他事奏論

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 前回は「TV業界」に焦点としたので、そこはそれとして新聞の方も取り上げなければなるまい。新聞

にせよTVにせよ、娯楽や広告の部分はさておき、「取材報道」という部分になると、何ら変わりはな

い。たとえば、「記者クラブ」である。

周知のように、たまにこれも「記者クラブ」外の者が声をあげるときだけクローズアップされるが、基

本、「記者会見」にせよ「プレスリリース」にせよ、公的・私的な発表の場に、我々一般人が話を聞きた

いからとズカズカ乗り込んで行くことはできない。そんなことになったら、種々雑雑の者が入り込んで、

収拾のつかないことになるからだとは言えるが、その他もろもろの理由をつけられて、「記者会見」は誰

でもかれでも入りこめない。それはそれでいいだろう。言ってみれば、それは記者の「仕事場」なのだか

ら、そこを無関係な者が入りこむのも変な話である。

 が、それは逆に、「既存メディア」の独占場と化していることも否定できない。フリーや外国の記者が

入り込むのにハードルが高すぎる=できるだけそれらを排除するようにしている、と言えなくもない。ま

た、結果的に、それが既存メディアによる「情報の独占化」になっているとも言える。

 政府の発表は記者会見を経て、メディアのフィルターを通って我々のもとにくる。企業の情報も(企業

業績発表から不祥事にいたるまで)記者会見を経て、同様にメディアのフィルターを通って我々のもとに

くる。日々の社会的事件とてそうである。単に「発表」されたことを皮肉って、こうした報道の仕方を

「発表ジャーナリズム」と言うこともある。つまりは、受けたことをそのまま流せば報道としては間違い

はないので、いきおい、その「発表」は各メディアとも同じ話として流れていく。そこで、「いや、ちょ

っと待てよ」と取材をするかどうか、周辺から事実関係を掘り起こせるかどうかが、本来の「取材」なの

だが、どうも最近は、囲み取材などをした後に記者はみな集まって、相互に「今の内容を自分が正しく聞

いているか」という確認をするようだ。ミスがないように、という慎重な姿勢でもあるが、サラリーマン

的な姿勢に徹しているとも言える。

 ここで問題としたいのは、その「サラリーマン」記者が、なぜか「国民の代表」のようになってしまっ

ていることである。かって、佐藤栄作総理が退陣時に「記者は出ていけ。国民に話がしたい」と残された

TVカメラだけを相手にしたことがあったが、そもそも記者会見とは、「マスメディア」しか情報伝播の

手段がなかったときの方策である。人々に情報を明らかにする場合、新聞やTV,雑誌といったマスメデ

ィアしかなかったのだ。広告などその最たるものだろう。一部のローカルに知らせるならば、駅前看板で

いいのだが、全国に展開するような場合、TVや新聞広告が一番である。

 そうなると、マスコミ、マスメディアを通して人々に情報を発信するしかない。が、そこでは「記者」

がフィルターとして存在する。だからこそ、政治界せよ企業にせよ、記者会見・記者発表をしているので

ある。その目的は本当は、「社会」「国民」に向かっての発表なのであって、決して目の前の記者たちを

満足させることではない。記者は「フィルター」にすぎないはずなのだ。

 だが、最近、マスメディアというフィルターは「国民の知る権利」や「報道の自由」を振りかざして、

好き勝手なことをやりすぎているようだ。直接的に言うと、「おかしい」のである。マズゴミと嘲笑され

始める原因がこのあたりにある。


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まてりん
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