|
昔、山口県出身のお客さんとの話で鶏の話をしたことがあった。
彼の家では庭で鶏を飼っており、たまにその鶏を落として食べることは田舎暮らしでは極普通の話であり、そんな環境で育った彼が小学校で給食が始まった頃にある肉が何の肉か分からずにに疑問を持ったまま食べていたことがあった。
ある日その肉が鶏肉であることを友人から聞き驚いたんだそうだ。
狭い鶏舎で昼夜を問わず人工的な飼料餌を与えられ肥育され、病気にならないように抗生物質を投与された非健康的なブロイラーと呼ばれる鶏。
かたや自身の足で餌を探して一日中駆けまわり、虫や穀物、農家の方が与える野菜の切れっ端を啄ばんだ生き生きと健康的に育った鶏。
当然肉質に大きな違いが出る。
焼き鳥は「素材と焼きが勝負」の単純だけどその味に大きな開きがある奥深い料理だと思っているんですが、京橋の奥処庵さんという焼き鳥屋さんでいただいた、 福岡の八女炭蘇鶏(やめたんそどり)という地鶏には驚いた(正式に地鶏かどうかは不明です)
感じた最大の特徴は鶏特有の臭さが無いということで、素晴らしい肉質と食べ心地は過去最高ランク!
特に手羽の塩焼きのウマさは言葉を失うほどで、八女炭蘇鶏という種のパワーを感じた。
赤柚子胡椒は市販ものではなく、特別に作って頂いてるもので見た目にもその味も経験したことがないものだった。
で、最後にタイトルの鶏スープ。
こんな美味い鶏なんだからきっと鶏スープもウマいに違いないとオーダーしてみました。
案の定、ノックアウトされました。
過去にこんな臭みもエグミもない鶏スープは経験がない。
どんな鶏自慢の店でも大抵は鶏スープで馬脚を露し、臭くて飲めない。
しかしこの八女炭蘇鶏でとった出汁は鶏の美味さの良いところのみが光り、しかも味がおそろしくナチュラルで清い。
真面目に、美味い鶏を目指して健康的に育てられた鶏は、実は農家やこの鶏を見出したある人間のストーリーがあり、食に対する大きな想いと情熱を感じた。
|
全体表示
[ リスト ]



