他事奏論

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 一言で「マスメディア」「マスコミ」とくくっても、その内実はTVと新聞では違う。それは極めて単

純なところでは、「法的拘束」があるかどうかである。もちろん、どのような場合にも、名誉棄損などの

法的な問題はつきまとうのだが、平時の場合で大きくTVと新聞を分けるのは、「国が免許を与えるかど

うか」である。新聞などは、誰かがある日に突然発行を決めたとしても、国からは一切の規制などは受け

ないのだが、TVはそうではない。大きく放送法の枠組みの中で活動することを求められ、誰かがある日

TV放送を始めたいと思っても無理なのである。

 そもそも、どうして「放送」は規制されなければならないか。まず、物理的に電波資源の有限性があ

る。これは歴史的のにもアメリカでラジオ放送が始まったときに、あまりにも自由にされすぎて電波混信

が頻発したからであるが、これは仕方のない部分でもあろう。その物理的制限とは別に、「政治的公平性

と中立性」が放送には求められている。新聞や雑誌と大きく違うところだ。

 これはなぜか。論理的理屈はいろいろあるが、「希少財である公共の電波を独占的に使用する限りは、

偏る内容はまかりならん」ということでもあるし、「TVメディアの影響力の強さ」というのもあげられ

る。が、いずれの論理的理由であろうと、今日的にTVが「公正中立」かどうかというと、これは大きな

疑義があろう。あえてここでは、個々の事例はとりあげないが、少なくとも社会的に賛否両論あるイシュ

ーに対しては、「賛否両論」を取り上げるのが「公平」なのだが、そうした基本的な視点はすでに失われ

ているようだ。

 これは「キャスター制」の始まりが大きく影響していよう。昔の報道といえば、まじめに服を着せたよ

うなアナウンサーが、終始淡々とニュース原稿を読み上げるものだったのだが、「キャスター」とか「コ

メンテーター」という肩書きの職業があふれかえるようになると、「自由に個人が意見を言う報道」が当

たり前となってしまった。それはそれで構わないのだが、そこに「客観」「中立」という要素はなじまな

い。なぜなら、ニュースを選択してコメントするのは「キャスター(と、それに代弁させている報道部

門)」の特権になったからだ。

 そう、これは「特権」なのである。電波を使うのも皮肉っぽく言えば「特権」であり、その電波を使っ

て自由にものを言うのも「特権」なのである。特権というと堅苦しのだが、何のことはなく、「特定の者

たちの占有物」なのである。電波を使っているのは、基本、どこかの会社(企業・法人)であるから、そ

れを「個」に還元するのは難しい。総務の経理係が、その放送局の「番組内容」に責任を持っているわけ

がないからだ。となると、その放送局のごく「一部」が実は電波を使って「好き勝手やっている」という

と言い過ぎだろうか。

 好き勝手やってはいないだろうが、それがある種の「独占」になっているのは間違いない。「独占」と

記しても、いまいちピンとこない話かもしれない。次回はこのあたりを検討してみたい。


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まてりん
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