大型補正予算―昔の自民のままですか
自民党は変わっていない。そう思わざるをえない。
安倍政権が、今年度の補正予算の概要を固めた。
国の支出総額は13兆円強と、09年春に麻生政権がまとめた過去最大の補正予算に迫る。
基礎年金の国庫負担分を除いた10兆円余の「緊急経済対策」のうち、公共事業が半分を占める。財源は国債の発行だ。当初予算と合わせた今年度の国債発行額は、50兆円に近づく見通しだ。
国の借金残高が1千兆円に達するなか、安倍政権は財政運営について、「まず経済成長を実現し、税収を増やす」「短期は柔軟に、中・長期は規律をもって」と強調する。
そうした考えを頭から否定するつもりはない。しかし、政権復帰に浮かれたかのような大盤振る舞いがすぎないか。
公共事業は「復興・防災」や「暮らしの安心・地域活性化」を名目に、年間予算に匹敵する額に積み上げられた。今年度中に使い切れるはずはなく、先々への予約の様相だ。
防衛分野でも、生産に日本企業がかかわるとして、ミサイル購入費などが経済対策に位置づけられるという。
「まず金額ありき」で、与党が早々に「10兆円規模」を打ち出したことの弊害である。
思い出すのは、東日本大震災を受けた11年秋、そして09年春の補正予算だ。
震災復興の補正には、野党だった自民、公明両党も深くかかわったが、被災地再建とは直接関係のない便乗・こじつけ型の支出が横行した。
麻生政権の09年春の補正も、リーマン・ショックによる急激な経済の落ち込みを受け、規模が優先された。その後、会計検査院からさまざまな無駄が指摘される始末だった。
先の衆院選で自民党は「国土強靱(きょうじん)化」を公約の柱に掲げた。いま、党本部は陳情に訪れる業界団体の関係者らで大にぎわいだ。大型の補正予算は、衆院選での支持のお礼と夏の参院選に向けた期待料なのか。
大型補正には、13年度前半の景気を押し上げる思惑もある。来春の消費増税の実施をこの秋に最終判断する際、その数値がカギを握るからだ。
財政再建の旗振り役であるべき財務省までが増税実現のための歳出増で歩調を合わせたのなら何をかいわんや、である。
年明けから所得税で震災復興増税が始まった。今後も消費増税など負担増は目白押しだ。
こんな予算編成を続けていては、納税者が黙っていまい
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