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下水道事業などの消費税、国税局が自治体から8億取り過ぎ
自治体が行う下水道事業などにかかる消費税をめぐり、大阪、熊本など全国の11国税局・国税事務所が自治体に対して過大に課税していたことがわかった。
国税庁によると、誤って課税されていたのは1県152市町村で、今年9月末時点で課税ミスの総額は約8億5900万円に上る。同庁は「消費税法の解釈を誤っていた。申し訳ない」と平謝りしており、各国税局は取りすぎた税金を自治体に還付する手続きを進めている。
消費税は1989年に導入され、税理士などからも「税額算定や納税の仕組みが複雑だ」とする指摘がある。“税のプロ”の国税局でもミスが明るみに出たことで、仕組みのわかりにくさが改めて露呈した形だ。
消費税は、一般の消費者が商品を買った場合だけでなく、自治体の事業でも特別会計を一つの法人とみなして課せられる。課税額は原則、売り上げにかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いた額になるが、課税対象の売上高が1000万円(2003年までは3000万円)以下の事業者は免税される。
今回の課税ミスは、下水道事業などに関し、各国税局が「仕入れにかかった消費税」を誤って算定したことが原因。特別会計を組んだ自治体が、設備投資のために起債(借金)し、返済資金を一般会計から繰り入れた場合、繰入金で賄った工事費などにかかった消費税は「仕入れにかかった消費税」とみなして差し引くことはできない。
しかし、起債した事業年度に自治体が免税事業者だった場合に限って、後に売上高が増えて課税事業者になっても、繰入金を使った費用を「仕入れにかかった消費税」として差し引きを認める規定がある。
今年3月に熊本国税局管内で、繰入金による費用を「仕入れにかかった消費税」から誤って除外し、自治体側に余分に課税していたことが発覚。その後、金沢国税局を除く11国税局・国税事務所で96年以降、課税ミスが続発していたことがわかった。
課税ミスは熊本国税局の4億1609万円が最も多く、広島9988万円、高松9323万円、大阪6961万円の各国税局の順。結果的に利用料金や税金として、住民負担が増していたことになる。
課税ミスがあっても、通常は納税者側の返還請求は5年前までしかさかのぼれないが、同庁はそれより前の時効分についても全額還付する方針。同庁消費税室は、「消費税法の解釈を統一できるよう各国税局を指導するとともに、課税ミス分は速やかに返還したい」と話している。
(2007年10月10日3時9分 読売新聞)より転載
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