野田改造内閣 「素人の次も素人」 田中防衛相に拒否反応
産経新聞 1月14日(土)7時55分配信
田中直紀氏の防衛相就任には驚きと困惑の声が広がっている。安全保障に「素人」だった一川保夫氏の後任には精通した人材が起用されるとみられていたからだ。懸案の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題のかじ取りを任せるには適材とはいえず、沖縄県では野田佳彦首相の「本気度」を疑問視している。
「経験を生かし全力で取り組む」。田中氏は抱負を語ったが、経験といっても自民党時代に外務政務次官、民主党に移ってからは参院外交防衛委員長を務めた程度だ。議員会館の自室の書棚には『田中角栄の真実』『文章力をつける!』などが並ぶが、外交・安全保障に関する書籍はほとんど見当たらない。
記者会見では2年前に普天間飛行場を視察したとも強調したが、沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事は「田中真紀子元外相の旦那さん?」と皮肉り、沖縄問題への熱意をいぶかる。対照的に田中氏は「知事の主張を評価している」と持ち上げたつもりだが、一昨年に仲井真氏が「県内移設反対」に転じたことは把握していないことを露呈した。
自民党の石原伸晃幹事長は「沖縄県の理解を得るのにまた素人で大丈夫なのか」と、首相の任命責任追及を見据える。
軍備増強路線を進める中国への対応が焦点となる中で真紀子氏は親中派として知られる。長年の間“婦唱夫随”が続いた田中夫妻だけに、外務省幹部は「真紀子氏に振り回されたうちの役所の二の舞いにならなければいいが」と漏らした。
改造にあたり防衛省内では北沢俊美元防衛相の復帰を求める声が多かった。一川氏の素人答弁に省幹部は嫌気がさしており、何より安定感を求めたからだ。
ましてや通常国会では普天間問題のみならず、次期主力戦闘機(FX)や南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣、武器輸出三原則緩和などでいつにも増して難しい答弁を求められる。防衛省幹部は「やっと素人がいなくなったのに、また素人か…」と田中氏の答弁能力を不安視する。
政府は普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古に建設することに向け、6月にも沖縄県に海面の埋め立て申請を行う。海兵隊のグアム移転経費の復活も左右するだけに、普天間軽視とも取れる田中氏の任命は米側の不信感を高めかねない。
「防衛相が沖縄側と信頼関係を築けなければ万策尽きる」(政府高官)との危機感が首相にはあまりに乏しい。(半沢尚久)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120114-00000088-san-pol