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 毎年この時期におなじみの夏の台風が、今回は本州方面に近づいてきているということで、大阪はその

日、朝から空模様がくすんだ色合いを見せていた。天気予報では今日は雨は降らず、明日以降、かなりの

土砂降りになるという事だったので、天気を気にしていたあずさは、とりあえずほっとした。部屋のベラ

ンダに出て、しきりと空をながめてみたが、当然のことながら、それで別に天気に変化がおこることはな

かった。

「そんなに気にしなくても大丈夫よ。昔の天気予報と違って・・・え?いまは、天気予報とは言わない

の?ウェザー・インフォメーションって言うの、いま?知らないわよ、そんなややこしいカタカナは。と

にかく、天気予報を信じていればいいのよ。わたしらが若かった時よりは、よっぽど当るんだから、近頃

の天気予報は」

 やたらと天気を気にする娘に、母・白瀬タエコは、そう声をかけた。あずさとしては、ちょっと質のい

い靴を履いて行きたかったのだが、それが雨降り確実であれば、別のくたびれた古めの靴を履いて行った

方がいいのかもしれないと気になっていたのである。

 そこまで細かいこと気にするのは、今日は長男・ヒナタの幼稚園の入園面接だったのである。結局、こ

こしばらくの間、あれこれと母・タエコが近辺をさがしてはみたものの、かなり遠方にある仏教系の幼稚

園か、近場のカトリック系の幼稚園のどちらかという二者択一の話になり、やはり遠方はつらかろうとい

うことで、近場のカトリック系に落ち着くことになったのだった。

 仏教に愛着のある母は、少しばかり納得しきってはいない風情ではあったが、ここはヒナタのことを一

番に考えると、近場の方がありがたいということで、あずさが決定を押し切ったのだった。ただ、そのカ

トリック系の学校は、幼稚園から大学までを有する、いわゆるエスカレーター方式の学園だったので、幼

稚園にも入学面接が課されていたのである。もっとも、幼稚園のレベルなので、必死に準備しないといけ

ないお受験とかいう堅苦しいものではないし、子供の数が激減しているご時世なので、何をどうすれば入

園できるかというような大げさな話でもなく、形式的な顔合わせを兼ねたものだと聞いていた。あず


さも気にはしてはいないのだが、それでも、親としてあまりだらしない格好をしていくわけにもいかず、

必然的に、空模様とにらめっこということになっていたのである。

「迷っていても仕方ないわよ、あずさ」

と、母にうながされて、あずさは開き直って、お上品めな値段高めの靴で行くことを決意した。

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まてりん
まてりん
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