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消費税、見送り方針 政府・自民、景気を懸念
2007年11月15日06時05分
政府・自民党は14日、08年度中の消費税率引き上げ実施を見送る方針を固めた。自民党の伊吹文明幹事長が同日、「来年度は、消費税を上げることはやらない」と明言。12月中旬に与党がまとめる08年度税制改正大綱には、税率引き上げを明記しない方向で調整する。これまで「07年度をめどに実現する」としてきた消費税を含めた税制の抜本改革が先送りされることで、09年度までの基礎年金の国庫負担割合の引き上げにも影響する可能性がある。
福田首相も14日の全国都道府県知事会議で「消費税を上げて、というのも短絡的すぎる。来年1年間は何とか、やり繰り算段できないかを思案中だ」と述べた。首相は社会保障給付の維持とセットで消費税率の引き上げを検討する考えを鮮明にしていたが、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題や原油高などの影響で景気の先行きが不透明なことから、この時期に引き上げ方針を明示することは国民の理解を得られないと判断した。
伊吹氏は14日の日本記者クラブでの会見で、消費税について(1)08年度税制改正での取り扱い(2)09年度の基礎年金の国庫負担増への対応(3)11年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するための措置(4)それ以降の方向性――と4段階に分けて検討する必要性を指摘。そのうえで「08年度は、消費税を上げることは、我が党としてはやらないつもりだ」と述べ、第1段階での増税を否定した。
ただ、伊吹氏は「民主党のように、あれもこれもやるけれども増税はしないと言うことはできない」とも述べ、第2、3段階での増税の可能性は否定しなかった。
政府・与党は、09年度までに基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる財源を確保するため、08年の通常国会での消費税率引き上げを視野に入れてきた。しかし、参院で第1党となった民主党が当面の消費税の引き上げに反対、国会での増税論議が難しいことなどから、先送りに傾いた。ただ、08年中に衆院選があった場合、その後の政治状況次第では、08年の臨時国会や09年の通常国会で引き上げを実現する余地はあり、09年度中の国庫負担引き上げに間に合わせることは不可能ではない。
一方、自民党では、財政再建を重視する財政改革研究会(会長=与謝野馨・税制調査会小委員長)が今月21日に財政健全化に向けた取り組みの中間報告をまとめる。増大する社会保障費に対応するため、消費税率引き上げに踏み込む方向で検討を進めている。
首相は13日に谷垣禎一政調会長や与謝野氏らと会談した際、財革研の中間報告について「中長期的な方向性はいいが、足元をよくみて判断してほしい」と指示。消費増税を盛り込む場合には、国際的な株価下落が続く経済動向などを勘案して慎重な書きぶりを求めた。 朝日より転載
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