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老後の中古リフォーム
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千葉県の一戸建て住宅から娘夫婦が暮らす都心のマンションに移った宝槻登美子さん。見違えるように広々とした部屋で愛犬とくつろぐ(東京・文京区で)
【マンション快適ライフ】バリアフリーで車いす楽々 都心でも割安
郊外の一戸建てなどで暮らしてきた中高年が、老後を見据えて生活に便利な都市部の中古マンションに引っ越すケースが増えている。快適に暮らすためには、これからの生活スタイルを考えた上手なリフォームが鍵を握るようだ。
東京都文京区の宝槻(ほうつき)登美子さん(75)が、現在のマンションに引っ越したのは1年半前。千葉県内の庭付き一戸建てで暮らしていたが、10年前に夫が亡くなった。老後の一人暮らしを心配した娘夫婦が、自分たちのマンションの隣室が売り出されたので住み替えを提案したという。
JRや地下鉄の駅に近く、外出には便利。ただ、住まいの広さが約132平方メートルから76平方メートルになり、圧迫感を感じることが心配された。
そのため、リフォームは、広がりのある空間にすることと、バリアフリーなどの安全対策に力点を置いた。
低かった天井を20センチほど上げたうえ、間接照明を取り入れ、視覚的に広がりを演出。また、段差を完全になくし、部屋の仕切りも撤去。収納された引き戸を出せば居間、和室、納戸、浴室、寝室に区切れるが、車いすでも楽に動き回れる一つの空間に作り替えた。
リフォーム費用は1500万円。宝槻さんは「掃除などが、けた違いに楽になった。大工事にお金はかかったけれど、窓から光もたっぷり入り、気持ちがいい」と話す。
このリフォームを担当した三井ホームリモデリング(東京)によると、子どもが独立して夫婦だけの生活になり、都市部のマンションに住み替えたいという相談が4年程前から増えているという。
同社のリフォームプランナーの実原豊美(じつはらとよみ)さんは、「中古マンションは駅や病院が近いなど新築より立地がいいものもある。一戸建てより狭くなるが、間取りや内装などを工夫すれば居心地のいい暮らしを実現できます」と話す。
例えば、都心の60平方メートル程のマンションを新築で5000万円で買うのに対し、築20年の中古を3000万円で購入しリフォームに800万円かけると、経済的で、好みの間取りになる。
リフォームのポイントとして実原さんは次の点を挙げる。
〈1〉暮らし方の希望を明確にし、「書斎が欲しい」「子ども夫婦が泊まれる部屋を」など具体的に要望をリフォーム業者に伝える。
〈2〉老後を長く過ごすため、車いすで通れる広い通路や手すり、段差のない床、使いやすい機器など、安全性を重視する。結果として、掃除がしやすく、風通しもよくなる。
〈3〉退職で在宅時間が増える夫に、趣味をはぐくむ「自分の領域」を確保する。夫婦それぞれの部屋を作るなど、適度な距離感で気兼ねなく過ごせる工夫も加える。
ただ、中古マンションは管理が行き届いた物件を選ぶことが大事だ。マンションリフォーム推進協議会事務局長の山本公司さんは「大規模改修が行われているか、管理組合の取り組みはどうかなど管理人に聞くことを勧めます。外壁や外階段は修理・維持されているか、掃除や植栽は行き届いているかなどは外回りを見てわかる。エレベーターの有無や状態も確認してみて下さい」と助言する。
団塊の25%「住み替え・改築」希望
退職年齢を迎えた団塊の世代に、老後の住み替え先としてマンションが人気であることがわかった。
リクルート住宅総研が2006年末に首都圏の1947〜51年生まれの団塊世代の男性750人と、同世代の夫を持つ女性750人にインターネットで調査したところ、4分の1は60歳以降に住み替えや建て替えの希望があると回答した。新たに購入を希望する人は全体の約1割で、その6割がマンションを希望していた。
同総研主任研究員の島原万丈さんは「住み替え希望が強いのは、一定の資産や収入があり、現在の住居が築30年以上になる人たちという傾向もわかった」と話す。
(2007年6月26日 読売新聞)より転載
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