、を調べてみると理解のヒントになるかと思います。

非常に、「世俗的」な情景を模した詞で「私」は男性です。

2016/12/21(水) 午前 11:36 [ vnb*ta*y ]


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