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「それで、わたしたちは次にどうすればいいんでしょう?」
言葉の違和感は置いておくとして、あずさは神谷の推理を受け入れつつ、今後の展開を考え始めてい
た。まだ午前のこの時間である。これから今日もいつか、どこかで被害者が出る可能性がないとは言えな
いからだ。
「まず、我々警察としては、不法入国滞在者の方の洗い出しをすでに始めています。リーダー格とかでは
なくとも、メンバーらしき者の尻尾でも捕まえれば、連鎖式に事件解決になるんではないかと思ってま
す。もちろん、他の線もないことはないわけですから、予断なく捜査はすすめていきます。それと同時
に、レグロス社の方にも改めて捜査協力を求めていきます。ここは正直、あまり強権をふりかざすと、
言論の弾圧だとか通信の自由だとか個人の知る権利だとか、話が本筋からこじれておかしな連中がからん
でくる事態になりかねないので、わたしも自信はありませんが、交渉はすすめていきます」
「そうですね。わたしたちの方で、同業者としてレグロスの方へ干渉はできないので、そこはおまかせし
ます」
「あとは、白瀬さんたちの方にお願いしておきたいのは、引き続いての、危険度の高いメッセージの監視
です。もう少し、監視の範囲を広げていただいた方がいいとは思います。関西圏だけではなくて、全国レ
ベルとなると、それなりに負担になることは理解してますが、ここは民間やら国やらとかいう区分けなし
に、ご協力いただくしかないのですが」
神谷は軽く一礼する。あずさはあわてて手を振る。
「いえいえ、それは当然のことなんですけれども、これまでのやり方で大丈夫なのかしらという気がする
のですが・・・普通に、危険ワードの書き込みをオート探査して、そこを監視するというのでは、実際に
犯行は防げていないので・・・」
率直に意見をすると、神谷はあたかも励ますかのように穏やかに、なぐさめでもするかのような口調で
答える。
「それしかないんです。白瀬さん、いまはそれしかないんです。しかし、きっと、相手もボロを出すとき
がきます。そこを確実につかまえていくしかないんです」
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