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耐震強度偽装事件を受けて国交省は建築基準法などを改正、その再発防止策の第1弾が6月20日からスタートする。その最大の目玉が、従来の建築確認に加えて、構造設計の専門家が審査する構造計算書の二重チェックだ。
鉄筋コンクリート造は高さ20メートル超などの建物が対象で、現役の1級建築士や大学教授らから選ばれた「構造計算適合性判定員」が、電子データで提出させた構造計算書を再計算した上、偽装の有無や不適切な設計がないか、設計者本人から聞きながら「プロの目」でチェックする。
国交省では、二重チェックの対象を年間7万件と推定し、必要な判定員数を1500人と見込む。全国8地区で開かれた判定員の講習会で、設計ミスを見つける試験の合格者は、3354人中、39%の1315人にとどまった。急きょ行われた追試で246人が追加合格した。不合格者は設計ミスを全く見抜けなかった。何とか人数は確保できたが、決して高いレベルから選ばれたわけではない。
主な再発防止策〈6月20日から実施〉
・構造計算適合性判定員による構造計算書の二重チェックを導入
・3階建て以上の共同住宅について、中間検査を義務化
・耐震強度不足の建物を設計した建築士らは3年以下の懲役など罰則の大幅強化
・建築確認の審査基準を明確化
・建築確認の審査期間を延長(21日→35日、最大70日まで延長可)
〈今後実施予定〉
・一定規模以上の建築物の設計は、新設される構造設計1級建築士、設備設計1級建築士だけに限定
・建築士に対する講習の義務付け
建築士の良心 不可欠
規制緩和や減税措置などで多くの人が比較的、安価に我が家を手に入れた時代、それと引き換えに住まいの安全性のレベルが低下していた事実が今回の調査で突きつけられた。
原因の一つは、安全の砦(とりで)であるはずの構造設計者の技術力不足や良心の欠如だ。耐震基準をぎりぎりクリアできるように、コンピューターの中で数字と格闘し、忙しさにかまけ、少々無理な設計もいとわない……。
国交省の再発防止策は間もなくスタートするが、建築士の質の向上という最重要課題が残っている。
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